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【コラム】複合危険に直面した韓国…「まだ12隻の船がある」と叫ぶな(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
だが現実は容易でない。新たに発足した政権に対する国民の評価は異例に否定的だ。社会を革新する動力が見られない。アンケートによると否定的評価の理由として経験と能力の不足、独断的で一方的なやり方、人事ミスなどさまざまなものが議論された。だが筆者がみて最も大きな理由は未来方向性の不在だ。新政権が追求している未来アジェンダが何かさっぱりわからないということだ。

原発、法人税、財政健全性、年金、労働、教育、不動産など多くの政策に対する方向転換を十分な共感もなく試みる。だがこのように簡単に解決される問題ならばすでに解決されていただろう。多くの政策問題は少なくとも10年以上持続的に指摘された構造的な問題だ。明確な正解がないケースが大部分であり、もし正解があるとしても有効期間が限定的だ。直前の政権はこうした問題解決に失敗して大統領選挙に敗北したのに新政権もまた同じように誤った経路にいきつつある。このままならば5年が過ぎても問題は解決されないだろう。

民意を代弁する国会は現在の世代と未来世代の間の利益の均衡点を探さなければならない所だが実際に回っている現象は現在中心的だ。次の選挙に向け投票権を持っている現在の世代に集中する。未来の問題に対する激しい議論はなく形態も過去指向型だ。大統領選挙後に与党と野党が変わった国会では過去の自身の主張を変えて自らを否定し「過去にはあなた方がこうした」としながら相手方を非難する。この非難の悪循環から自由な政党はない。すべての焦点がただ支持者に合わされており、社会が当面の問題解決には最も非生産的な方式でアプローチする。よっぽどでなければ韓国行政研究院の「社会統合実態調査」による国会信頼度が34.4%で調査機関のうち最下位だろうか。


一発で解決できる容易な政策問題はない。未来に関する問題はさらにそうだが、代案を模索するやり方は過去指向型だ。もう「前の政権より」ではなく、「未来世代の利益のため」「短期的成果」から「長期的効果」へ、「要素」から「システム」へ論争の枠組みを変えなければならない。依然として残っている悪い慣行、過去の成功モデルへの執着、短期的成果指向、脆弱な制度的・法的・文化的基盤などが障害として作用するだろう。

だが国民が望むのは正解ではなく正解を見つけるための激しいけれど透明な論争、議論の過程への参加保障、そして政界の真正性ではないか。これらすべては社会全体が過去ではなく未来に対する議論を始める時に可能だ。

パク・ビョンウォン/科学技術政策研究院選任研究委員


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