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韓国政府「対北朝鮮ビラ散布自制」初めて要請…ビラめぐる尹政権のジレンマ(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
これに先立ち北朝鮮の金与正朝鮮労働党副部長は先月10日の全国非常防疫総括会議での演説で、対北朝鮮ビラを新型コロナウイルス伝播の原因である「目新しい物品」と指し示して「対応もとても強力な報復性対応を加えなければならない。ウイルスはもちろん、南朝鮮当局の連中も撲滅することで応えるであろう」と話した。

同月18日の談話でも金副部長は「われわれの境内にいまも汚いごみを引き続き送り込んで(中略)『食糧供給』と『医療支援』などを言い散らすことこそ、わが人民の激烈な憎悪と憤激をいっそう恐ろしく爆発させるだけである」と明らかにした。

◇不必要な北朝鮮刺激避けるよう


尹錫悦政権は対北朝鮮ビラ散布を法で禁止したり処罰するのは適切でないとの立場だ。ビラそのものに対して「猥褻的宣伝とフェイクニュースで埋められた」とし2020年12月に対北朝鮮ビラ禁止法を作り刑事処罰を可能にした文在寅(ムン・ジェイン)政権の路線とは違いがある。現行法である対北朝鮮ビラ禁止法は事実上死文化されたという分析が出ている理由だ。

韓国政府消息筋は「尹錫悦政権は対北朝鮮ビラそのものに対しては表現の自由と北朝鮮住民の知る権利などを考慮し政府は価値判断できないが、南北境界隣接地域住民の安全に脅威となりかねない点は認めており、それにもかかわらずこれを法案と刑事処罰で防ぐのは適切でないため民間団体啓蒙を中心に対応するという立場」と話した。

この日統一部の「対北朝鮮ビラ関連の立場」発表には、韓国政府が先月「大胆な構想」という対北朝鮮政策の枠組みを打ち出した中で不必要に北朝鮮を刺激する必要はないという判断も背景にあると分析される。2020年6月に北朝鮮は対北朝鮮ビラを口実にして開城(ケソン)南北共同連絡事務所を一方的に爆破した。

梨花(イファ)女子大学北朝鮮学科のパク・ウォンゴン教授は「与党が文在寅政権時代に対北朝鮮ビラ禁止法に対し民主主義に外れると強く指摘した点などを考慮すれば尹錫悦政権としては対北朝鮮ビラ関連対応に多く悩んだだろう。結果的に政府は法を通じて散布を防ぐ代わりに民間団体説得と協力にウエイトを置くとみられ、現在対南挑発の名分を積み上げている北朝鮮に余計な口実を与えてはならないという判断」と話した。


韓国政府「対北朝鮮ビラ散布自制」初めて要請…ビラめぐる尹政権のジレンマ(1)

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