ソロモンの審判の本当の母親の勇気ある不出馬。「羅卿ウォン(ナ・ギョンウォン)事態」の終点はこのような結末だった。羅元議員は25日の会見で自身の決定をこのように説明した。「私の出馬が分裂フレームとして作動していて、極度に混乱を招いて国民に良くない姿として映る可能性があるため、ソロモンの審判の本当の母親の心情でやめることにした。出馬決定は容易だったかもしれないが、不出馬の決定は勇気が必要だった」。
不出馬が「先党後私」の決断と勇気の結果という説明だ。この言葉を信じる人もいて、信じない人もいる。信じる人たちは不出馬による政治的打撃を甘受するという羅元議員の決定を高く評価する。反対に信じない人たちの中では民主党出身の辛京ミン(シン・ギョンミン)元議員の表現がおもしろい。テレビに出演した彼は「勇気ある不出馬」という説明について「熱いアイスコーヒー」という言葉のような形容矛盾と主張した。羅元議員の不出馬は尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領との恨み、「尹心」を恐れて下した勇気のない決定ということだ。勇気ある出馬はあっても勇気ある不出馬は話にならないとも指摘した。羅元議員の「不出馬決断」にはさまざまな評価がある。とにかく確実なのは「羅卿ウォン事態」が羅元議員のシナリオ通りに進まなかったという点だ。
党内の親尹派は最初から別の特定候補を推していた。5日午前、「最側近の最年長」権性東(クォン・ソンドン)議員が突然、不出馬を宣言した。3時間後に親尹派の核心が集まり、その特定候補にだけマイクを握らせた松坡(ソンパ)乙党協新年あいさつ会は尹心の決定的な場面だ。しかし羅元議員はその日も「党権に挑戦することになれば当然、低出産委副委員長職から退くべきではないだろうか」「その席(国民の力代表)でもっと(尹大統領を)サポートできるのではないかと考えている」と述べた。尹心はすでに固まっていたが、このベテラン政治家は依然として期待感と可能性を表明した。尹心を覆せなくても自身の高い支持率なら説得や妥協が可能だと考えたようだ。過去の大統領ならその可能性もある。途中で別の答えを見つけようとしたかもしれない。羅元議員に会って「あなたも頑張ってみなさい」と激励するような状況だ。しかし現実は正反対だった。会うこともなく、長官級の2つの席から羅元議員を解任した。大統領秘書室長までが「解任は大統領の決定」と印を押した。羅元議員には槌で打たれる程度ではなく核攻撃レベルの衝撃だったはずだ。結局、「勇気ある不出馬」であれ「熱いアイスコーヒー」であれ、羅元議員は退いた。
「尹錫悦スタイル」を誤認した人はほかにもいる。大統領選挙で競争した李在明(イ・ジェミョン)共に民主党代表だ。李代表は大統領選挙敗北後に急いでリングに戻った。縁故のない地域の補欠選挙に出馬し、国会議員のバッジをつけた。「司法リスク」の中でも野党代表にまで浮上した。そして党首会談を繰り返し提案したが、大統領室からはまだ全く話がない。
李代表としては党首会談で国政のカウンターパートとして認められる自然な2ショットが演出されることを望んだが、そのようなことは現実になかった。2ショットどころか与党代表を含む多者会談さえもない。李代表と会えば検察の捜査に誤ったシグナルを与えるという懸念のためのようだ。
龍山(ヨンサン)大統領室からは「検察総長時代を見ていないのか。尹大統領には適当な妥協というものがないが、李代表や羅元議員がそれに気づかず慌てた」(核心参謀)という解釈が出ている。実際、適当なラインで妥協しないスタイルは国家指導者には強みにも弱みにもなる。しかし適当に妥協したとすれば尹大統領の今日はなかっただろう。今後、尹大統領と相手にする政治家は、従来の政治文法にない新しい接近法を研究する必要がある。羅卿ウォン、李在明のケースは良い反面教師だ。
ソ・スンウク/論説委員
不出馬が「先党後私」の決断と勇気の結果という説明だ。この言葉を信じる人もいて、信じない人もいる。信じる人たちは不出馬による政治的打撃を甘受するという羅元議員の決定を高く評価する。反対に信じない人たちの中では民主党出身の辛京ミン(シン・ギョンミン)元議員の表現がおもしろい。テレビに出演した彼は「勇気ある不出馬」という説明について「熱いアイスコーヒー」という言葉のような形容矛盾と主張した。羅元議員の不出馬は尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領との恨み、「尹心」を恐れて下した勇気のない決定ということだ。勇気ある出馬はあっても勇気ある不出馬は話にならないとも指摘した。羅元議員の「不出馬決断」にはさまざまな評価がある。とにかく確実なのは「羅卿ウォン事態」が羅元議員のシナリオ通りに進まなかったという点だ。
党内の親尹派は最初から別の特定候補を推していた。5日午前、「最側近の最年長」権性東(クォン・ソンドン)議員が突然、不出馬を宣言した。3時間後に親尹派の核心が集まり、その特定候補にだけマイクを握らせた松坡(ソンパ)乙党協新年あいさつ会は尹心の決定的な場面だ。しかし羅元議員はその日も「党権に挑戦することになれば当然、低出産委副委員長職から退くべきではないだろうか」「その席(国民の力代表)でもっと(尹大統領を)サポートできるのではないかと考えている」と述べた。尹心はすでに固まっていたが、このベテラン政治家は依然として期待感と可能性を表明した。尹心を覆せなくても自身の高い支持率なら説得や妥協が可能だと考えたようだ。過去の大統領ならその可能性もある。途中で別の答えを見つけようとしたかもしれない。羅元議員に会って「あなたも頑張ってみなさい」と激励するような状況だ。しかし現実は正反対だった。会うこともなく、長官級の2つの席から羅元議員を解任した。大統領秘書室長までが「解任は大統領の決定」と印を押した。羅元議員には槌で打たれる程度ではなく核攻撃レベルの衝撃だったはずだ。結局、「勇気ある不出馬」であれ「熱いアイスコーヒー」であれ、羅元議員は退いた。
「尹錫悦スタイル」を誤認した人はほかにもいる。大統領選挙で競争した李在明(イ・ジェミョン)共に民主党代表だ。李代表は大統領選挙敗北後に急いでリングに戻った。縁故のない地域の補欠選挙に出馬し、国会議員のバッジをつけた。「司法リスク」の中でも野党代表にまで浮上した。そして党首会談を繰り返し提案したが、大統領室からはまだ全く話がない。
李代表としては党首会談で国政のカウンターパートとして認められる自然な2ショットが演出されることを望んだが、そのようなことは現実になかった。2ショットどころか与党代表を含む多者会談さえもない。李代表と会えば検察の捜査に誤ったシグナルを与えるという懸念のためのようだ。
龍山(ヨンサン)大統領室からは「検察総長時代を見ていないのか。尹大統領には適当な妥協というものがないが、李代表や羅元議員がそれに気づかず慌てた」(核心参謀)という解釈が出ている。実際、適当なラインで妥協しないスタイルは国家指導者には強みにも弱みにもなる。しかし適当に妥協したとすれば尹大統領の今日はなかっただろう。今後、尹大統領と相手にする政治家は、従来の政治文法にない新しい接近法を研究する必要がある。羅卿ウォン、李在明のケースは良い反面教師だ。
ソ・スンウク/論説委員
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