ドル
23日のソウル外国為替市場でウォン相場は前日より5.70ウォンのウォン安ドル高となる1ドル=1345.50ウォンで取引を終えた。終値基準では金融危機当時の2009年4月28日に記録した1356.80ウォンから13年4カ月ぶりの安値水準だ。取引時間中には一時1346ウォンまでウォン安が進んだ。3営業日連続の年初来安値更新だ。
6営業日連続で下落しウォンは43.10ウォンも落ちた。今年に入り初めて1340ウォン台に進入したが2009年4月以降で最も低かった。金融危機の最中だった13年前に匹敵する衝撃が外為市場を襲っている。
証券市場も揺らいだ。この日の韓国総合株価指数(KOSPI)は前日より27.16ポイント(1.10%)下落の2435.34で取引を終えた。終値基準で先月28日の2435.27から1カ月ぶりの安値水準だ。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領はこの日午前9時ごろ「ドル高ウォン安の通貨状況が韓国市場に否定的影響を及ぼさないよう非常経済対策会議などを通じてリスク管理をしっかりしていきたい」と話した。
この日の取引開始直後に1ドル=1345ウォンまでウォン安が進むと、午前9時24分ごろに外為当局が口先介入に出た。当局は「最近の世界的なドル高に起因したウォン安ドル高過程で域外などを中心にした投機的要因があるのかについて綿密に点検していくだろう」と明らかにした。6月13日から2カ月余りぶり、今年に入って4回目の公式な口先介入だ。外為当局の口先介入により午前に一時ウォン相場は1337.60ウォンまで上がったが、下落傾向は防げなかった。
市場では当分ウォンの下落は避けられないものと判断する。▽貿易収支赤字の拡大で輸出依存度が高い韓国経済鈍化の懸念が大きくなっている上に▽米国の緊縮加速とドル高▽ロシアのガス供給難、猛暑と日照りによる欧州の景気低迷の可能性▽局地的封鎖と不動産リスクにともなう中国の景気不振――などまさに四面楚歌の状況だ。
未来アセット証券のキム・ソクファン研究員は「今週のジャクソンホール会議(米連邦準備制度理事会が毎年開催する経済会談)と欧州の景気低迷への懸念などで為替相場の変動性が拡大する見通し」と診断した。
まずドル高が容易に落ち着く兆しがない。主要6カ国の通貨に対するドルの価値を示すドル指数(1973=100)は23日に一時109を超え、109.06で締め切った。2002年から20年ぶりの高水準だ。その上米連邦公開市場委員会(FOMC)が来月にもまた、0.75%の利上げを断行するという見通しが強まっている。
懸念は最近大きく増えた貿易収支赤字がウォン下落をあおり、それが輸入物価上昇につながって貿易赤字を増やす悪循環だ。貿易収支赤字が続き対外信用度が下落すれば資本流出が激しくなる可能性があるためだ。関税庁の統計を見ると今年に入り今月20日までの累積貿易赤字は254億7000万ドルに達する。
カトリック大学経済学科のヤン・ジュンソク教授は「(商品・サービス・移転収支などをすべて合わせた)経常収支が赤字に転落する可能性は小さいが、現在のように貿易赤字が続くならばそれだけ外貨流入が減りウォン下落を圧迫する要因として作用しかねない」と話している。
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