イランの有名女優タラネ・アリドスティさん（３８）がソーシャルメディア（ＳＮＳ）にヒジャブを取った姿を公開して、「ヒジャブ謎の死」によって触発された反政府デモ連帯に出た。

アリドスティさんは９日（現地時間）、インスタグラムにヒジャブを取って長い髪を下ろした写真を公開した。

アリドスティさんはこの写真でクルド語で「女性、人生、自由」と書かれた紙を手にしている。今年９月１３日、首都テヘランの都心でヒジャブ取り締まりの途中で亡くなったクルド人女性マフサ・アミニさん（２２）事件以降、イラン全域で起きた反政府デモの代表スローガンだ。


アリドスティさんはプロフィール写真もこの写真に変え、自身を「女優、翻訳家、フェミニスト、母親」と紹介した。

英紙ガーディアンによると、アリドスティさんは１０代の頃から頭角を現わして「イランのナタリー・ポートマン」と呼ばれたイラン映画界の看板スターだ。アーサー・ミラーの戯曲『セールスマンの死』を脚色した２０１７年アカデミー最優秀外国語映画賞受賞作『セールスマン』に出演し、今年のカンヌ映画祭で絶賛されたサイド・ルスタイ監督の『Ｌｅｉｌａ’ｓ　Ｂｒｏｔｈｅｒｓ』に出演するなど活発な作品活動を続けている。１９５０年代のイランを背景にしたオンラインテレビ時代劇にも出演したが、この作品は男女が自由に付き合いパーティーを開きクラブで酒を飲むなどイスラム革命が起きる前のイランの社会像を入れて反響を起こした。アリドスティさんは女性と人権を擁護する所信発言でも有名だ。アリドスティさんは数日前にインスタグラムに「私は残るだろう。私は仕事を辞めるだろう。私は囚人と殺害された人々のそばに立つだろう。私は彼らの擁護者になるだろう。どんなことがあってもイランにとどまる」とし「私の権利を守るためにどんな代償でも支払う」と明らかにして反政府デモに連帯を表わしたことがある。

また、２０１９年１１月原油価格の引き上げで大規模なデモが起きた当時、政府の無慈悲な弾圧を批判して「私たちは市民ではなく捕虜」という書き込みを残したこともある。

一方、現在のイランではアミニさんの死から触発された全国的な反政府デモが７週以上にわたって続いている。

イランの人権運動家通信（ＨＲＡＮＡ）は今回のデモで未成年者４６人を含む３１８人のデモ参加者が命を失ったと集計した。