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この日昼12時、カカオのヤン・ヒョンソ副社長は板橋(パンギョ)SK C&Cで会見し、「ここにある3万2000台のサーバーのうち1万2000台が復旧した」とし「二重化措置をもかかわらず電源供給が遮断された状況であり、サーバーを増設してトラフィックを転換するのに時間がかかっている」と述べた。カカオ側は繰り返し「システムは二重化(データなどを別のところに複製)されていて、直ちに措置を取った」と釈明した。データは計4つのデータセンターに分散保存されていて、システムも二重化されているため、データ損失の危険は「ゼロ」だと主張する。
ヤン副社長は「火災のために直接進入してシステムを修理するのに物理的な限界があった」と話した。すなわち、二重化をしたが、板橋データセンターに接近できず二重化の速度が遅かったという説明だ。
しかし業界では「それは二重化ではない」と指摘している。情報技術(IT)業界ではカカオが板橋の1カ所だけにメインシステムを集中させていて、部分的な二重化をしたにすぎず、実際にはしていないのと同じだという疑問が出ている。メインシステムを複数のデータセンターに等しく構築していないため、板橋で障害が発生した時に対応できなかったという推定だ。科学技術情報通信部の関係者は「二重化に関する技術基準がないため明確に区分するのは難しいが、カカオの場合、通常的な意味で二重化されたと見なしがたい」と話した。
カカオとネイバーの対応の差も結局は二重化だった。事故が発生した板橋データセンターにネイバーも少なくないサーバーを置いているが、カカオほどのサービス障害はなかった。
高麗大情報保護大学院のキム・スンジュ教授は「二重化をしたかどうかの問題でなく、どの程度したかが重要だ」とし「例えばコンピューターのハードに100個のファイルがあるのに外付けハードには主なファイル5個だけを入れておけば二重化率は5%にすぎず、事実上、二重化措置はなかったとみるべき」と指摘した。
非常災害復旧(Disaster Recovery=DR)システムがまともに作動しなかったという批判もある。DRはデータ保有の程度によって「ミラーサイト」「ホットサイト」「ウォームサイト」「コールドサイト」に分かれる。原本をそのまま複製するミラーサイトは主サイトと同じシステムをもう一つ設置して運営することで、ホットサイトはミラーサイトほどではないとしても主サイト並みの設備と資源を構築したところだ。ホットサイトだけを構築しても数時間内に主サイトを復旧することができる。セキュリティー業界の関係者は「過去のいくつかの事故でDRとデータの二元化は必須という認識が形成されたが、問題は費用」とし「カカオは他のデータセンターに板橋を補充するほどのリソースをまともに配置していないようだ」と話した。
一方、カカオ側は「16日午後9時30分現在、カカオトークおよびカカオサービスの主な機能は相当部分が正常化している」とし「サービスが完全に正常化するまで最善を尽くして改善していく」と述べた。
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