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【コラム】アルテミス計画と韓国の宇宙経済(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
◇タヌリ号、12月末に月軌道進入

8月に打ち上げた月軌道船タヌリ号はこのほどBTSのミュージックビデオを地球に伝送した。これまで極めて成功裏に飛行しており、12月末ごろには月軌道進入に成功すると期待している。韓国の宇宙開発は国が主導して先進国の技術を習得する典型的な技術追撃型開発だ。これまでこの戦略は効果的で、宇宙ロケットのヌリ号、静止軌道衛星、アリラン衛星、先端小型衛星などが開発された。

しかし現在の宇宙開発は民間企業の革新が主導したニュースペース開発も跳び超え新たな宇宙航行時代に転換している。幸い韓国も世界的変化に合わせた宇宙開発政策方向の転換とガバナンスの変化を模索している。それでも明らかにされている第4次宇宙開発振興計画の主要内容は依然として技術中心の開発計画と宇宙産業育成などで、宇宙航行時代に備える宇宙開発の変化を受け入れるには不足しているようだ。


韓国はアルテミス合意参加国だが、2031年の月探査第2段階計画はアルテミス計画と技術的な連係性がなく単純な科学任務が主要計画だと伝えられている。宇宙インターネットDTNはBTSのビデオを伝送して韓国が最高の技術を保有していることを証明し、月前進基地と地球の通信の基本プロトコルだが韓国の2段階月探査事業には採択されなかった。韓国がうまくやり世界的技術へと発展させられる技術を努めてなくしている。

◇衛星主要部品50%が輸入

断言するが、宇宙産業とはロケットや衛星のシステム、部品などを作る製造産業だけでなく、構築された宇宙インフラを活用して新たな付加価値を創出し高められる多様な産業を意味する。宇宙ロケットと衛星、そして地上インフラ確保は宇宙開発を維持し発展させるために必須の宇宙開発生態系だが、この分野がそのまま宇宙産業の本質ではないということだ。

むしろ衛星情報を活用した国土・海洋・農産物・水資源などの分析と管理は国家経営のために必要なだけでなく、第4次産業革命の基本主題だが民間業者の活動がわずかで宇宙産業に成長できずにいる。世界的なインターネット技術保有国でありデジタル革新を主導しているが、韓国が最もよくできる分野ですらも宇宙産業へと発展させるための国家的努力は足りない方だ。また、ニュースペース時代には衛星半導体や素子と関連した領域が拡張しているが、半導体の世界生産の半分ほどを生産する韓国の半導体を衛星に用いるための基本研究もなく依然として衛星の重要部品の50%ほどは外国から輸入している。

宇宙経済の実現はロケットと衛星製作を超え韓国の産業構造に新たな動力と革新的アイデアを提供する役割をどこでどのように見いだすことができるのか考えることから始めなければならない。韓国が最もうまくできる部分で技術開発の範囲を再設定し、その対象分野を探してみる努力が必要だ。

◇新たな宇宙文化創成まで進まなければ

少し前から韓国が先進国の敷居を越えたといううれしい便りが聞こえてくる。伝統的に先進国は領土、人口数、軍事力、経済力、科学技術力または外交力などのような多様な基準によって決まるが、月に前進基地が建設される未来には国の宇宙開発能力も先進国を区分する重要な基準になるだろう。宇宙ロケット、衛星開発などに偏った製造中心の宇宙産業だけで宇宙先進国になるのは難しい。

米国のアルテミス計画は月基地、人間居住施設確保という可視的な目標を掲げるが、大航海時代のような変革に備えようとする努力、すなわち自由航行の原則、遭難救助、衛星破片生成、法律的管轄などの概念的で法律的規範の制定まで含んだ文化と哲学を伴った遠大な計画だ。

韓国も技術的な宇宙開発を超え、経済分野に拡張しようとする宇宙経済の実現を目標に新しい計画を立てている。今回の計画が経済的成果だけでなく新たな宇宙文化にまでつながる契機になることを期待してみる。先月米国の宇宙関連学会に参加した際にハーバード大学経営学部で発表した論文の題名がとても印象的だった。「もうみなさんの会社は宇宙戦略が必要です」。一般民間企業にまで染み渡った宇宙開発に対する文化的拡散が真の宇宙開発の成果ではないだろうかと考えてみる。

李昌鎮(イ・チャンジン)/建国(コングク)大学航空宇宙工学科教授


【コラム】アルテミス計画と韓国の宇宙経済(1)

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