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【私は告発する】親日・従北批判の無限反復…激しい争いの裏のアイロニー=韓国(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

9日の保守団体の光化門(クァンファムン)集会に登場した星条旗。右側は鄭鎮碩(チョン・ジンソク)国民の力非常対策委員長に「親日」レッテルを貼る学生のパフォーマンス。 グラフィック=チャ・ジュンホン記者

最近発表された米ホワイトハウスの国家安全保障戦略書は「脱冷戦時代」の終焉を告げた。また、米中競争時代に進入したとし、資本主義と共産主義が対立した過去の冷戦とも異なる様相の時代になると予告した。第2次世界大戦以降、米国主導の自由主義国際秩序(ウッドロー・ウィルソンが創案してフランクリン・ルーズベルトが完成させた脱植民地・脱帝国主義秩序)が新しい局面を迎えたということだ。現在、韓半島(朝鮮半島)は従来の自由主義国際秩序の崩壊を憂慮する自由民主主義価値連帯、そして中国・ロシアに代表される権威主義統治体制友好勢力の間にいる。

韓半島は強大国間の競争が激しくなったり国際社会の新旧権力が交代したりするたびに荒波の最前線となってきた。壬辰倭乱(文禄・慶長の役)と丙子胡乱、朝鮮末の日露戦争、光復(解放)後の韓国戦争(朝鮮戦争)は、韓半島の地政学的な重要性が増大するたびに我々が経験した苦痛をよく表している。そして米ソ冷戦後、また戦争の雰囲気が韓半島周辺に漂っている。このように時々刻々と急変する環境の中に置かれ、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の外交・安保戦略をめぐりさまざまな声が出ている。論争が政争に飛び火したりもする。一方でこうした過程は自然なことだ。

しかし論争が談論レベルを超えて国論分裂と政治勢力の闘争に拡張するのは国家的な問題だ。外交・安保・国防に関連した消耗的な争いと国論分裂は、政界をはじめ各社会分野が民生に集中できなくする。数十年間にわたり繰り返される親日・従北論争は高費用・低効率葛藤を誘発する代表的な事例だ。


米国や欧州など自由民主主義の先進国に留学・駐在生活をして来た人たちは、韓国の主要選挙に表れる有権者の選択を理解しがたいという。税金や福祉、経済政策などの自分の生活と直結する民生分野でもなく、移民や同性婚、妊娠中絶、性少数者権利、人種差別のような理念的性向と密接な社会・文化分野イシューでもない、対北朝鮮政策や韓国現代史解釈問題に大きく左右されるのが分からないという。極めて韓国的な現象だからだ。

米国と西欧の選挙では、外交・安保・国防政策は多くの場合、主なイシューにならない。どの国でも敵対国に対する強硬策-融和策に分かれ、進歩と保守が互いに政治的攻撃をするのは同じだが、それが有権者の票に結びつくケースは少ない。米国でも米同時多発テロやイラク・アフガニスタン戦争など特殊事件が世論に影響を及ぼすが、選挙では有権者の主な関心事は税金、福祉、同性結婚、移民などだ。こうした理由のためか、米国の民主党と共和党、英国の保守党と労働党、ドイツのキリスト教民主同盟と社会民主党は、ロシアや中国に対する安保政策の面で選挙を揺るがすほどの差を見せない。容易な例を挙げれば、現在、米国の政界に親中派はない。民主党と共和党はともに中国に対する視点が似ていて、方法論のディテールに差があるだけだ。

韓国は独特だ。敵でありながら同時に統一の対象である北朝鮮に対する政策が、親日派の清算や李承晩(イ・スンマン)・金九(キム・グ)の正統性問題など韓国現代史の解釈と結びつきながら政治闘争の手段となる現象が70年以上も続いている。親日・親北論争の無限の反復だ。

争いは激しいが、実際に安保政策を開けてみれとほとんど差がないというのがアイロニーだ。金大中(キム・デジュン)政権以降、保守・進歩に関係なくすべての政権が北朝鮮との対話を試みながら、同時に韓米同盟と自主国防を強調してきた。李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)政権も対北朝鮮政策だけをみると本当に保守なのか分からないほどだ。今回の尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の大胆な構想にも過去の進歩政権より破格的な提案が含まれている。金大中・盧武鉉(ノ・ムヒョン)・文在寅(ムン・ジェイン)政権で推進した韓米同盟(イラク派兵、韓米FTA、韓米グローバル包括的戦略同盟)と国防費予算増大などは逆に進歩政権とは考えにくい政策だ。核心の外交・安保・国防政策はどの陣営が執権しようと内容上では大きく変わらない。支持層を確保するための刺激的なスローガンが乱舞するが、実際の政策に及ぼす影響は微小ということだ。


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