複数の軍消息筋によると、米海軍の核戦争用空中指揮統制機E-6B「マーキュリー」が6日と7日、韓半島近隣上空を飛行したことが分かった。写真は2016年8月3日のE-6B試験飛行。 写真=米海軍
複数の軍消息筋によると、米海軍の1機のE-6Bが韓米の大規模連合空中訓練「ビジラントストーム」訓練期間に韓半島上空を飛行したことが分かった。さらに訓練を終えた翌日の6日と7日、異例にも核ミサイル運用に必要な軍用機が入ってきたという。
情報筋は「E-6Bの航跡が初めて表れたのは訓練2日目の1日から」とし「前日には日本本州地域で飛行したとみられる」と伝えた。
E-6Bは地上の核ミサイル統制センターが攻撃を受けて無力化されても、航空機で大陸間弾道ミサイル(ICBM)や潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)発射を統制できるようにした機種。核戦争状況を想定して「終末の日の飛行機(Doomsday Plane)」と呼ばれる理由だ。
ある消息筋は「E-6は海軍所属だが、米海軍・空軍の核戦争力との交信のために飛ばす統制機」とし「韓半島周辺に戦略核および戦術原子力潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載できる原子力潜水艦が配備される可能性がある」と話した。
オハイオ級原子力潜水艦は核兵器だけでなくトマホーク巡航ミサイルを最大150余発を搭載できる。韓半島周辺海域からは北朝鮮全域が射程圏に入る。
◆「警告レベルでない報復能力」
米国は今年1月、オハイオ級原子力潜水艦「ネバタ」(SSBN-733)がグアムに寄港した事実を異例にも公開した。当時、E-6Bも共に展開して目を引いた。
また8月16日(現地時間)に米本土から太平洋に「ミニットマン3」ICBMを試験発射した当時、E-6Bで発射を統制した。当時、ナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問直後に行われた発射であり、中国に対する警告という分析があった。米空軍は「同盟を安心させるための定期的な活動の一環」とのみ明らかにした。
韓米国防長官は3日、韓米定例安保協議(SCM)で米国戦略資産を常時配備レベルで展開することに合意した。E-6Bの活動もこれと関係がある動きと解釈される。
峨山政策研究院のヤン・ウク副研究委員は「相次ぐ北の挑発に米国が警告レベルでなく報復能力を投射している」とし「北が7回目の核実験など高強度挑発をするのに負担を感じる状況をつくっている」という見方を示した。
E-6Bだけでない。軍消息筋によると、米空軍RC-135V「リベットジョイント」偵察機も5日に続いて7日、韓半島周辺で監視活動をした。リベットジョイントは電子情報(ELINT)と通信情報(COMINT)で核・ミサイル関連の動きを追跡・探知する偵察機。北朝鮮の追加挑発の動きを把握するための措置と解釈される。
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