北朝鮮の国旗 平壌写真共同取材団
米国務省のネッド・プライス報道官は10日(現地時間)、ブリーフィングを通じて北朝鮮のロシア軍人用軍服および防寒靴の輸出疑惑に関する質問に「北朝鮮の軍服輸出の可能性について特定して話すことはできない」としつつも「しかし我々はロシアが北朝鮮に軍事的援助を要請したと話してきた」と答えた。
国務省のこのような言及は北朝鮮のロシア軍服製作・輸出の可能性を完全に排除しないでいることを示唆するとみられる。
プライス報道官は続いて「彼らは相当量の武器提供に対して議論しており、北朝鮮は数百万にのぼる武器(弾薬)を第三国行きの物品を装ってロシアに提供しようとしている」とし「これは明白な制裁違反」と付け加えた。
8日、米国メディア「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」によると、現地消息筋は賃加工形式で製作された軍服が今月2日から運行を再開した朝露貨物列車を通じてロシアに輸送される予定だと伝えた。
平壌(ピョンヤン)のある消息筋は「最近は平壌牡丹峰(モランボン)区域にある輸出被服工場(銀河被服工場)などでロシアの軍服を賃加工形態で生産している」としながら「ロシアの軍服を作り始めて1カ月が経過した」と話した。
消息筋は「軍服はウクライナ戦争に参戦中のロシア兵の冬服や下着など」としながら「ロシアから反物を供給されて軍服に製作する賃加工形式であり、ロシア側が大量に注文をしてきたという話を輸出被服工場の高位幹部から聞いた」と伝えた。
続いて「現在平壌でロシア軍服を賃加工している輸出被服工場は3カ所程度になると承知している」としながら「ここで生産されたロシア兵の冬季用衣服は2日に再開された北朝鮮-ロシア間の豆満江(トゥマンガン)-ハサン貨物列車によって輸送されるだろう」と言及した。
コロナ以前まで平壌にある輸出被服工場は中国や東欧などから注文を受けた賃加工衣類を輸出する形で外貨を稼いでいた。外貨収入は党資金として使われたがコロナ事態で国境が封鎖されて一連の流れが中断されたというのが消息筋の言葉だ。
消息筋は「ウクライナとロシア間の戦争が持続する中で朝露親善に関する宣伝が強化されて、ウクライナ戦争に参加するロシア兵の軍服賃加工が入ってきて、平壌の一部輸出被服工場の外貨稼ぎが再開された」と解釈した。
平安南道(ピョンアンナムド)のある消息筋は「ロシアが供給する賃加工軍服原材料はロシア駐在(北朝鮮)貿易代表部がロシアの港を通じて(北朝鮮)羅先(ラソン)港に送られているが、2日に朝露間の豆満江-ハサン貨物列車の運行が再開されたためロシア軍服原材料と賃加工が完了した軍服はハサン-豆満江貨物列車便によって輸送されるものとみられる」と説明した。
豆満江-ハサン間を行き来する朝露貨物列車の運行は2020年コロナ事態で中断されてから2年8カ月ぶりとなる今月2日に再開されたという。
2017年に採択された国連安全保障理事会(安保理)北朝鮮制裁決議第2375号は北朝鮮の繊維輸出を全面的に禁止している。
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