朴振(パク・ジン)外交部長官
◆「被害者問題、早期に解決」
朴長官はこの日午後、光州市光山区(クヮンサング)で暮らす強制徴用被害者の李春植(イ・チュンシク)さん(98)宅を訪れ、「政府は、強制徴用被害者の方々の問題をできる限り早期に誠意を持って解決していくという強い意志を持っている」とし「問題がうまく合理的に解決するようにしたい」と述べた。
李さんは1943年1月に日本製鉄釜石製鉄所に動員され、2018年10月に大法院(最高裁)で日本製鉄の後身・新日本製鉄を相手にした損害賠償訴訟で最終勝訴判決を受けた。しかし新日本製鉄が強制徴用被害者4人に1億ウォン(約1000万円)ずつ支払うべきとの大法院の決定に従わず、現在、同社の韓国内資産を強制的に現金化する手続きが進行している。
朴長官に会った李さんは「補償を受けられず裁判をしたが、結果だけを受けた。生きている間に問題が解決することを望む」とし「長官が関心を向けてほしい」と訴えた。これに対し朴長官は「亡くなった親の代わりに秋夕(チュソク、中秋)のあいさつをしたい」とし、膝をついてお辞儀をした。
◆大法院「現金化」決定が迫る
続いて朴長官は光州西区に住む勤労挺身隊被害者、梁錦徳(ヤン・クムドク)さん(91)宅も訪れた。三菱重工業名古屋航空機製作所に動員された梁さんは三菱を相手に訴訟を提起した。この訴訟は三菱が資産現金化に反発して再抗告し、大法院の最終決定を控えている。
この過程で外交部は7月26日、大法院に「韓日両国が賠償問題の解決のために努力している」という趣旨の意見書を提出したが、被害者団体は外交部の意見提示に反発し、強制徴用問題解決策のために設けられた官民協議会への参加を拒否している。
これに関連し朴長官はこの日、被害者との会談を終えた後、記者から「意見書提出を撤回する意思があるのか」という質問を受けると、「(意見書は)裁判所の判決に影響を与えたり関与するものでは全くない」とし「大法院の民事訴訟規則など法令と手続きに基づいて正当にしたものであり、撤回する考えはない」と答えた。また「韓日交渉を通じてこの問題を合理的に解決していくため、近く日本を訪問して林外相と議論する」と伝えた。
◆林外相「関係改善のため緊密に協力」
一方、朴長官が被害者に会ったこの日、林芳正外相は記者会見で、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が光復節(開放記念日、8月15日)の演説などで明らかにした韓日関係改善の意志などを歓迎する意を表し、「(両国)関係改善のために韓国政府と緊密に協力をしていく考え」と明らかにした。
尹大統領は先月15日の光復節記念演説で「普遍的な価値を基盤に両国の未来と時代的な使命に向かっていく時、歴史問題も解決する可能性がある」とし、2日後の就任100日の記者会見では強制徴用問題に関し「両国の未来志向的な協力関係を強化した時、譲歩と理解を通して円満に解決することができる」と述べた。
こうした状況で日本企業の韓国内資産売却事件の主審を担当してきたキム・ジェヒョン大法官(最高裁判事)が退任した。キム判事は退任式を終えた後、「三菱関連の決定を出さずに退任した理由」を尋ねる取材陣の質問を受けたが、何も答えなかった。
キム判事が担当してきた事件は、先月29日に国会人事聴聞会が開かれたオ・ソクジュン元済州地方法院長が引き受けることになる。しかしまだオ氏の聴聞報告書は採択されていない。政界と法曹界では大法院の業務空白と共に日本企業の資産現金化関連決定もかなり遅れるという見方が出ている。
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