カカオ障害
ソウル松坡区(ソンパグ)で運転代行のドライバーをしているAさん(61)は15日に予定にはなかった休業をする羽目になった。タクシー配車アプリ「カカオT」を利用したコールタクシーサービスだけを受けてきたが、今回の障害によってアプリが正常に作動せず一日中仕事ができなかった。Aさんは「『パープル』(カカオ代行ドライバーの週間等級)達成に10点足りなかったが、日曜日は仕事ができず達成に失敗した」とし「昨日もっと仕事をしておけばよかった」と苦笑いを浮かべた。「カカオ代行」は週間実績により代行ドライバーにブルー、レッド、パープルなどの等級をつけて、レッドとパープルになれば単独で呼出配分を受けたり希望する距離の呼出を受けたりすることができる。
カカオTに頼り切りだったタクシー運転手も大きな不便を強いられた。全国タクシー運送事業組合連合会のイ・ヨンボク・チーム長は「多くのドライバーが被害を受けた」とし「特にカカオベンティ(ジャンボタクシーの一種)は営業すらできず、損害が大きかったと思う」と述べた。アプリの呼出サービスの中断によってカカオモビリティ所属のタクシードライバーまで流し営業(走行しながら客を探すこと)に出なければならず、経験の浅い初歩ドライバーの被害が相対的に大きかったという。
カカオトーク(カトク)メッセンジャーを通じて予約の問い合わせなどを受けていた自営業者も被害を受けると怒りを爆発させた。カトクチャネルで予約を受けていたスキンケア会社のBさん(35)は「明日も予約があるのに客と連絡が取れない。どうしたらよいのか分からない」と話した。自営業者が集まる掲示板には「カトクに接続できず注文を受けたケーキの作業ができていない」「予約時間が近づいているのに内容が確認できない」など哀訴があふれた。
この他にもカカオページに連載中のウェブトゥーン・ウェプ小説作家、カカオトークギフトショップへの入店会社や一般広告業体など被害が広範囲にわたっている。16日午後3時基準でカカオページやギフト機能、カカオショッピングなどはまだ接続できない状態だ。韓国ウェブトゥーン協会は「被害現況を把握している」と明らかにした。
損害を受けた人々は「生計が脅かされているような気がした。カカオは補償をしないのか」(代行ドライバー掲示板)、「SK C&Cがカカオに賠償をすべきでないのか」(投資掲示板)と不満を漏らし、大企業の顔色をうかがう雰囲気だ。法曹界はサービス中断の原因をカカオ側の過失から求めることができるのか、またサービスが有料なのかどうかなどによって賠償責任の有無や規模が変わるとみている。
法務法人「オーキムズ」のオム・デソプ弁護士は「無料サービスでも賠償責任がないわけではないが、無料サービスを通じて顧客と連絡を取り合って予約を受ける場合、予約を受けることができず発生した損害をカカオに問うのは難しい」としながら「裁判所が予測が不可能なこのような『特別損害』に対する賠償を認めないため」と説明した。
法律事務所「ナル」のハ・ジョンソン弁護士は「火災による障害に対する対策が不備だった点などが過失と認められれば損害賠償責任が認められるかもしれない」とし「無償サービスだとしても、顧客が使うことによってカカオが得る利益があるので、過失さえあれば損害賠償請求が不可能なわけではない」と話した。
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