「政策市」。
中国株式市場の特徴を現わす言葉だ。市場の需給よりも政府の政策によって株価が大きく動くということだ。景気が不況に見舞われ、政府の干渉が深刻な時には「政策市」志向は強くなる。「市場の前に政府を読め」という中国証券市場の格言もある。
今がそうだ。市場はもう壊れるだけ壊れた。不動産市場は数年間沈滞状態で迷走し、成長の牽引(けんいん)役を果たしていたIT企業も萎縮したままだ。グローバル景気低迷で輸出の中心だった民営の中小企業も厳しい局面を迎えている。これまで推進してきた「ゼロコロナ」政策で消費需要まで極限まで冷え込んだ。そのうえ米国の圧迫まで加わり「良いというべきものがない」というほどだ。
昨年、中国の経済成長率(GDP)予想値は概略で3%台序盤。政府の目標値(5.5%)にはるかに至らない水準だ。そのためなおさら「政策」を見なければならない。経済が厳しい時、中国は国家が前面に出て経済を導くためだ。
◇住宅・電気自動車(EV)・ヘルスケアに大々的支援
ヒントはやはり先月15~16日2日間にわたって開かれた中央経済工作会議から求めるべきであろう。2つのことに注目する必要がある。1つ目はアリババやWeChatなど「ビッグテック企業」の解放だ。
新華社が発表した公報は「プラットフォーム企業がデジタル経済の発展を主導すると同時に雇用を創り出し、国際競争で大きな役割を果たせるように支援しなければならない」と強調している。国有企業と民間企業に対する同等な待遇の重要性を強調した。民間企業の財産権と利益を保護するという約束もした。資本の無秩序な拡張を防ぐという1年前の会議結果から180度転換した。「共同富裕」という単語はそもそも登場しなかった。
過去2年余りの間に進めた主要IT企業に対する整理作業を終えるという意味に解釈することができる。韓国対外経済政策研究院のヤン・ビョンソプ博士は「民営企業を生かさなくては成長を取り戻すことができないという現実的判断が働いた」と分析した。
もう一つは内需拡大だ。公報は「2023年の経済運用の最優先を消費回復と拡大に置かなければならない」と釘を刺した。住宅改善、新エネルギー自動車、医療健康など具体的な領域も提示された。
政府も消費を増やす計画だ。従来の財政事業に対する資金支援を増やす一方、新たな国家プロジェクトの発掘にも積極的に乗り出す計画だ。国家の蔵を開け放し、消費を後押しするという意味だ。
理由は充分だ。今年は習近平第3期政府がスタートする年だ。実績を示さなければならない。韓国の中国経済観測研究所のパク・ハンジン所長は「政治的状況から見るとき、中国は成長のための『最大値』を引き出すほかはない」とし「年間を通じて多角的な内需浮揚政策が発表されるだろう」と予想した。
◇中国版「一人立ち」に主力
中国経済はグローバルの流れと連動して動く。グローバル化が高まった1990年代、中国は国際分業に積極的に参入した。2001年には世界貿易機関(WTO)にも加入した。今は逆だ。米中貿易戦争、新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)、ロシア-ウクライナ戦争などでグローバル化の流れが退潮しながら中国も異なる道を選択した。「一人立ち」がそれだ。
中国は中央経済工作会議が開かれる前日の先月14日、「内需拡大戦略計画要綱(2022~2035)」を発表した。2015年に発表された「中国製造2025」が製造業高度化方案を盛り込んでいたとすると、「内需拡大戦略2035」はサービス産業高度化を骨子としている。
要綱は2035年までに内需市場をどのように整備し、どの方向で市場を育てていくのかを具体的に提示している。文化・医療・スポーツなど伝統サービス市場を支援する一方、ライブ放送・シェア経済など新型消費を育成することにした。グリーン消費、農村現代化、流通体系の現代化、ブランドパワー強化など幅広い内容が盛り込まれている。
大韓貿易投資振興公社(KOTRA)情報通商協力室のファン・ジェウォン室長は「中国内需拡大2035」を「双循環」戦略と結び付けて説明する。ファン室長は「中国がこれまで国内市場は未成熟であることから製品の販売は海外市場に依存(輸出)する傾向を見せていた」とし「今後は内需強化にも力を入れて、生産も販売も国内で回るように産業地図を組んでいる」と述べた。それがまさに「双循環」だ。
「双循環」は経済自立の完成で、グローバル化の退潮に対する中国の選択だ。その核心がまさに「内需拡大」だ。2023年中国産業の底流で流れている動きだ。
<チャイナインサイト>製造業→サービス業へ比重シフト、中国消費者は財布の紐を緩めるか(2)
中国株式市場の特徴を現わす言葉だ。市場の需給よりも政府の政策によって株価が大きく動くということだ。景気が不況に見舞われ、政府の干渉が深刻な時には「政策市」志向は強くなる。「市場の前に政府を読め」という中国証券市場の格言もある。
今がそうだ。市場はもう壊れるだけ壊れた。不動産市場は数年間沈滞状態で迷走し、成長の牽引(けんいん)役を果たしていたIT企業も萎縮したままだ。グローバル景気低迷で輸出の中心だった民営の中小企業も厳しい局面を迎えている。これまで推進してきた「ゼロコロナ」政策で消費需要まで極限まで冷え込んだ。そのうえ米国の圧迫まで加わり「良いというべきものがない」というほどだ。
昨年、中国の経済成長率(GDP)予想値は概略で3%台序盤。政府の目標値(5.5%)にはるかに至らない水準だ。そのためなおさら「政策」を見なければならない。経済が厳しい時、中国は国家が前面に出て経済を導くためだ。
◇住宅・電気自動車(EV)・ヘルスケアに大々的支援
ヒントはやはり先月15~16日2日間にわたって開かれた中央経済工作会議から求めるべきであろう。2つのことに注目する必要がある。1つ目はアリババやWeChatなど「ビッグテック企業」の解放だ。
新華社が発表した公報は「プラットフォーム企業がデジタル経済の発展を主導すると同時に雇用を創り出し、国際競争で大きな役割を果たせるように支援しなければならない」と強調している。国有企業と民間企業に対する同等な待遇の重要性を強調した。民間企業の財産権と利益を保護するという約束もした。資本の無秩序な拡張を防ぐという1年前の会議結果から180度転換した。「共同富裕」という単語はそもそも登場しなかった。
過去2年余りの間に進めた主要IT企業に対する整理作業を終えるという意味に解釈することができる。韓国対外経済政策研究院のヤン・ビョンソプ博士は「民営企業を生かさなくては成長を取り戻すことができないという現実的判断が働いた」と分析した。
もう一つは内需拡大だ。公報は「2023年の経済運用の最優先を消費回復と拡大に置かなければならない」と釘を刺した。住宅改善、新エネルギー自動車、医療健康など具体的な領域も提示された。
政府も消費を増やす計画だ。従来の財政事業に対する資金支援を増やす一方、新たな国家プロジェクトの発掘にも積極的に乗り出す計画だ。国家の蔵を開け放し、消費を後押しするという意味だ。
理由は充分だ。今年は習近平第3期政府がスタートする年だ。実績を示さなければならない。韓国の中国経済観測研究所のパク・ハンジン所長は「政治的状況から見るとき、中国は成長のための『最大値』を引き出すほかはない」とし「年間を通じて多角的な内需浮揚政策が発表されるだろう」と予想した。
◇中国版「一人立ち」に主力
中国経済はグローバルの流れと連動して動く。グローバル化が高まった1990年代、中国は国際分業に積極的に参入した。2001年には世界貿易機関(WTO)にも加入した。今は逆だ。米中貿易戦争、新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)、ロシア-ウクライナ戦争などでグローバル化の流れが退潮しながら中国も異なる道を選択した。「一人立ち」がそれだ。
中国は中央経済工作会議が開かれる前日の先月14日、「内需拡大戦略計画要綱(2022~2035)」を発表した。2015年に発表された「中国製造2025」が製造業高度化方案を盛り込んでいたとすると、「内需拡大戦略2035」はサービス産業高度化を骨子としている。
要綱は2035年までに内需市場をどのように整備し、どの方向で市場を育てていくのかを具体的に提示している。文化・医療・スポーツなど伝統サービス市場を支援する一方、ライブ放送・シェア経済など新型消費を育成することにした。グリーン消費、農村現代化、流通体系の現代化、ブランドパワー強化など幅広い内容が盛り込まれている。
大韓貿易投資振興公社(KOTRA)情報通商協力室のファン・ジェウォン室長は「中国内需拡大2035」を「双循環」戦略と結び付けて説明する。ファン室長は「中国がこれまで国内市場は未成熟であることから製品の販売は海外市場に依存(輸出)する傾向を見せていた」とし「今後は内需強化にも力を入れて、生産も販売も国内で回るように産業地図を組んでいる」と述べた。それがまさに「双循環」だ。
「双循環」は経済自立の完成で、グローバル化の退潮に対する中国の選択だ。その核心がまさに「内需拡大」だ。2023年中国産業の底流で流れている動きだ。
<チャイナインサイト>製造業→サービス業へ比重シフト、中国消費者は財布の紐を緩めるか(2)
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