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【コラム】韓国政府、「台湾方程式」解く精巧な外交解決策に没頭しなくては(1)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
国際舞台である国の権力が急速に上昇すれば周辺国は警戒心を持つようになる。上昇国がそうした周辺国を安心させられなければ恐れを感じた周辺国は互いに連合して上昇国を包囲牽制する。これは再び上昇国の不安感を刺激し上昇国と周辺国の間で緊張はさらに高まる。そうした安全保障のジレンマ状況で偶発事故が発生すれば連鎖反応を起こして大きな戦争として爆発したりした。第1次世界大戦前の欧州がそうだった。

1871年の統一後にドイツの国力が急速に上昇すると周辺国はドイツを警戒し始めた。こうした情勢を見抜き謙虚な姿勢の外交で周辺国を安心させてドイツを対象に連合できないようにし20年間静かに実力を育てた政治家がビスマルク宰相だった。彼はオーストリア・ハンガリー帝国、ロシア、イタリアなどとともに同盟のネットワークを作り、宿敵であるフランスを牽制して平和を維持した。

ところが新たに登場した若き王ウィルヘルム2世は成長したドイツの力を誇示して高圧的外交を繰り広げた。そして1890年にビスマルクを解雇しロシアをドイツに結びつけていた再保障条約の延長を拒否してしまった。ドイツから離れたロシアはドイツの宿敵であるフランス、そしてその次に英国に接近し、結局3カ国がひとつになって反独連合戦線を形成した。欧州政治はドイツとオーストリア・ハンガリー帝国陣営と英仏露陣営に二極化して緊張が高まり、1914年6月にオーストリア皇太子がセルビアで暗殺されると連鎖反応を起こして爆発した。それが第1次世界大戦だ。


現在の国際情勢が第1次世界大戦以前の状況と似てきている感じだ。習近平国家主席の登場後、中国は攻勢外交に転換した。中国の大復興を成し遂げようとしながら中国夢を掲げ、中国夢の核心目標として台湾統一を自身の任期内に完成すると明らかにした。一帯一路を通じてユーラシアを中国中心に統合し、中東とアフリカ、中南米に勢力を拡張し、太平洋進出に向け南シナ海の領有権を主張して出た。この過程で米国、ベトナム、マレーシア、フィリピンなどと衝突し、不安感が大きくなった日本が米国にさらに密着するようにさせた。香港での民主化運動を武力鎮圧してトウ小平以来の中国・台湾間の平和共存の基盤になった一国二制度政策が廃棄され、台湾人の気持ちも中国から遠ざかった。

一方、米国では1970年代初めから試みてきた対中包容政策が失敗したという結論に到達した。米国が数十年尽力したのに中国は民主化ではなく権威主義を強化して米国に対抗し始めたということだ。2017年のトランプ大統領の登場後に始まった対中対決政策はバイデン大統領によってむしろさらに強化され体系化された。その後民主党と共和党の間ではだれがさらに中国を強く押さえつけるかの競争が広がっているようだ。しかも今年末の中間選挙と2年後の大統領選挙がかかっている状況でだれも中国に弱く見られてはならないというかのように中国叩き競争が深刻化している。そうした全般的な雰囲気に対し節制すべきという対中穏健論は包容政策の主導者だったキッシンジャー博士などから出ているが、特に影響を及ぼせずにいる。


【コラム】韓国政府、「台湾方程式」解く精巧な外交解決策に没頭しなくては(2)

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