また「親日」という批判だ。日本には反日キャンペーンで、国内の反対陣営には親日フレームで攻撃し、支持層を結集した5年間がもう懐かしくなったのか。「親日残滓清算は古くからの課題」と言った大統領、竹槍歌を流しながら「愛国か、利敵か」と言った民情首席秘書官、「分断に寄生して存在する親日派の清算は国民の命令」と言った光復会長。文在寅(ムン・ジェイン)政権の慰安婦合意破棄、大法院(最高裁)の強制徴用賠償判決で外交に波紋が広がった中、民主党所属の自治体の主張は不買運動イベントを開き、支持者らは嫌悪感を与える「土着倭寇」のレッテルをあちこちに貼った。慰安婦基金横領容疑を受けながらも意気揚揚だった同じ党の議員もいた中でだ。
今度は同じ党の李在明(イ・ジェミョン)代表が出てきて、議員らが先を競って手伝う。北朝鮮の前例のない高強度ミサイル挑発に対応して実施された韓日米連合対潜水艦前訓練をめぐり、李代表は「極端な親日行為」「国防惨事」と述べた。「尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が以前に『自衛隊が有事の際、韓半島(朝鮮半島)に入ってくることもあるが』と発言したが、これが現実化するということか。独島(ドクト、日本名・竹島)を自国の領土と主張しながら経済侵奪もするのに、自衛隊を認める根拠となる訓練を独島付近でするのか」。6・7日に国家監査の場などでした発言だ。訓練の前、同じ党の安圭佰(アン・ギュベク)議員が軍事機密の訓練場所をSNSに載せながら批判した後、党全体が一つに団結したようだ。
この論理なら、2007年9月の韓日米訓練中に旭日旗を掲げた自衛隊艦艇3隻が仁川(インチョン)港に接岸した当時の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と、2017年夏にワシントン韓米首脳会談で歴代最高水準の韓日米安保協力強化を約束し、G20会議でトランプ大統領、安倍首相と3カ国共同声明(3カ月後に3カ国イージス艦訓練もあった)まで出した文在寅大統領は超極端な親日行為者だ。1998年に政治・安保・経済など全分野の協力を約束して日本大衆文化を開放した金大中(キム・デジュン)大統領はどう表現するのか。日本が韓国経済を「侵奪」するというのなら、THAAD(高硬度防衛ミサイル)問題で7年間報復中の中国は韓国経済を「蹂躪」中だが、なぜ言及がないのか。サムスンと現代は全世界の人を侵奪する企業なのか。おかしいのは「盧武鉉、文在寅大統領の時もした」という反論に民主党は全く耳を傾けない点だ。
韓国社会、特に民主党支持者に親日フレームの効用性が大きいという判断など、いくつか理由があるのだろう。しかし北朝鮮の挑発・脅威を無視したまま「経済侵奪」「旭日旗」のような刺激的な用語で「ネロナムブル」(自分がすればロマンス、他人がすれば不倫というダブルスタンダード)式の主張を続けるのは、対国民ガスライティングだ。
光復(解放)から77年。2世代が過ぎて消えた冷戦も、さらに複雑な様相で復活した。米中の激突とウクライナ戦争で権威主義独裁陣営と自由民主世界が対立する大転換の時期だ。エネルギー、国際サプライチェーンは危険だ。韓国戦争(朝鮮戦争)当時に挟撃した中国・ロシア・北朝鮮が変わらず我々を取り囲んでいる。国家安保の基本は彼我の区分だ。誰が自由民主主義と市場経済・人権の価値を共有するのか、我々の領土と主権・歴史を毀損しようとする勢力は誰か、現在と未来の国家の安全・繁栄のために誰とともに進むべきかに対する判断だ。
千英宇(チョン・ヨンウ)元青瓦台(チョンワデ、大統領府)外交安保首席秘書官は著書で「過去の亡霊が現在と未来を支配するのを防ぎ、国民感情が国益を支配する慢性を正してこそ韓日関係が正しく成り立つ」とし、指導者の未来志向的なビジョンと現実主義外交を注文した。中国の覇権を防ぐために過去の敵の米国の力を借りるベトナム、ロシアのウクライナ侵攻後に第2次世界大戦の公敵であるドイツの国防力増強を歓迎するポーランド・フランスが一つの事例だ。「韓半島有事の際、自衛隊派遣の名分を与える」という民主党の主張は日本の右傾化を牽制するレベルだが、北朝鮮が核ミサイルで攻撃する場合、防御に韓日米の連携は必須という点で考え直すべき問題だ。韓国を防御する国連軍司令部の基地7カ所は日本にある。
西涯・柳成龍(リュ・ソンリョン)の『懲ヒ録』とその後の歴史が与えるもどかしさが押し寄せる。為政者が国際現実を読めず名分に固執して生じた惨禍と恥辱はすべて国民に向かった。
民族解放運動論が広まった時代に大学に通った運動圏の人たちは、金日成(キム・イルソン)の初代内閣に親日が多く金日成が抗日活動家まで粛清した事実に目を背け、李承晩(イ・スンマン)政権を親日勢力と規定した。親日残滓清算は大韓民国の歴史と正当性の否定、北朝鮮政権の正統性の主張とつながっていた。その時のその人たちであるために抱く疑問だ。日朝関係が改善すれば親日批判は終わるのか。李在明代表は「政府は謝罪して韓日米訓練を二度としないと約束すべきだ」と言った。誰のための約束なのか。
キム・スジョン/論説委員
今度は同じ党の李在明(イ・ジェミョン)代表が出てきて、議員らが先を競って手伝う。北朝鮮の前例のない高強度ミサイル挑発に対応して実施された韓日米連合対潜水艦前訓練をめぐり、李代表は「極端な親日行為」「国防惨事」と述べた。「尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が以前に『自衛隊が有事の際、韓半島(朝鮮半島)に入ってくることもあるが』と発言したが、これが現実化するということか。独島(ドクト、日本名・竹島)を自国の領土と主張しながら経済侵奪もするのに、自衛隊を認める根拠となる訓練を独島付近でするのか」。6・7日に国家監査の場などでした発言だ。訓練の前、同じ党の安圭佰(アン・ギュベク)議員が軍事機密の訓練場所をSNSに載せながら批判した後、党全体が一つに団結したようだ。
この論理なら、2007年9月の韓日米訓練中に旭日旗を掲げた自衛隊艦艇3隻が仁川(インチョン)港に接岸した当時の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と、2017年夏にワシントン韓米首脳会談で歴代最高水準の韓日米安保協力強化を約束し、G20会議でトランプ大統領、安倍首相と3カ国共同声明(3カ月後に3カ国イージス艦訓練もあった)まで出した文在寅大統領は超極端な親日行為者だ。1998年に政治・安保・経済など全分野の協力を約束して日本大衆文化を開放した金大中(キム・デジュン)大統領はどう表現するのか。日本が韓国経済を「侵奪」するというのなら、THAAD(高硬度防衛ミサイル)問題で7年間報復中の中国は韓国経済を「蹂躪」中だが、なぜ言及がないのか。サムスンと現代は全世界の人を侵奪する企業なのか。おかしいのは「盧武鉉、文在寅大統領の時もした」という反論に民主党は全く耳を傾けない点だ。
韓国社会、特に民主党支持者に親日フレームの効用性が大きいという判断など、いくつか理由があるのだろう。しかし北朝鮮の挑発・脅威を無視したまま「経済侵奪」「旭日旗」のような刺激的な用語で「ネロナムブル」(自分がすればロマンス、他人がすれば不倫というダブルスタンダード)式の主張を続けるのは、対国民ガスライティングだ。
光復(解放)から77年。2世代が過ぎて消えた冷戦も、さらに複雑な様相で復活した。米中の激突とウクライナ戦争で権威主義独裁陣営と自由民主世界が対立する大転換の時期だ。エネルギー、国際サプライチェーンは危険だ。韓国戦争(朝鮮戦争)当時に挟撃した中国・ロシア・北朝鮮が変わらず我々を取り囲んでいる。国家安保の基本は彼我の区分だ。誰が自由民主主義と市場経済・人権の価値を共有するのか、我々の領土と主権・歴史を毀損しようとする勢力は誰か、現在と未来の国家の安全・繁栄のために誰とともに進むべきかに対する判断だ。
千英宇(チョン・ヨンウ)元青瓦台(チョンワデ、大統領府)外交安保首席秘書官は著書で「過去の亡霊が現在と未来を支配するのを防ぎ、国民感情が国益を支配する慢性を正してこそ韓日関係が正しく成り立つ」とし、指導者の未来志向的なビジョンと現実主義外交を注文した。中国の覇権を防ぐために過去の敵の米国の力を借りるベトナム、ロシアのウクライナ侵攻後に第2次世界大戦の公敵であるドイツの国防力増強を歓迎するポーランド・フランスが一つの事例だ。「韓半島有事の際、自衛隊派遣の名分を与える」という民主党の主張は日本の右傾化を牽制するレベルだが、北朝鮮が核ミサイルで攻撃する場合、防御に韓日米の連携は必須という点で考え直すべき問題だ。韓国を防御する国連軍司令部の基地7カ所は日本にある。
西涯・柳成龍(リュ・ソンリョン)の『懲ヒ録』とその後の歴史が与えるもどかしさが押し寄せる。為政者が国際現実を読めず名分に固執して生じた惨禍と恥辱はすべて国民に向かった。
民族解放運動論が広まった時代に大学に通った運動圏の人たちは、金日成(キム・イルソン)の初代内閣に親日が多く金日成が抗日活動家まで粛清した事実に目を背け、李承晩(イ・スンマン)政権を親日勢力と規定した。親日残滓清算は大韓民国の歴史と正当性の否定、北朝鮮政権の正統性の主張とつながっていた。その時のその人たちであるために抱く疑問だ。日朝関係が改善すれば親日批判は終わるのか。李在明代表は「政府は謝罪して韓日米訓練を二度としないと約束すべきだ」と言った。誰のための約束なのか。
キム・スジョン/論説委員
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