日本三菱の国内資産を強制売却(現金化)して強制徴用被害者への賠償金支給を申請した事件に対する韓国大法院(最高裁)の最終判断が約束なしで先送りされることになった。特許権売却事件の主審であるキム・ジェヒョン大法官(最高裁判事)が結論を出せないまま2日に任期を終えて退任式を行ったためだ。
◆大法院の現金化決定、審理不続行に続き退任期間も越える
大法院第3部(主審キム・ジェヒョン大法官)は1日、業務時間である午後6時まで三菱が特許権2件に対する特別現金化命令に従わず出した再抗告事件に対する決定を下さなかった。キム大法官は正式任期終了日は今月4日だが、退任式は金曜日である2日に開かれ、事実上、業務時間は1日午後6時までだった。通常、退任式を終えれば裁判などの業務に参加しない。
これに先立ち、大法院は1次「D-Day」だった先月19日にも判断を下さなかった。三菱側の上告に対して審理不続行について判断しないままこの日を越えた。審理不続行は大法院が事件の結論が審理する必要もなく明白な場合、事件についてこれ以上審理せずに原審を維持すると棄却する決定だ。審理不続行棄却決定が下されたとすると、三菱の再抗告が棄却されて資産売却命令(現金化)が確定するという意味だった。
当初、法曹界内外では「キム大法官の退任が迫っていることから、これ以上判断を先送りすることも難しくなった」という評価が出ていたが、最後D-Dayだった退任期間まで越えて、今後いつ司法府の最終判断が下されるのか予想できなくなった。
加えて後任の裁判部がいつ構成されるかも分からない状況だ。キム大法官の後任であるオ・ソクジュン大法官候補に対する国会人事聴聞特別委員会の聴聞報告書採択議論が与野党の合意不発よって延期となり、三菱事件の結論はもちろん、大法官の空白も長期化する展望だ。法曹界ではキム大法官が主審だった三菱事件を後任に推薦されたオ候補が引き継ぐことになるという見方が強かった。
ただし、すぐに現金化するべきだという被害者と、もしそうなった場合、韓日請求権協定が無力化したと見なすと強硬論をちらつかせている日本の間で難しい立場を迫られていた尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府としては時間稼ぎができることになった。これに対して韓日関係最大の雷管である強制徴用賠償解決法のために官民協議会を稼働し、日本はもちろん被害者とも接点を広げている政府の立場などを勘案し、司法府の判断が先送りされたのではないかという解釈もある。朴振(パク・ジン)外交部長官はこの日光州(クァンジュ)で日帝強制動員被害者に会って意見を聴取する。
◆賠償金強制執行のための事実上最後の司法手続き
今回の事件は三菱が強制動員被害者に対する賠償責任を認めた2018年大法院確定判決を履行しないため大きくなった。被害者である金性珠(キム・ソンジュ)さん(93)と梁錦徳(ヤン・クムドク)さん(93)ら5人は三菱が運営していた工場で働いていたが賃金を支給されなかったため損害賠償訴訟を請求した。2018年11月大法院は三菱が不法行為を犯したことに対する賠償責任を認め、1人当たり1億~1億5000万ウォン(現レートで約1030万円~1550万円)の賠償金を支給するよう判決を下した。
しかし三菱側がこれを無視すると賠償金を受け取るための法的手続きが再び進行された。まず、梁錦徳さんと金性珠さんはそれぞれ三菱重工業が国内に保有した商標権2件と特許権2件に対する差押命令および売却命令を裁判所にそれぞれ申請した。
昨年9月大法院は商標権と特許権に対する差押命令を確定し、同月大田(テジョン)地裁も売却命令申請を受理した。すると三菱は現金化に反発して控訴に出たが、今年1・2月に2審裁判部も同じ判断を下した。これに対して今年4月三菱は再抗告して事件は大法院で審理されることになった。
大法院側はこれに先立って「大法院がこの事件をいつまでに決めると方針を固めたり、大法官の間で合意されたものはない」とし「キム・ジェヒョン大法官退任前までに決定するよう方針を固めたわけではない」と説明していた。
◆大法院の現金化決定、審理不続行に続き退任期間も越える
大法院第3部(主審キム・ジェヒョン大法官)は1日、業務時間である午後6時まで三菱が特許権2件に対する特別現金化命令に従わず出した再抗告事件に対する決定を下さなかった。キム大法官は正式任期終了日は今月4日だが、退任式は金曜日である2日に開かれ、事実上、業務時間は1日午後6時までだった。通常、退任式を終えれば裁判などの業務に参加しない。
これに先立ち、大法院は1次「D-Day」だった先月19日にも判断を下さなかった。三菱側の上告に対して審理不続行について判断しないままこの日を越えた。審理不続行は大法院が事件の結論が審理する必要もなく明白な場合、事件についてこれ以上審理せずに原審を維持すると棄却する決定だ。審理不続行棄却決定が下されたとすると、三菱の再抗告が棄却されて資産売却命令(現金化)が確定するという意味だった。
当初、法曹界内外では「キム大法官の退任が迫っていることから、これ以上判断を先送りすることも難しくなった」という評価が出ていたが、最後D-Dayだった退任期間まで越えて、今後いつ司法府の最終判断が下されるのか予想できなくなった。
加えて後任の裁判部がいつ構成されるかも分からない状況だ。キム大法官の後任であるオ・ソクジュン大法官候補に対する国会人事聴聞特別委員会の聴聞報告書採択議論が与野党の合意不発よって延期となり、三菱事件の結論はもちろん、大法官の空白も長期化する展望だ。法曹界ではキム大法官が主審だった三菱事件を後任に推薦されたオ候補が引き継ぐことになるという見方が強かった。
ただし、すぐに現金化するべきだという被害者と、もしそうなった場合、韓日請求権協定が無力化したと見なすと強硬論をちらつかせている日本の間で難しい立場を迫られていた尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府としては時間稼ぎができることになった。これに対して韓日関係最大の雷管である強制徴用賠償解決法のために官民協議会を稼働し、日本はもちろん被害者とも接点を広げている政府の立場などを勘案し、司法府の判断が先送りされたのではないかという解釈もある。朴振(パク・ジン)外交部長官はこの日光州(クァンジュ)で日帝強制動員被害者に会って意見を聴取する。
◆賠償金強制執行のための事実上最後の司法手続き
今回の事件は三菱が強制動員被害者に対する賠償責任を認めた2018年大法院確定判決を履行しないため大きくなった。被害者である金性珠(キム・ソンジュ)さん(93)と梁錦徳(ヤン・クムドク)さん(93)ら5人は三菱が運営していた工場で働いていたが賃金を支給されなかったため損害賠償訴訟を請求した。2018年11月大法院は三菱が不法行為を犯したことに対する賠償責任を認め、1人当たり1億~1億5000万ウォン(現レートで約1030万円~1550万円)の賠償金を支給するよう判決を下した。
しかし三菱側がこれを無視すると賠償金を受け取るための法的手続きが再び進行された。まず、梁錦徳さんと金性珠さんはそれぞれ三菱重工業が国内に保有した商標権2件と特許権2件に対する差押命令および売却命令を裁判所にそれぞれ申請した。
昨年9月大法院は商標権と特許権に対する差押命令を確定し、同月大田(テジョン)地裁も売却命令申請を受理した。すると三菱は現金化に反発して控訴に出たが、今年1・2月に2審裁判部も同じ判断を下した。これに対して今年4月三菱は再抗告して事件は大法院で審理されることになった。
大法院側はこれに先立って「大法院がこの事件をいつまでに決めると方針を固めたり、大法官の間で合意されたものはない」とし「キム・ジェヒョン大法官退任前までに決定するよう方針を固めたわけではない」と説明していた。
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