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「ローンスターのだまし逃げ」でなぜ韓国に50%の責任?…「官冶」が問題だった

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

2006年12月7日、「ローンスター事件」中間捜査の結果を発表する当時の蔡東旭(チェ・ドンウク)最高検察庁中央捜査部捜査企画官。左が尹錫悦(ユン・ソクヨル)検事(現大統領)。カン・ジョンヒョン記者

「ローンスターが株価操縦事件で有罪判決を受けた点からみて『食い逃げ(Eat and Run)』の比喩を発展させて『だまし逃げ(Cheat and Run)』とも見ることができる」。

韓国法務部が6日に公開した、韓国政府-米国系投資ファンド「ローンスター」事件に対する世界銀行国際投資紛争解決センター(ICSID)仲裁判定文(先月31日)の要旨に出てくる表現だ。ICSID仲裁判定部も、ローンスターが2003年の外換銀行安価買収過程で外換カード株価操縦をしたという点を根拠に、2012年にハナ金融に売却して数兆ウォンの差益を得た全過程について詐欺などの不正行為として比喩したのだ。

それなのになぜ韓国政府に外換銀行売却価格引き下げ分の50%の責任を認めたのか。判定文の要旨は、当時、金融委員会が売却承認を遅延したことを問題にしたのではなく、ハナ銀行側に買収価格引き下げ圧力を加えて私的な契約に介入したという点を指摘している。結局、問題は「官治金融」だった。


◆判定文「ローンスターの有罪を受け、韓国金融当局が価格引き下げ介入」

法務部が全体400ページ枚分量の判定文を要約した21枚の判定要旨書には、韓国金融当局の不当な介入に関する仲裁判定部の指摘が多数意見として詳細に記述されていた。

要旨書によると、仲裁判定部は「2011年10月6日のソウル高裁破棄控訴審の株価操縦有罪判決に基づく金融委の外換銀行株式売却命令で、ローンスター側は2012年5月18日以降には外換銀行の大株主としての株式をこれ以上保有できなくなり、これは金融当局が売却価格引き下げを図る余地を与えた」と見なした。続いて「本件で核心は(韓国政府の)承認遅延自体でなく、その遅延に不適切な目的があったかどうかという点」と指摘した。

そして「私人の間の契約条件に関与するのは金融当局の権限内の行為でないにもかかわらず、金融当局は政治的な負担を避けようと外換銀行売却価格引き下げのために努力した」とし「価格引き下げを達成するまで承認審査を保留したのは、金融当局の規制権限を恣意的、悪意で行使した」という結論を出した。

◆「韓国政治家が金融委員長に圧力…価格引き下げ後に成功祝う」

仲裁判定部は金融委がローンスターの売却価格引き下げに介入した動機を政治的な圧力と見なした。「金融当局は売却価格が引き下げられるまで承認審査を保留する『観望(Wait and See)』政策をした」とし「金融委が法令上の審査期間を越えることもあるが、問題はこの観望政策が正当な規制目的でなく政治家と大衆の批判を避けようとする政治的な動機から始まった」としながらだ。

また「政治家らは国会で金融委員長に価格引き下げが必要だと圧力を加え、価格引き下げ後には成功を祝ったりもした」と明らかにした。こうした韓国政界の圧力と金融委の売却価格引き下げ努力は当時の韓国メディアの記事、ハナ金融関係者とローンスターの対話などが証拠として提示されたという。

仲裁判定部は「ローンスターが価格引き下げを受け入れたのは金融委の不適切な介入のためとみるべき」とし「ハナ金融の関係者はローンスターの関係者に『価格を引き下げれば金融委の政治的負担が軽くなる』と話した」という根拠を挙げた。

仲裁判定部は結論的に「ローンスターの違法行為は金融委の違法行為を可能にし、双方の違法行為は共に4億3300万ドルの(契約上)価格引き下げを誘発した」とし「韓国金融当局とローンスターの過失は状況上、同等に分配されることが適切であり、50%ずつ2億1650万ドルを負担すべき」と判定した。

もちろんローンスターが提起した別の争点では韓国政府が勝訴したため、全体の訴訟規模46億7950万ドル(約6兆3000億ウォン、約6550億円)と比較すると、韓国政府が支払う金額は4.6%にすぎない。

法務部の関係者は「国民の知る権利の保障と仲裁手続きの透明性向上のために判定文全文を公開するという立場」とし「ローンスター側と全文公開のための協議を始め、迅速に公開するために努力する」と述べた。

◆法務部長官「一銭も払えない、取消申し立て…その後に責任者を明確に」

法務部は2億1650万ドル賠償判定も受け入れられないという結論を出し、120日以内にICSIDに判定の取り消しを申し立てる計画だ。韓東勲(ハン・ドンフン)法務部長官は5日の国会予算決算特別委員会でも「過去5-10年を分析すれば、10%ほどの確率はある」とし「十分に可能なことだと判断して準備中」と明らかにした。

韓長官は判定文にある少数意見に希望をかける。少数意見を出した人物は韓国政府側の仲裁人、仏パリ第1大学のブリジット・スタン名誉教授で、スタン氏は「ローンスターが株価操縦事件の有罪判決を受けなかったとすれば売却承認は保留されなかったはずで、韓国政府の責任を認めることはできない」と明らかにした。この意見が受け入れられれば韓国政府の賠償額はゼロとなる。判定取り消し手続きが終われば、今回の訴訟結果の責任者を明確にするというのが韓長官の立場だ。



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