◆民間ネットワークを最大限に活用
こうした事情を早期に看破した米国や中国、ロシア、英国などは国家のすべての資源を動員して軍の革新に集中している。ほとんどの技術が大学と研究所、IT企業において民間とネットワークを強化している。米陸軍はAIを管轄する部隊A-AITFを民間大学のカーネギーメロン大学(CMU)に置いた。CMUがAI分野のトップ走者だからだ。また米陸軍はコンピューター ネットワークにグーグルクラウドを活用することにした。
米陸軍将来コマンド(Army Future Command)は4500余りの企業と契約し、新技術事業を遂行している。しかし韓国は厳しいセキュリティー規定と硬直した防衛事業制度のため民間技術を積極的に活用できるのか疑問だ。
◆障害物になった防衛事業制度
国防革新4.0を進めるうえで最大の障害物は不正防止に焦点を置いた防衛事業法だ。韓国の規定では、いくら画期的なアイデアと技術があっても複雑な手続きのために新武器の開発に10年以上かかる。このため予算は膨らみ、新しい武器ができても配備する時にはすでに時代遅れになっている。
最近はK-防衛産業が人気だと反論するかもしれない。しかし欧州の先進国が脱冷戦以降ウクライナ戦争のような大きな戦争がないと判断し、防衛産業を軽視してきたことによる漁夫の利という指摘がある。K-防衛産業が好調を維持できるかは分からない。
防衛事業庁が国防革新4.0に必須の第4次産業革命技術を積極的に活用するために設置した迅速示範獲得事業制度は意図とは異なる方向に変質している。米国をベンチマーキングし、10-15年かかる防衛事業を5-6年に短縮するのが目的だ。
2020年に導入したこの制度は昨年まで674億ウォン(約71億円)を投じて30件の事業を推進したが、成功したものはない。ドローン対応の携帯用アンチドローンガン、自爆無人機、レーダーと連動したアンチドローン統合ソリューションなどだ。
成功しない理由は公務員の硬直した態度のためだ。防衛事業庁がこの制度を初めて紹介した当時には▼競争で企業を選定した後▼製品(武器)の試験運用で軍に適合するという評価を受ければ▼直ちに所要物量を決めて▼合格した企業と随意契約して納品を受けることにした。
ところが防衛事業庁は最後の納品段階で試験運用に合格した企業と随意契約をせず、新しい企業を挟んで再び競争入札をすると言葉を変えた。随意契約する場合に生じる監査と調査を恐れているからだ。結局、従来の防衛事業制度の2倍の手続きが必要となり、事業期間も長くなり、企業に負担を与えることになった。
このように国防革新4.0にはあちこちに障害物がある。今後20年かかる革新に成功するためには考え方から変えなければいけない。防衛事業制度や軍隊再設計の過程で利害の鎖も果敢に除去する必要がある。そうしてこそ戦闘機で北朝鮮の無人機を迎撃しなければならない不祥事を防ぐことができる。
キム・ミンソク/軍事安保研究所/選任委員
<Mr.ミリタリー>北の無人機を無力化する「ジャマー」すでに国内にあるが…韓国軍「4年以内に開発」(1)
こうした事情を早期に看破した米国や中国、ロシア、英国などは国家のすべての資源を動員して軍の革新に集中している。ほとんどの技術が大学と研究所、IT企業において民間とネットワークを強化している。米陸軍はAIを管轄する部隊A-AITFを民間大学のカーネギーメロン大学(CMU)に置いた。CMUがAI分野のトップ走者だからだ。また米陸軍はコンピューター ネットワークにグーグルクラウドを活用することにした。
米陸軍将来コマンド(Army Future Command)は4500余りの企業と契約し、新技術事業を遂行している。しかし韓国は厳しいセキュリティー規定と硬直した防衛事業制度のため民間技術を積極的に活用できるのか疑問だ。
◆障害物になった防衛事業制度
国防革新4.0を進めるうえで最大の障害物は不正防止に焦点を置いた防衛事業法だ。韓国の規定では、いくら画期的なアイデアと技術があっても複雑な手続きのために新武器の開発に10年以上かかる。このため予算は膨らみ、新しい武器ができても配備する時にはすでに時代遅れになっている。
最近はK-防衛産業が人気だと反論するかもしれない。しかし欧州の先進国が脱冷戦以降ウクライナ戦争のような大きな戦争がないと判断し、防衛産業を軽視してきたことによる漁夫の利という指摘がある。K-防衛産業が好調を維持できるかは分からない。
防衛事業庁が国防革新4.0に必須の第4次産業革命技術を積極的に活用するために設置した迅速示範獲得事業制度は意図とは異なる方向に変質している。米国をベンチマーキングし、10-15年かかる防衛事業を5-6年に短縮するのが目的だ。
2020年に導入したこの制度は昨年まで674億ウォン(約71億円)を投じて30件の事業を推進したが、成功したものはない。ドローン対応の携帯用アンチドローンガン、自爆無人機、レーダーと連動したアンチドローン統合ソリューションなどだ。
成功しない理由は公務員の硬直した態度のためだ。防衛事業庁がこの制度を初めて紹介した当時には▼競争で企業を選定した後▼製品(武器)の試験運用で軍に適合するという評価を受ければ▼直ちに所要物量を決めて▼合格した企業と随意契約して納品を受けることにした。
ところが防衛事業庁は最後の納品段階で試験運用に合格した企業と随意契約をせず、新しい企業を挟んで再び競争入札をすると言葉を変えた。随意契約する場合に生じる監査と調査を恐れているからだ。結局、従来の防衛事業制度の2倍の手続きが必要となり、事業期間も長くなり、企業に負担を与えることになった。
このように国防革新4.0にはあちこちに障害物がある。今後20年かかる革新に成功するためには考え方から変えなければいけない。防衛事業制度や軍隊再設計の過程で利害の鎖も果敢に除去する必要がある。そうしてこそ戦闘機で北朝鮮の無人機を迎撃しなければならない不祥事を防ぐことができる。
キム・ミンソク/軍事安保研究所/選任委員
<Mr.ミリタリー>北の無人機を無力化する「ジャマー」すでに国内にあるが…韓国軍「4年以内に開発」(1)
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