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中国が支援した肥料55万トン、北朝鮮「狂人賭博」の“掛け金”に(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
◇中国の肥料支援で食糧難「首の皮一つ」

住民が食糧不足で飢えている渦中にも北朝鮮が今年異例ともいえる強力なミサイル挑発を持続しているのは中国が「陰」を提供した結果だとみられる。北朝鮮消息筋によると、中国は2020年北朝鮮にコメ60万トンとトウモロコシ20万トンなど合計80万トン規模の食糧を支援した。また別の消息筋によると、中国は昨年初め海上運送を通じてコメ50万トンと肥料55万トンを支援した。特に肥料55万トンの場合、意味が格別だ。直接的な食糧支援ではないが、日照りや台風被害などで急減した収穫量を引き上げることができる足がかりを用意する支援に該当するためだ。

特に、偶然にも中国は肥料支援以降である昨年10月、韓国の尿素水不足事態を触発した「肥料輸出検査措置」を発表した。尿素やリン酸肥料など29種類の肥料品目に対する検疫を義務化する内容だったが、化学肥料の備蓄量不足に備えるために中国はこのような措置を断行した。これは肥料原料である尿素輸出統制につながり、韓国では尿素水価格が10倍以上暴騰する事態へと拡大した。北朝鮮としては肥料価格の暴騰および品薄事態を控えて中国の支援で相当量の肥料を備蓄することができた。


専門家は北朝鮮式農業の低い生産性や非効率などを勘案すると、中国から持ち込んだ肥料を活用する場合、収穫量が2~3倍ほど増える増産効果があると分析する。肥料55万トンを支援することはコメ165万トンの支援に匹敵する効果があるという意味だ。これは今年の北朝鮮の食糧不足分を充当できる規模だ。

北朝鮮農業専門家であるクォン・テジン氏(GS北朝鮮北東アジア研究院長)は報告書「北朝鮮の肥料需給動向と示唆する点」を通じて「複合肥料1トンを追加的に投じる場合、コメ増収効果は概略2~3トン規模と推算できるほど肥料の食糧増産効果は絶対的」と分析した。

しかし中国の肥料支援による食糧増産は昨年の状況だ。今年は中国が8月にコメ10万トンを北朝鮮に送ったのが全て。目前の食糧難が深刻化することを食い止めることはできても、食糧不足を克服する水準ではない。

◇食糧支援に続き安保理でも「防壁の盾」

ロシアも最近運行を再開した列車を使って北朝鮮に小麦粉などの食糧を緊急支援しているものと把握される。北朝鮮は食糧難の解消に使わなければならないお金をミサイル試験発射に投じ、それによる食糧空白を中露両国が代わりに埋める密着構図が形成されているという分析だ。中露のこのようなやり方は結果的に北朝鮮のミサイル発射を黙認することを越えてこれをあおる結果につながっている。

北朝鮮の立場で中露は食糧支援以外にも国連安全保障理事会の追加制裁決議を遮る盾になっている。今年5月、北朝鮮のICBM発射に対して米国主導で追加制裁を安保理表決に送ったが、中国が拒否権を行使した事例が代表的だ。その後も中国はミサイル挑発を「安保上の合理的憂慮」と規定するなど北朝鮮の防壁の盾を果たしている。


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