尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の「強制徴用解決策」は回り回って代位弁済に傾く様相だ。この2カ月間に合計4回の会議を開催した官民協議会の意見取りまとめ手続きが終了し、韓国政府の決断だけが残った。政府は外交部を中心に強制徴用問題解決に向けた最終案をまとめた後、早ければ今月中にも発表する予定だ。
5月に発足した尹錫悦政権が韓日関係改善に向けた最初の課題として強制徴用問題を持ち出した時から結論は代位弁済になるだろうという予想が多かった。強制徴用被害者に対する日本企業の損害賠償責任を認めた2018年の大法院(最高裁)判決を迂回する「外交的解決策」としては第三者が代わりに賠償する代位弁済以外にこれといった代案がないためだ。
代位弁済は2019年に当時の文喜相(ムン・ヒサン)国会議長の提案により法案まで発議されたが、被害者側と市民団体の激しい反発を乗り越えられず霧散した「失敗した解決策」に当たる。その後被害者側が日本企業の賠償を強制するために要請した現金化命令まで差し迫った点で状況は3年前より一層尖鋭で複雑になった。財源確保方式、弁済時期と方法、日本側との後続交渉など各段階で予想される核心争点を探ってみた。
◇代位弁済の先決条件は「財源確保」
財源確保は代位弁済の先決条件だ。資金が用意できなければ代わりに返済するという概念自体が成立しない。被害者側が代位弁済を強制徴用問題の解決策として受け入れるためには資金の性格も重要だ。5日の官民協議会4回目の会議で出席者が「政府予算を活用した代位弁済は望ましくない」との意見をまとめた理由だ。
財源充当の主体は大きく政府と企業、民間に分かれる。2019年の文喜相案には韓日の企業の資金拠出と国民からの寄付、政府予算まで投入する包括的形態の財源確保計画が盛り込まれた。ただ国民からの寄付の場合、募金額を予想しにくく、政府予算の場合、官民協議会で否定的意見が表出されただけに、韓日の企業からの資金拠出が代位弁済に向けた財源の主軸になると予想される。
文喜相元議長もやはり6日の「新政権の韓日関係改善に向けた両国協力案」セミナーで韓日の企業の自発的な基金への拠出を通じた被害者賠償案を提案した。文元議長はその上で「被害当事国である韓国の先制的立法を通じて韓日両国が対立懸案を包括的に協議して譲歩できる名分を提供し、和解協力の出口を開くことができるよう期待する」と話した。
◇日本企業の「自発的参加」引き出さねば
韓国企業側の拠出金には1965年の韓日請求権協定の恩恵を受けたポスコが拠出した60億ウォンを活用できる。この資金は現在強制動員被害者支援財団で管理している。カギは日本側で三菱重工業と新日鉄住金(日本製鉄)など戦犯企業が資金拠出に参加するかどうかだ。
法律代理人など被害者側では日本の戦犯企業の基金への拠出を代位弁済の必須条件としている。これに対し日本側は1965年の韓日請求権協定ですべての賠償が完了しているだけに日本企業の拠出を強制すべきではないという立場だ。韓国政府としては日本企業を財源確保に参加させるが「自発的参加」の性格を付与し、これを通じて被害者が代位弁済を受け入れる名分を用意する高難度の外交方程式を解かなければならない格好だ。
◇代位弁済対象どのように決めるか
現段階で代位弁済に向けた所要財源は推定が困難だ。代位弁済という解決策を公式化していないだけにまだその対象もやはり確定していないためだ。ひとまず官民協議会では強制徴用被害者を▽大法院判決を通じて勝訴した被害者▽損害賠償請求訴訟を進行中の被害者▽訴訟を起こしていない被害者――の3グループに分類した。代位弁済の対象には勝訴した被害者と訴訟を進行中の被害者に対象を限定する案にウエイトを置いている。
大法院確定判決を通じて勝訴した強制徴用被害者の規模は合計15人だ。訴訟を進めている被害者は1000人規模と推定されるが、このうち約800人は地裁段階で裁判が進んでいる。2審の裁判が進行中のケースは140人ほど、大法院係留は110人ほどと推定される。
強制徴用解決策回り回って…韓日企業が拠出した資金による賠償に傾く(2)
5月に発足した尹錫悦政権が韓日関係改善に向けた最初の課題として強制徴用問題を持ち出した時から結論は代位弁済になるだろうという予想が多かった。強制徴用被害者に対する日本企業の損害賠償責任を認めた2018年の大法院(最高裁)判決を迂回する「外交的解決策」としては第三者が代わりに賠償する代位弁済以外にこれといった代案がないためだ。
代位弁済は2019年に当時の文喜相(ムン・ヒサン)国会議長の提案により法案まで発議されたが、被害者側と市民団体の激しい反発を乗り越えられず霧散した「失敗した解決策」に当たる。その後被害者側が日本企業の賠償を強制するために要請した現金化命令まで差し迫った点で状況は3年前より一層尖鋭で複雑になった。財源確保方式、弁済時期と方法、日本側との後続交渉など各段階で予想される核心争点を探ってみた。
◇代位弁済の先決条件は「財源確保」
財源確保は代位弁済の先決条件だ。資金が用意できなければ代わりに返済するという概念自体が成立しない。被害者側が代位弁済を強制徴用問題の解決策として受け入れるためには資金の性格も重要だ。5日の官民協議会4回目の会議で出席者が「政府予算を活用した代位弁済は望ましくない」との意見をまとめた理由だ。
財源充当の主体は大きく政府と企業、民間に分かれる。2019年の文喜相案には韓日の企業の資金拠出と国民からの寄付、政府予算まで投入する包括的形態の財源確保計画が盛り込まれた。ただ国民からの寄付の場合、募金額を予想しにくく、政府予算の場合、官民協議会で否定的意見が表出されただけに、韓日の企業からの資金拠出が代位弁済に向けた財源の主軸になると予想される。
文喜相元議長もやはり6日の「新政権の韓日関係改善に向けた両国協力案」セミナーで韓日の企業の自発的な基金への拠出を通じた被害者賠償案を提案した。文元議長はその上で「被害当事国である韓国の先制的立法を通じて韓日両国が対立懸案を包括的に協議して譲歩できる名分を提供し、和解協力の出口を開くことができるよう期待する」と話した。
◇日本企業の「自発的参加」引き出さねば
韓国企業側の拠出金には1965年の韓日請求権協定の恩恵を受けたポスコが拠出した60億ウォンを活用できる。この資金は現在強制動員被害者支援財団で管理している。カギは日本側で三菱重工業と新日鉄住金(日本製鉄)など戦犯企業が資金拠出に参加するかどうかだ。
法律代理人など被害者側では日本の戦犯企業の基金への拠出を代位弁済の必須条件としている。これに対し日本側は1965年の韓日請求権協定ですべての賠償が完了しているだけに日本企業の拠出を強制すべきではないという立場だ。韓国政府としては日本企業を財源確保に参加させるが「自発的参加」の性格を付与し、これを通じて被害者が代位弁済を受け入れる名分を用意する高難度の外交方程式を解かなければならない格好だ。
◇代位弁済対象どのように決めるか
現段階で代位弁済に向けた所要財源は推定が困難だ。代位弁済という解決策を公式化していないだけにまだその対象もやはり確定していないためだ。ひとまず官民協議会では強制徴用被害者を▽大法院判決を通じて勝訴した被害者▽損害賠償請求訴訟を進行中の被害者▽訴訟を起こしていない被害者――の3グループに分類した。代位弁済の対象には勝訴した被害者と訴訟を進行中の被害者に対象を限定する案にウエイトを置いている。
大法院確定判決を通じて勝訴した強制徴用被害者の規模は合計15人だ。訴訟を進めている被害者は1000人規模と推定されるが、このうち約800人は地裁段階で裁判が進んでいる。2審の裁判が進行中のケースは140人ほど、大法院係留は110人ほどと推定される。
強制徴用解決策回り回って…韓日企業が拠出した資金による賠償に傾く(2)
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