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【コラム】プーチンの核ボタン、金正恩を刺激する恐れある(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

プーチン

ロシアのプーチン大統領がウクライナ戦争で劣勢を挽回するために核兵器を使用する恐れがあるという懸念が強まっている。ところが韓国社会の一部の青年の間でも、韓国も危険だから安全な海外に出ようという雰囲気があるという。ある大学院生は戦争の危険が少なく政治的に安定したアフリカ国家に行く航空券まで購入しようとしているという。

韓国も危険だから逃避しようという一部の学生たちの考え方は、1973年の第4次中東戦争当時にイスラエルが危機を迎えると海外留学中だったイスラエルの学生たちが祖国を救うために駆けつけた記憶と比較される。いったいどのような理由で韓国を脱出しようとしているのか追跡してみた。内容はこうだ。

◆プーチンの核が金正恩を刺激する


国内で有名な特殊大学博士課程の学生らが最近、国際経済などの流れを議論している過程で、近くウクライナ戦争が大きく拡大する可能性に懸念を表したという。ロシアの一方的な侵攻で始まったウクライナ戦争は21世紀の現代社会であり得ないことだが、プーチン大統領が不利な戦勢を挽回するために戦術核兵器を使用する可能性があるということだ。ロシアの動員令やウクライナ占領地の住民投票に続くロシア領土化が、戦術核を使用するための名分を積む過程だという判断もある。間違った分析ではない。

学生たちの推論はここからさらに一歩踏み出した。プーチンが危機を克服するために核兵器を使用すれば、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が誤った判断をする恐れがあるということだ。プーチンが核を使えば金正恩もこれを真似るかもしれないということだ。

さらに中国の習近平主席までが台湾攻略に動く可能性があると考える。戦線が突然ウクライナから韓半島(朝鮮半島)と台湾など3カ所に拡大すれば、米国も同時に対応するのが難しい。韓半島防御に空白が生じるかもしれない。それであらかじめ韓国を離れようという話が出てきた。もちろん韓国脱出を批判する世論が多かったが、一部の学生は海外逃避に同調したという。

ウクライナの戦況を見ると、実際にロシアが不利だ。この戦争はロシアが最初のボタンを掛け違えて、3日間で電光石火のようにウクライナを占領しようとしていた戦略目標に失敗した。サイバーハッキングに続く情報作戦、軍事力投入の3段階の戦略が思い通りに進行しなかった。

ロシアはウクライナの降伏を受けるどころか、作戦の限界に直面した。米国防総省によると、ロシアはすでに8万人近い兵力を犠牲にし、列車に依存する軍需支援も円滑でない。

ミサイルはほとんど消耗し、遠距離攻撃も制限的だ。ロシアの戦闘機がミサイルの代わりに一般爆弾を投下するために戦闘地域の上空に進入すれば、ウクライナ軍の対空ミサイルに迎撃される。ウクライナで市街戦はロシア軍が絶対的に不利だ。ウクライナの住民はロシア軍に敵対的だ。また各地でウクライナ軍ロケット砲と対戦車ミサイルがロシア軍の戦車と装甲車を待ち構えている。

◆ウクライナの反撃、プーチンは進退両難

ウクライナ軍はNATO(北大西洋条約機構)と米国が提供した 高機動ロケット砲システム(HIMARS、ハイマース)など各種武器で武装を強化している。最近の連戦連勝で士気も上がっている。ロシアは進退両難の状態に追い込まれている。その間にロシア経済が悪化してプーチンの政治的な立場が揺らぐ可能性がある。

先月30日にはロシアがウクライナのドンバスとルハンシク(ルガンスク)、ザポリージャ、ヘルソンに対する併合条約を締結してから一日も過ぎないうちにドンバスの要衝地リマンがウクライナ軍に奪還された。ウクライナ軍はヘルソン近隣の南部戦線も攻略している。ヘルソンがウクライナ軍に奪還されれば、ロシアが掌握しているクリミア半島全体に影響を与える。ヘルソン地域にはドニエプル川からクリミア半島につながる運河があり、この運河を断てばクリミア半島の上水源確保が難しくなる。

プーチンもこうした事情を把握したのか、占領地のドンバスなどウクライナ領土4カ所のロシア併合を急いで宣言した。これを根拠にプーチンは、ウクライナ軍が領土回復のためにこの地域に進入すれば領土侵犯と見なして戦術核を使用することもあると脅迫した。英日刊紙タイムズは3日、ロシアの核装備列車がウクライナに向かって出発したと報じた。


【コラム】プーチンの核ボタン、金正恩を刺激する恐れある(2)

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