ロシアが中国と旧ソ連構成国を通じ禁輸品目を迂回輸入する手法で西側の経済制裁に対応し、ある程度の成果を出していることがわかった。こうした中、中国のロシア支援問題をめぐり米国が反発するなど、ウクライナ戦争が米中対立をさらに刺激しているという分析も出ている。
米セキュリティ専門シンクタンクのシルベラード・ポリシー・アクセラレーター(SPA)が22日に公開した分析報告書によると、ロシアは米国を中心とした西側の制裁網を回避するため半導体など主要必需品を中国や香港などを経由して大挙輸入しているものと把握された。一言で中国などが西側の物品を代わりに買いロシアに売るという話だ。
そのためロシア向けの各国の輸出規模は制裁が発動される以前の水準にほぼ回復した状況だ。
これと関連しブルームバーグは24日、消息筋の話として「中国国営企業がウクライナ戦争と関連してロシアを支援した状況をバイデン米政権がとらえ水面下で中国政府に問題提起した」と伝えた。ただこれら企業がロシアに具体的にどのような物資を支援したのかは公開されなかった。ブルームバーグによると中国企業の対ロシア輸出は「非殺傷軍事的・経済的支援で、制裁体制を全面回避する水準ではないもの」と把握された。
◇中国に半導体輸入アウトソーシング
実際にSPAの報告書でもこうした流れが現れている。報告書によると、中国は昨年10月基準でロシアにとって最大の供給国であり、前年比で輸出が最も多く増加した国だ。ロシアのウクライナ侵攻直前に中国のロシア向け輸出が一時的に減少したが、むしろ侵攻後急速に反騰した結果だ。
中国のロシア向け輸出品目のうち最も目を引くのは半導体だ。西側諸国はスマートフォンからミサイルに至るまで電子装備の必須部品である半導体に対しては制裁初期から輸出を統制してきた。
ところが報告書によるとロシアは戦争を起こす前からこうした西側の制裁に備えていたと分析される。半導体の在庫を大幅に増やし、中国など制裁と関係がない国に供給網を変えていったのだ。半導体輸入そのものをアウトソーシングした形だ。
その結果、中国・香港はロシア向け半導体の最大の船積み地になった状況だ。昨年11月基準で中国・香港を経由した半導体輸出は全ロシア向け輸出の55%を占めるほどだ。
◇アルメニアから携帯電話輸入急増
ロシアに近い独立国家共同体(CIS)加盟国とトルコなどもこうした迂回輸出のルートになっている。一例としてアルメニアの携帯電話貿易規模を見ると、ウクライナ戦争以前は一定の水準で維持されていた輸入量が戦争後は急増している。
これはアルメニアが携帯電話をロシアにそれだけ再輸出した結果だった。戦争前にはロシアがアルメニアから輸入する携帯電話はなかった。
ただこうしたアルメニアの再輸出量も次第に減っている。2021年にロシア国内シェア30%で1位だったサムスン電子と13%で3位のアップルなどが撤退した隙間を狙って中国のスマートフォンメーカーが集中攻略しているためだ。ロシアの年間スマートフォン出荷量が2900万~3000万台で世界6位規模であるだけに、こうした貿易の流れは世界市場にも影響を及ぼすほかない。
これだけではなく家電製品と乗用車などロシアの消費財市場もはっきりと回復傾向が感じられる。報告書はこのうちロシア国内生産品のシェアが高い洗濯機(75%)と冷蔵庫(50%)の需給が円滑になったことに注目した。西側の制裁後に一時的に減った主要部品のロシアへの供給が正常化したという意味であるためだ。
◇韓国車など中古車輸入も増える
ロシアの乗用車市場では多少特異な貿易動向が現れた。中国製乗用車の輸入量が大きく増えた中、韓国車、日本車、ドイツ車の中古車輸入量がウクライナ戦争後増え続ける様相だ。
これをめぐり、西側自動車メーカーのロシア市場撤退後に減っていた輸入新車規模を第三国を通じた中古車輸入が代替しているという分析が出ている。
報告書はロシアがウクライナ侵攻に備えて主要必需品の在庫量確保に出た点も指摘した。西側の制裁を念頭に置いて戦争を準備したという話だ。実際に戦争直前の昨年1月にロシアの半導体在庫量はロシア政府が集計した公式統計で過去最高水準だった。
だが在庫確保と供給網再編というロシアの戦略はウクライナ戦争が長期化し失敗する可能性が相当にあるとの見方も出ている。第三国迂回輸出を防ぐなど西側の制裁網がさらに厳しくなるかもしれないとの見通しからだ。
現在も消費財需給の流れ自体は悪くないが、「戦争前より品質は落ちたのに価格だけ上がった」というロシア国民の不満が出ているのが実情だ。また、中国への依存度が大きく高まったためにロシア政府内でも警戒の声が出ていると報告書は伝えた。
米セキュリティ専門シンクタンクのシルベラード・ポリシー・アクセラレーター(SPA)が22日に公開した分析報告書によると、ロシアは米国を中心とした西側の制裁網を回避するため半導体など主要必需品を中国や香港などを経由して大挙輸入しているものと把握された。一言で中国などが西側の物品を代わりに買いロシアに売るという話だ。
そのためロシア向けの各国の輸出規模は制裁が発動される以前の水準にほぼ回復した状況だ。
これと関連しブルームバーグは24日、消息筋の話として「中国国営企業がウクライナ戦争と関連してロシアを支援した状況をバイデン米政権がとらえ水面下で中国政府に問題提起した」と伝えた。ただこれら企業がロシアに具体的にどのような物資を支援したのかは公開されなかった。ブルームバーグによると中国企業の対ロシア輸出は「非殺傷軍事的・経済的支援で、制裁体制を全面回避する水準ではないもの」と把握された。
◇中国に半導体輸入アウトソーシング
実際にSPAの報告書でもこうした流れが現れている。報告書によると、中国は昨年10月基準でロシアにとって最大の供給国であり、前年比で輸出が最も多く増加した国だ。ロシアのウクライナ侵攻直前に中国のロシア向け輸出が一時的に減少したが、むしろ侵攻後急速に反騰した結果だ。
中国のロシア向け輸出品目のうち最も目を引くのは半導体だ。西側諸国はスマートフォンからミサイルに至るまで電子装備の必須部品である半導体に対しては制裁初期から輸出を統制してきた。
ところが報告書によるとロシアは戦争を起こす前からこうした西側の制裁に備えていたと分析される。半導体の在庫を大幅に増やし、中国など制裁と関係がない国に供給網を変えていったのだ。半導体輸入そのものをアウトソーシングした形だ。
その結果、中国・香港はロシア向け半導体の最大の船積み地になった状況だ。昨年11月基準で中国・香港を経由した半導体輸出は全ロシア向け輸出の55%を占めるほどだ。
◇アルメニアから携帯電話輸入急増
ロシアに近い独立国家共同体(CIS)加盟国とトルコなどもこうした迂回輸出のルートになっている。一例としてアルメニアの携帯電話貿易規模を見ると、ウクライナ戦争以前は一定の水準で維持されていた輸入量が戦争後は急増している。
これはアルメニアが携帯電話をロシアにそれだけ再輸出した結果だった。戦争前にはロシアがアルメニアから輸入する携帯電話はなかった。
ただこうしたアルメニアの再輸出量も次第に減っている。2021年にロシア国内シェア30%で1位だったサムスン電子と13%で3位のアップルなどが撤退した隙間を狙って中国のスマートフォンメーカーが集中攻略しているためだ。ロシアの年間スマートフォン出荷量が2900万~3000万台で世界6位規模であるだけに、こうした貿易の流れは世界市場にも影響を及ぼすほかない。
これだけではなく家電製品と乗用車などロシアの消費財市場もはっきりと回復傾向が感じられる。報告書はこのうちロシア国内生産品のシェアが高い洗濯機(75%)と冷蔵庫(50%)の需給が円滑になったことに注目した。西側の制裁後に一時的に減った主要部品のロシアへの供給が正常化したという意味であるためだ。
◇韓国車など中古車輸入も増える
ロシアの乗用車市場では多少特異な貿易動向が現れた。中国製乗用車の輸入量が大きく増えた中、韓国車、日本車、ドイツ車の中古車輸入量がウクライナ戦争後増え続ける様相だ。
これをめぐり、西側自動車メーカーのロシア市場撤退後に減っていた輸入新車規模を第三国を通じた中古車輸入が代替しているという分析が出ている。
報告書はロシアがウクライナ侵攻に備えて主要必需品の在庫量確保に出た点も指摘した。西側の制裁を念頭に置いて戦争を準備したという話だ。実際に戦争直前の昨年1月にロシアの半導体在庫量はロシア政府が集計した公式統計で過去最高水準だった。
だが在庫確保と供給網再編というロシアの戦略はウクライナ戦争が長期化し失敗する可能性が相当にあるとの見方も出ている。第三国迂回輸出を防ぐなど西側の制裁網がさらに厳しくなるかもしれないとの見通しからだ。
現在も消費財需給の流れ自体は悪くないが、「戦争前より品質は落ちたのに価格だけ上がった」というロシア国民の不満が出ているのが実情だ。また、中国への依存度が大きく高まったためにロシア政府内でも警戒の声が出ていると報告書は伝えた。
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