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韓国、この不況に「就業者2834万」で最大…成長なき雇用に不安

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
4-6月期の韓国の就業者数と雇用率が過去最大を記録した。景気低迷と高物価に苦しめられるが、雇用は「豊作」となる異例の現象が起きている。いわゆる「成長なき雇用」だ。2年間続いた大規模金融緩和と社会的距離確保の解除にともなう対面活動増加が原因に挙げられる。

統計庁が8日に明らかにしたところによると、4-6月期の就業者数は前年同期より3.2%増加した2834万7000人だった。関連統計を集計し始めた1999年7-9月期以降で最大だ。雇用率と失業率も歴代級だ。4-6月期の雇用率は62.7%でこれまで最高だった2019年7-9月期の61.5%を1.2ポイント上回った。失業率は3.0%で4-6月期基準では最も低い数値だ。これら雇用指標は昨年4-6月期から改善傾向が続いている。

これに対し韓国の国内総生産(GDP)成長率は昨年1-3月期に前四半期比1.7%を記録してから明確に鈍化している。一般的に経済成長が鈍化すれば雇用が衝撃を受けるのが一般的だが、最近では全く異なる流れが現れている格好だ。


◇米国でも「成長なき雇用」

米国でも同様の現象が広がっている。米国の1-3月期と4-6月期成長率は連続でマイナスを記録した。これに対し失業率は50年来の低水準となる3.6%を6月まで4カ月連続で維持した。先月の失業率はさらに0.1ポイント下落した3.5%だった。これに対してサムスン証券のホ・ジンウク首席エコノミストは「2007~2008年の金融危機以降の景気回復過程では『雇用なき景気回復』が現れた。これに対し現在は景気の鈍化・沈滞にも雇用が大きく損われない異例の『雇用が豊富な景気下降』が現れる可能性があることを示唆する」と説明した。

原因には大きく2種類が挙げられる。過去の危機時と違いコロナ禍直後に前例のない財政投入を通じ雇用の空白を埋めた。「税金バイト」という批判を受けた各種短期雇用が代表的だ。その後経済が正常化していく過程で雇用需要が急増し、労働供給が需要に追いつかずにいる。

延世(ヨンセ)大学経済学部の成太胤(ソン・テユン)教授は「配達ライダーのように産業構造変化によって新しい形態の非対面雇用が増え、最近では消費回復により対面雇用も増加している。コロナ禍克服に向け放出した莫大な流動性もまだ雇用市場に影響を及ぼしている」と分析した。

だが韓国の「成長なき雇用」がこの先も続くかに対しては疑問符がつく。雇用指標は景気の流れと時差を置いて動く代表的な景気後行指標である点からだ。最近の景気低迷と緊縮政策の速度があまりに速いため、まだ雇用市場にまともに反映されていないということだ。

雇用の質が悪化した点も今後の雇用指標を悪化させる要因に挙げられる。安定した良質の雇用に選ばれる製造業の雇用は減少傾向で、政府の金融緩和に依存する保健福祉・公共行政雇用が大きく膨らんだ。60歳以上の高齢層の就業者数増加幅が半分以上を占めており、経済の柱である30~40代の就業者数増加傾向は小幅にすぎない。成教授は「非対面産業への転換にともなう生産性増大は限界があり、流動性の力も弱まる傾向。ここに最近行われた賃金引き上げは企業の立場では労働需要を減少させる要因のため雇用好況が続くのは難しそうだ」と予想した。

◇10-12月期から雇用鈍化の可能性

企画財政部も10-12月期から就業者増加幅が鈍化する可能性が大きいとみている。1~2月に雇用沈滞解消に向け直接雇用採用を大規模に実施したが労働期間が5~11カ月のため雇用鈍化要因として作用しかねないということだ。年間就業者数増加幅も今年の60万人から来年は15万人に減ると予想した。

高麗(コリョ)大学経済学科のカン・ソンジン教授は「発表される雇用指標と企業の実際の雇用状況とは乖離があり、前年比のベース効果などを考慮すれば現在のような雇用水準を維持するのは難しいだろう。政府としては主要企業が最近発表した投資・雇用計画が実現されるよう道を開き、グローバルスタンダードに合致するよう労働改革と規制緩和を推進すべき」と助言した。



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