2001年6月、金剛山観光地区長箭港の海上ホテル「ホテル海金剛」。 中央フォト
VOAは「プラネット・ラボ(Planet Labs)」の衛星写真を分析した結果、北朝鮮が金剛山観光地区内の「高城港(コソンハン)刺身屋」の建物を撤去したことが分かったと伝えた。
公開された写真によると、普段茶色の屋根が鮮明だった高城港刺身屋の建物は、現在赤色の代わりにコンクリートのがれきとみられる明るい灰色に変わった。
高城港刺身屋は金剛山観光地区の北部、すなわち港付近に位置する施設だ。平屋建てだが、幅80メートルの小さくない規模で金剛山観光客を迎えたところだ。所有者は現代峨山(ヒョンデアサン)、運営はイルヨン・インベストメントが引き受ける構造で、2003年12月に開館し、計236席を備えている。
北朝鮮が高城港刺身屋の撤去を完了した時点は、先月中旬と推定される。
金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は2019年10月に金剛山を視察した後、「見るだけで気分が悪くなるようなむさくるしい韓国側施設をすべて撤去するように」と指示した。
その後、今年3月から現代峨山所有のヘグムガンホテルの撤去を始め、4月には韓国リゾート企業アナンティが運営していた金剛山ゴルフ場の8つの宿舎棟を解体した。
また、北朝鮮専門メディア「NKニュース」は、北朝鮮が8月から韓国政府所有の離散家族面会所や温井閣(オンジョンガク)、九龍(クリョン)ビレッジ、金剛ペンションタウンなどで撤去とみられる動きがみられると報じた。
先月には韓国観光公社が巨額を投資した文化会館の建物の屋根が破られた事実が明らかになった。
現在、文化会館や温井閣、九龍ビレッジ、金剛ペンションタウンなどは全面撤去された状態で、これまで完全な建物形態を維持している韓国側資産は離散家族面会所や温泉ビレッジなど一部に過ぎないと、同メディアは伝えた。
金委員長がこの一帯の韓国側施設に対する解体を命令しただけに、残りの建物も近いうちに撤去されるものと予想される。
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