先月31日に判定が言い渡された米国系私募ファンド「ローンスター」と韓国政府の国際投資紛争訴訟に関連し、韓国法務部が28日、411枚にのぼる判定文全文を公開した。
法務部は「政府は国民の知る権利の保障および仲裁手続きの透明性向上のために判定文を透明に公開するとすでに伝えていたが、ローンスター側も判定文の公開に同意した」とし「私人の個人情報や外交機密に関する事項など公開が不可能な最小限の内容を除いて、判定文原文をそのまま公開する」と明らかにした。判定文全文は法務部のホームページで誰でも閲覧できる。
世界銀行国際投資紛争解決センター(ICSID)の仲裁機関はローンスターが賠償金として要求した46億7950万ドルのうち2億1650万ドルだけを認めた。ローンスターが外換銀行を買収した後に売却する過程で韓国金融当局が不当な目的で遅延させ、売却価格が4億3300万ドルほど減少した点だけを問題としたが、ローンスターと韓国政府に半々ずつの責任があるとみて韓国政府に「4億3300万ドルの50%の2億1650万ドルをローンスターに賠償すべき」と判定したのだ。韓国ウォン(1ドル=1440ウォン)にすると利子を除いて3100億ウォン(約313億円)ほどだ。
◆「ローンスター、だまし逃げ…検察の捜査直前の撤収時点は遺憾」
判定文全文によると、ローンスターの問題は一言で「だまし逃げ」と要約される。仲裁機関は「ローンスターは『食い逃げ(Eat and Run)』投資家の一般的属性のほかにも深刻な金融犯罪で有罪判決を受けたため『だまし逃げ(Cheat and Run)』投資家ともいえる」とし「ローンスターが韓国から撤収を図った時点は遺憾だというのは疑いの余地がない」とした。
ローンスターは2003年8月に外換銀行を買収した際、その価格をめぐり論議を呼び、2006年1月に売却すると発表した。ところが売却に着手した時点は、2005年9月に市民団体がローンスターの外換銀行安価買収疑惑を検察に告発し、検察が本格的な捜査を準備する時期と重なる。その後、最高検察庁中央捜査部は2006年3月から4つの件(外換銀行安価売却および不正資金、ローンスター脱税、外換カード株価操縦)でローンスター側をより強力に捜査した。
捜査の結果、特に株価操縦疑惑事件に関連し、ユ・ヒウォン元ローンスターコリア代表が外換カードを安価で買収・合併するために「虚偽減資説」を広めて株価を操縦した疑いで起訴され、2012年2月に懲役3年が確定した。ローンスターファンド法人は罰金250億ウォンの確定判決を受けた。
仲裁機関は「株価操縦有罪判決による韓国金融委員会の外換銀行株売却命令を受け、ローンスター側は2012年5月18日以降、外換銀行の大株主保有株を保有できなくなり、これは金融当局が売却価格引き下げを図る余地を与えた」と明らかにした。
◆「韓国政府、政治的圧力という不適切な動機で売却遅延」
半面、韓国政府は「不適切な動機」でローンスターの外換銀行売却を遅延させたという指摘を受けた。仲裁機関は「私人間契約条件に関与するのは金融当局の権限内の行為でないにもかかわらず、金融当局は政治的負担を避けようと外換銀行売却価格引き下げのために努力した」とし「価格引き下げを達成するまで承認審査を保留したのは、金融当局の規制権限を恣意的、悪意的に行使したものだ」と明らかにした。
また「政治家らは国会で金融委員長に価格引き下げが必要だと圧力を加え、価格引き下げ後には成功を祝ったりした」と付け加えた。
◆「韓国の責任0」という少数意見…一銭も出さない道は開かれるのか
法務部は判定文内の少数意見に基づき、2億1650万ドルの賠償が取り消されるよう判定取消申請を準備している。少数意見を出した人物は韓国政府側の仲裁人、仏パリ第1大学のブリジット・スタン名誉教授であり、韓国政府の責任は全くないという趣旨で判断した。
まずスタン教授は「韓国金融委が明示的に買収者のハナ銀行側に売却価格引き下げを指示した証拠がない」と判断した。「金融委が売却価格引き下げを望んだという状況があちこちで把握された事実を否定することはできないが、これは状況にすぎない」とし「単純な状況に依存して国家が国際法を違反したと断定するのは不可能であり前例もない」と明らかにした。
明示的な価格引き下げ圧力があったとしても問題がないというのがスタン教授の見方だ。「ローンスターの金融犯罪で生じた前例のない状況に韓国金融監督機関として合理的に対応したとみるべき」とし「ローンスターの損失は有罪宣告に基づき契約当事者が価格引き下げに合意した結果」と明らかにした。
法務部の関係者は「国民の知る権利保障のために今後取り消しおよび執行停止申請などローンスター事件の後続手続きについても迅速に知らせる」と述べた。
法務部とは別に金周顕(キム・ジュヒョン)金融委員長はこの日、ソウル小公洞(ソゴンドン)で開かれた「コリアフィンテックウィーク2022」行事に出席した後、記者らに「判定には残念がところがある」と語った。
法務部は「政府は国民の知る権利の保障および仲裁手続きの透明性向上のために判定文を透明に公開するとすでに伝えていたが、ローンスター側も判定文の公開に同意した」とし「私人の個人情報や外交機密に関する事項など公開が不可能な最小限の内容を除いて、判定文原文をそのまま公開する」と明らかにした。判定文全文は法務部のホームページで誰でも閲覧できる。
世界銀行国際投資紛争解決センター(ICSID)の仲裁機関はローンスターが賠償金として要求した46億7950万ドルのうち2億1650万ドルだけを認めた。ローンスターが外換銀行を買収した後に売却する過程で韓国金融当局が不当な目的で遅延させ、売却価格が4億3300万ドルほど減少した点だけを問題としたが、ローンスターと韓国政府に半々ずつの責任があるとみて韓国政府に「4億3300万ドルの50%の2億1650万ドルをローンスターに賠償すべき」と判定したのだ。韓国ウォン(1ドル=1440ウォン)にすると利子を除いて3100億ウォン(約313億円)ほどだ。
◆「ローンスター、だまし逃げ…検察の捜査直前の撤収時点は遺憾」
判定文全文によると、ローンスターの問題は一言で「だまし逃げ」と要約される。仲裁機関は「ローンスターは『食い逃げ(Eat and Run)』投資家の一般的属性のほかにも深刻な金融犯罪で有罪判決を受けたため『だまし逃げ(Cheat and Run)』投資家ともいえる」とし「ローンスターが韓国から撤収を図った時点は遺憾だというのは疑いの余地がない」とした。
ローンスターは2003年8月に外換銀行を買収した際、その価格をめぐり論議を呼び、2006年1月に売却すると発表した。ところが売却に着手した時点は、2005年9月に市民団体がローンスターの外換銀行安価買収疑惑を検察に告発し、検察が本格的な捜査を準備する時期と重なる。その後、最高検察庁中央捜査部は2006年3月から4つの件(外換銀行安価売却および不正資金、ローンスター脱税、外換カード株価操縦)でローンスター側をより強力に捜査した。
捜査の結果、特に株価操縦疑惑事件に関連し、ユ・ヒウォン元ローンスターコリア代表が外換カードを安価で買収・合併するために「虚偽減資説」を広めて株価を操縦した疑いで起訴され、2012年2月に懲役3年が確定した。ローンスターファンド法人は罰金250億ウォンの確定判決を受けた。
仲裁機関は「株価操縦有罪判決による韓国金融委員会の外換銀行株売却命令を受け、ローンスター側は2012年5月18日以降、外換銀行の大株主保有株を保有できなくなり、これは金融当局が売却価格引き下げを図る余地を与えた」と明らかにした。
◆「韓国政府、政治的圧力という不適切な動機で売却遅延」
半面、韓国政府は「不適切な動機」でローンスターの外換銀行売却を遅延させたという指摘を受けた。仲裁機関は「私人間契約条件に関与するのは金融当局の権限内の行為でないにもかかわらず、金融当局は政治的負担を避けようと外換銀行売却価格引き下げのために努力した」とし「価格引き下げを達成するまで承認審査を保留したのは、金融当局の規制権限を恣意的、悪意的に行使したものだ」と明らかにした。
また「政治家らは国会で金融委員長に価格引き下げが必要だと圧力を加え、価格引き下げ後には成功を祝ったりした」と付け加えた。
◆「韓国の責任0」という少数意見…一銭も出さない道は開かれるのか
法務部は判定文内の少数意見に基づき、2億1650万ドルの賠償が取り消されるよう判定取消申請を準備している。少数意見を出した人物は韓国政府側の仲裁人、仏パリ第1大学のブリジット・スタン名誉教授であり、韓国政府の責任は全くないという趣旨で判断した。
まずスタン教授は「韓国金融委が明示的に買収者のハナ銀行側に売却価格引き下げを指示した証拠がない」と判断した。「金融委が売却価格引き下げを望んだという状況があちこちで把握された事実を否定することはできないが、これは状況にすぎない」とし「単純な状況に依存して国家が国際法を違反したと断定するのは不可能であり前例もない」と明らかにした。
明示的な価格引き下げ圧力があったとしても問題がないというのがスタン教授の見方だ。「ローンスターの金融犯罪で生じた前例のない状況に韓国金融監督機関として合理的に対応したとみるべき」とし「ローンスターの損失は有罪宣告に基づき契約当事者が価格引き下げに合意した結果」と明らかにした。
法務部の関係者は「国民の知る権利保障のために今後取り消しおよび執行停止申請などローンスター事件の後続手続きについても迅速に知らせる」と述べた。
法務部とは別に金周顕(キム・ジュヒョン)金融委員長はこの日、ソウル小公洞(ソゴンドン)で開かれた「コリアフィンテックウィーク2022」行事に出席した後、記者らに「判定には残念がところがある」と語った。
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