「台風14号はけさ9時に北緯39.8度、東経142.6度で温帯低気圧に変わりました」。
20日午後2時、ソウルの気象庁国家気象センター。台風が消滅したという趣旨の国家台風センターの会見が終わると歓呼の代わりに鋭い質問が多くなされた。「現在の台風の中心気圧はいくらでしょうか」「温帯低気圧化した後も低気圧性が強まるのではないですか」などの内容だった。気候専門家である予報官が参加した気象庁の予報会議は最近になり雰囲気がさらに冷え込んでいるという。
記者が参観した予報会議はこの日3回目に開かれた会議だった。これに先立ち午前7時50分と10時にも会議が開かれた。気象庁のチョン・グァンヨン予報局長のマイクに赤いランプが灯ると大型スクリーンに済州(チェジュ)の国家台風センター、鎮川(チンチョン)の国家気象衛星センター、大田(テジョン)の数値モデリングセンター、ソウルの気象レーダーセンターの様子が順に映し出された。会議に参加した10人ほどの予報官は韓半島(朝鮮半島)南側の海上に新たに登場した渦の便りに乾いたつばを飲み込んだ。会見画面と各自が準備した資料を比較するのに8台のモニターが休む暇もなく切り替えられた。
50分ほどの会議を終えたある予報官は「台風がくる時はほとんどけんかのように会議をする。予報会議だけは公務員の階級章をはずして意見をやりとりする」と話した。この日の天気はのどかだったが気象庁予報官の業務緊張度は高く見えた。異常気象が常識になった時代に気象庁は24時間緊張している。国家気象センターではこうした予報会議が1日に多くて20回以上開かれるという。15年目というある予報官は「以前より会議出席者も多様化し、会議時間も30~40分から1時間以上に長くなった。午後3~4時にしていた午後の予報会議を2時に繰り上げている」と話した。
◇「経験を超える予報したのに…」…気象庁も驚いた豪雨
ソウル・銅雀区(トンジャクク)の新大方洞(シンデバンドン)を中心に時間当たり最高141.5ミリの豪雨が降った8月8日、気象庁も内部的に驚いたという。内部的に数値予報モデルの予測値よりはるかに多い時間当たり100ミリを予報したが、それよりも多い雨が降ったためだ。気象庁のキム・ソンムク災害気象対応チーム長は「経験を超える量を予報したのにこれを超える結果が出た」と話した。気象庁のイム・ユンジン数値モデル活用チーム長は「総可降水量70~80ミリを最大値だと考えた。モデル上で一帯にある水蒸気量をすべて合わせたより多くの降水量が出てきたもの」と説明した。
台風11号と台風12号もモデルと異なるルートで動いた。ノルウェー気象庁が使うという欧州中期予報センター(ECMWF)モデルも台風が上陸する1週間前まで進路を大きく抜け出すように予測した。予報官は周辺の気圧計の状況を分析しモデルと異なる実際の経路に近い予報をした。台風14号の時はモデルが250ミリの降水量を示したが、予報官は最終的に150ミリと予想降水量を出した。19日に台風14号が韓半島に浴びせた雨の量は約120ミリだった。ある予報官は「降水量を予報してから夜も眠れなかった」と吐露した。
気象庁の人々は最近になり「首を差し出す覚悟で予報する」とたびたび話すという。モデルが語るシナリオと違う判断を今年はさらに多くしているからだ。ある関係者は「内部的にも意見が分かれ、互いを説得する過程を続けている」と話す。キム・ソンムク氏は「(予報会議の)デスクに座り赤いランプを付けて話をするという重圧感がものすごい。特に危険気象は首を差し出して責任を負う覚悟をして話す」と話した。彼は「台風が3回過ぎるたびに『どうか人命被害がないことを…』と祈ってまた祈った」とした。
数百億ウォンのスパコンも力不足…「首を賭けて予報」気をもむ韓国気象庁(2)
20日午後2時、ソウルの気象庁国家気象センター。台風が消滅したという趣旨の国家台風センターの会見が終わると歓呼の代わりに鋭い質問が多くなされた。「現在の台風の中心気圧はいくらでしょうか」「温帯低気圧化した後も低気圧性が強まるのではないですか」などの内容だった。気候専門家である予報官が参加した気象庁の予報会議は最近になり雰囲気がさらに冷え込んでいるという。
記者が参観した予報会議はこの日3回目に開かれた会議だった。これに先立ち午前7時50分と10時にも会議が開かれた。気象庁のチョン・グァンヨン予報局長のマイクに赤いランプが灯ると大型スクリーンに済州(チェジュ)の国家台風センター、鎮川(チンチョン)の国家気象衛星センター、大田(テジョン)の数値モデリングセンター、ソウルの気象レーダーセンターの様子が順に映し出された。会議に参加した10人ほどの予報官は韓半島(朝鮮半島)南側の海上に新たに登場した渦の便りに乾いたつばを飲み込んだ。会見画面と各自が準備した資料を比較するのに8台のモニターが休む暇もなく切り替えられた。
50分ほどの会議を終えたある予報官は「台風がくる時はほとんどけんかのように会議をする。予報会議だけは公務員の階級章をはずして意見をやりとりする」と話した。この日の天気はのどかだったが気象庁予報官の業務緊張度は高く見えた。異常気象が常識になった時代に気象庁は24時間緊張している。国家気象センターではこうした予報会議が1日に多くて20回以上開かれるという。15年目というある予報官は「以前より会議出席者も多様化し、会議時間も30~40分から1時間以上に長くなった。午後3~4時にしていた午後の予報会議を2時に繰り上げている」と話した。
◇「経験を超える予報したのに…」…気象庁も驚いた豪雨
ソウル・銅雀区(トンジャクク)の新大方洞(シンデバンドン)を中心に時間当たり最高141.5ミリの豪雨が降った8月8日、気象庁も内部的に驚いたという。内部的に数値予報モデルの予測値よりはるかに多い時間当たり100ミリを予報したが、それよりも多い雨が降ったためだ。気象庁のキム・ソンムク災害気象対応チーム長は「経験を超える量を予報したのにこれを超える結果が出た」と話した。気象庁のイム・ユンジン数値モデル活用チーム長は「総可降水量70~80ミリを最大値だと考えた。モデル上で一帯にある水蒸気量をすべて合わせたより多くの降水量が出てきたもの」と説明した。
台風11号と台風12号もモデルと異なるルートで動いた。ノルウェー気象庁が使うという欧州中期予報センター(ECMWF)モデルも台風が上陸する1週間前まで進路を大きく抜け出すように予測した。予報官は周辺の気圧計の状況を分析しモデルと異なる実際の経路に近い予報をした。台風14号の時はモデルが250ミリの降水量を示したが、予報官は最終的に150ミリと予想降水量を出した。19日に台風14号が韓半島に浴びせた雨の量は約120ミリだった。ある予報官は「降水量を予報してから夜も眠れなかった」と吐露した。
気象庁の人々は最近になり「首を差し出す覚悟で予報する」とたびたび話すという。モデルが語るシナリオと違う判断を今年はさらに多くしているからだ。ある関係者は「内部的にも意見が分かれ、互いを説得する過程を続けている」と話す。キム・ソンムク氏は「(予報会議の)デスクに座り赤いランプを付けて話をするという重圧感がものすごい。特に危険気象は首を差し出して責任を負う覚悟をして話す」と話した。彼は「台風が3回過ぎるたびに『どうか人命被害がないことを…』と祈ってまた祈った」とした。
数百億ウォンのスパコンも力不足…「首を賭けて予報」気をもむ韓国気象庁(2)
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