中国丹東と北朝鮮の新義州(シンウィジュ)をつなぐ鴨緑江(アムノッカン)鉄橋を通過する列車 シン・ギョンジン特派員
27日のボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、中国税関当局の海関総署は最近公開した資料で、9月の中朝間の貿易額を1億427万ドル(約1475億ウォン、約150億円)と明らかにした。これは北朝鮮が新型コロナパンデミックで国境を封鎖する直前だった2020年1月(1億9715万ドル)以来の最大規模だ。
この期間、北朝鮮が中国から最も多く輸入した品目はバスと貨物車用の大型タイヤだった。11万9565個で、輸入額は1302万ドルにのぼった。
北朝鮮はコロナ封鎖以前にも毎月200万-300万ドル規模のタイヤを輸入していたが、大型タイヤの輸入に1000万ドル以上を消費したことはなかった。
これをめぐり専門家らは北朝鮮が輸入したタイヤの用途に注目している。慶南大のイム・ウルチュル極東問題研究所教授は「大型タイヤは基本的に軍や国家規模で運用する大型車両に主に使用される品目」とし「北が最近、戦闘機150機を動員して通常戦闘力を誇示したように、軍用車両を大々的に動員する目的や軍が担当する各種建設現場が増えて物流需要が発生した側面もあるとみられる」と述べた。
軍用車両の比率が大きい北朝鮮が中国から大型タイヤを大量に購入したとすれば、その大半は装甲車、移動式ミサイル発射車両(TEL)、軍需物資補給のためのトラックなど軍需用として使用される可能性が高いという説明だ。
一方、VOAはこの日、中国丹東と北朝鮮新義州(シンウィジュ)を行き来する貨物列車が運行を再開して1カ月が経過した中、防疫施設を備えた義州空港の滑走路に貨物が積まれていると伝えた。
放送によると、商業用衛星写真サービス「プラネット・ラボ」が26日に義州空港一帯を撮影した衛星写真では、青と白の貨物が所々に置かれているのが確認された。中国から運ばれたこの貨物は先月26日に貨物列車の運行が再開されてから積まれ始め、現在は2.5キロにのぼる滑走路の3分の1ほどを覆っている。
北朝鮮当局は年初から義州空港を中国から搬入する物品を防疫レベルで保留する場所として活用してきた。中朝両国は4月、丹東地域で新型コロナが再拡大すると貨物列車の運行を中断したが、その影響で滑走路に積まれた貨物は7月から減り始め、9月には義州空港一帯の貨物が完全になくなった。
政府も北朝鮮が中朝間貨物列車を新型コロナ封鎖で枯渇した資源を導入する窓口として活用しているとみて、関連動向に注目している。政府当局者はこの日、中央日報との電話で「北当局は義州空港や南浦港(ナムポハン)に積載場を設けて外部から搬入した物品を3、4カ月間ほど隔離した後、内陸に移す」とし「事案の緊急性によって異なるが、隔離期間が過ぎれば北当局の輸入の意図を把握できるだろう」と話した。
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