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日本の代わりにカタール選ぶ…サウジ皇太子、国交断行した国々に注力

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

17日、ソウル龍山区漢南洞(ハンナムドン)大統領官邸で会談後に歓談する尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領とサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子兼首相。この日、韓国の主要企業とサウジ政府・機関・企業はサルマン皇太子の訪韓に合わせて26件の契約・了解覚書(MOU)を締結した。 [写真大統領室]

サウジアラビアの実権者であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子が日本の代わりにカタールに向かった。サルマン氏は2022カタール・ワールドカップ(W杯)開幕式に出席するために19日夜(現地時間・日本時間20日午前)カタールの首都ドーハに到着したとサウジ官営サウジ・プレス・エージェンシー(SPA)が伝えた。開幕式は現地時間20日午後5時ドーハから北に35キロ離れたアル=ホールのアル・バイト・スタジアムで開かれる。

◇カタールW杯の開幕式に出席

当初、サルマン氏は19~21日に自国使節団と共に日本に訪問するのが公式日程だった。岸田文雄首相との会談も調整中という報道が出ていた。ところが18日、ブルームバーグ通信や日本TBS放送などはサルマン氏が訪日を中止したと伝えた。サルマン氏が訪日を中止した具体的な理由は伝えられていない。


サルマン氏はこの期間に中東で初めてW杯が開催されるカタールに行くことを選んだ。ロイター通信は「サウジが2017~2021年に葛藤関係に陥っていたカタールと連帯を見せている」と伝えた。サウジは2017年6月、アラブ首長国連邦(UAE)・バーレーン・エジプトなどとともにカタールが急進テロ組織であるイスラム国(IS)などを支援して「敵」であるイランと友好的な関係を結んでいるという理由で断交を宣言した。

米国とクウェートの仲裁で、断交事態は3年7カ月続いた後、2021年1月に終息した。昨年末、サルマン氏はカタールを訪問してタミーム・ビン・ハマド・アール=サーニー首長と首脳会談を行い、今回はW杯開幕式にまで出席して両国関係が完全に回復した姿をアピールしている。

◇30年余り断交のタイとも協力強化

サルマン氏の国交回復プロジェクトはこれだけではない。17日夜には「ブルーダイヤモンド事件(王室宝石窃盗事件)」によって関係が断たれていたタイを訪問して本格的な協力拡大に出た。サルマン氏は18日、タイのプラユット・チャンオチャ首相と首脳会談を開いて貿易・投資の拡大、観光促進、エネルギー部門の協力強化などを扱った5件の協定を締結した。

サウジはタイと30年以上もの間断交していた。1989年当時、サウジ王子の家で働いていたタイ人使用人が50カラットのブルーダイヤモンドをはじめ2000万ドル(現レートで約28億円)相当の宝石を盗み出してタイに逃走したことが始まりだった。

サウジが1990年に宝石を回収するためにバンコクに外交官3人を派遣したが皆殺害され、続いてタイを訪れた王室諮問官も行方不明となり両国関係が険悪になった。サウジはタイ訪問を禁じ、タイ人に対するサウジ就労ビザの発行を中断した。サウジ内にいた20万人に達するタイ労働者を追放した。

ところで今年1月、プラユット首相がサルマン氏の招待を受けてサウジに訪問して関係回復の信号弾を撃つと、今回はサルマン氏がプラユット首相の招待でタイを答礼訪問して雰囲気がさらに改善された。

◇エネルギー危機でサルマン氏の地位強化

サルマン氏は最近仲が疎遠だった国々との関係を回復するのに注力している。ロイターは「2018年サウジ政府によって暗殺されたという疑惑を受けているサウジ反体制ジャーナリストのジャマル・カショギ事件以降、サルマン氏が外交拡張に注力している」と伝えた。

今年7月中旬、バイデン米国大統領がサウジを訪問するとサルマン氏の存在感が大きく浮き彫りになった。人権を重視したバイデン大統領は「国際社会からサウジを仲間外れにする」と公言したが、ロシアのウクライナ侵攻により高騰した原油価格を管理するために代表的な産油国であるサウジを訪れなければならなかった。

サルマン氏はバイデン大統領が離れた後、7月末にはエネルギー危機が深刻化したギリシャやフランスなどを訪問してエネルギー協定を締結するなどサウジの影響力を見せつけた。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は「サルマン氏の歴訪の核心目標は自身の国際的名声がに傷がつかないようにしていくこと」と分析した。

米司法省は17日にはカショギ暗殺事件に関連した訴訟でサルマン氏の免責特権を認めることにした。ホワイトハウス国家安保会議(NSC)報道官は声明を通じて「国務省が長時間を経て確立された国際慣習法の原則により下した法律的決定」と説明した。国家元首には免責特権が付与されるが、サルマン氏は今年9月にサウジ政府首脳である首相に任命された。

これに対してカショギ氏が所属していたワシントン・ポスト(WP)の発行人兼最高経営責任者(CEO)であるフレッド・ライアン氏は18日、「バイデン大統領は世界で最も悪質な人権侵害者に対して殺人免許を許した」と批判した。



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