米国のインフレ抑制法に対応する韓国政府の疎通方式が米国で注目されている。米国輸入自動車協会と主要国大使館、現地メディアなどが韓国の積極的な対応を肯定的に評価した。

米国メディアが１９日に伝えたところによると、米輸入自動車協会のジェニファー・サファビアン代表は最近「韓国政府がインフレ抑制法問題に素早く措置をした。韓国政府はすぐに問題を指摘して法改正の必要性などの代案を積極的に提示した」と評価した。その上で「こうした米国の政権・議会との疎通方式が協会と会員企業に役に立った」と明らかにした。

◇米輸入自動車協会、韓国政府の対応を肯定評価


米輸入自動車協会にはヒョンデ（現代自動車）と起亜（キア）を含め、フォルクスワーゲン、ＢＭＷ、メルセデス・ベンツ、トヨタ、ホンダなどが会員として参加している。インフレ抑制法発効後には協会・会員企業と、ドイツ、日本、韓国など大使館関係者らが随時会合を持ち共同対応案を模索している。韓国政府はインフレ抑制法発効前後に欧州連合（ＥＵ）など他の国よりも早く対策を立てた。インフレ抑制法発効後１カ月もたたない９月に米国政府と交渉チャンネルを構築することに合意し、９日で実務協議に入った。

韓国政府はまた、国会とともにインフレ抑制法改定に影響を及ぼしかねない米国上下院議員を対象に韓米自由貿易協定（ＦＴＡ）を強調し、韓国製電気自動車が税制優遇を受けられるよう説得した。ヒョンデのインフレ抑制法対応を総括するホセ・ムニョス社長（グローバル最高執行責任者、ＣＯＯ）も「韓国政府と国会の米国内でのインフレ抑制法活動がヒョンデに大いに役立っている」と話した。続けて「ＥＵなど他の国より早く、より積極的にインフレ抑制法に対応した。こうした韓国の努力によりインフレ抑制法を柔軟に適用しなければならないという主張が米国政府に十分に伝えられたとみられる」と評価した。

米国メディアもインフレ抑制法に対する同盟国の懸念を伝えながら韓国政府の対応に注目している。ウォール・ストリート・ジャーナルは１０月、「米国の主要同盟国はインフレ抑制法に怒っている。インフレ抑制法に最も反発している国は韓国」と明らかにした。ブルームバーグも「欧州と日本などの電気自動車メーカーも補助金差別条項に不満を抱いている。だが韓国だけが率直な声を出している」と報道した。韓国政府と国会の対応は現代自動車グループなど韓国企業の活動とともに効果を出し、米国上院と下院で親環境自動車税額控除３年猶予を骨子とする法改定発議にもつながった。

◇ムニョス社長「韓国政府の活動大きな助けに」

韓国企業も米財務省に意見書を提出する一方、政府と足並みを合わせて対応策用意に力を注いでいる。ヒョンデと起亜は法改定に向けた活動と同時にエンジン車を生産するアラバマ工場とジョージア工場で２０２４年から電気自動車の生産を検討している。ＬＧエネルギーソリューション、ＳＫオン、サムスンＳＤＩなどバッテリー企業はヒョンデ・起亜だけでなく、ゼネラルモーターズ（ＧＭ）やフォードなど現地の自動車メーカーと組んで北米に生産拠点を構築している。