「習近平中国国家主席はペロシ氏の台湾訪問を無視する機会を逃し自らを窮地に追い詰めた」(フィナンシャル・タイムズ)
「台湾を救うカギは中国に『対立は利益より代償がはるかに大きい』というロシアのウクライナ侵攻の教訓を伝えることだ」(ニューヨーク・タイムズ)
ペロシ米下院議長の台湾訪問を契機に米中の緊張が最高潮に達したのは習近平中国国家主席の判断ミスのためであり、ペロシ議長が台湾を訪れた以上、台湾を保護するためには米国が中国にさらに強力なメッセージを送らなければならないという英米メディアの分析が出てきた。
◇「中国の過敏反応がペロシ氏の台湾訪問に歴史的意味付与」
フィナンシャル・タイムズのトム・ミッチェル北京支局長は2日のコラムで「習近平はペロシの台湾訪問を特別な行動ではないとしてやり過ごす機会を逃した」と指摘した。
彼は「中国政府はペロシ議長を任期がいくらも残っていない『レイムダック議長』と無視したり、人気がない大統領(バイデン)の協力者と見なすことができたが、むしろ1995年の李登輝台湾総統(当時)の米国訪問よりも大きな歴史的意味を吹き込んだ」とした。
中国がペロシ議長の台湾行きを低評価して大した問題ではないとやり過ごすべきだったのに、過度に過敏な反応はむしろペロシ氏の訪問に意味を付与し、国際社会の耳目を集中させたという意味だ。
中国はペロシ氏の台湾行きをめぐり、軍事・外交・経済全般にわたって反撃している。4日から台湾を包囲する形の実弾射撃訓練を予告するなど軍事的緊張レベルを高めている。また、2日夜にペロシ議長が台湾に到着した直後にバーンズ駐中米大使を召致して「(ペロシ氏の訪問が)悪辣だ」として強く抗議した。
◇FT「ウクライナ戦争、中国に教訓」
習近平主席も先月28日のバイデン米大統領との電話会談で直接「火遊びをすれば焼け死ぬ」としてペロシ議長の台湾行きを狙ったような発言をしている。
中国のこうした敏感な反応は特に習主席の3期目続投を確定する10月の中国共産党第20回党大会を控え退かないリーダーシップを見せるためのものという分析が出ている。
ミッチェル氏は「現在の中国の軍事力は27年前の台湾海峡危機の時よりはるかに強力だ。しかし最も強力なライバル(米国)を相手に軍事力をテストする準備ができているのか」と反問した。
続けて中国と台湾の状況をロシアとウクライナの戦争に例えた。「習主席は台湾占領を夢見るが、ロシアのウクライナ侵攻は軍事力が強い国が相対的に弱い国を打ち負かすのがとても難しいこともあるということを見せる。習主席は台湾問題において自身を窮地に追い詰めた」と主張した。
◇米議員着実に台湾訪問…当時は中国反発せず
ニューヨーク・タイムズのコラムニスト、ブレット・スティーブンス氏は同日「この数十年間米国の国会議員は台湾を訪問してきたがどの訪問も危機を誘発しなかった」と指摘した。しかし中国は自国の力が大きくなり、相対的に米国の力が弱くなるのを感知して「新しい戦略」を立てたと指摘した。彼が話す新しい戦略とは、根拠のない主張とさらに積極的な措置などだ。
スティーブンス氏は1997年に当時のギングリッチ米下院議長が台湾を訪問した時に中国が反発しなかった状況を紹介した。当時台湾行きに先立ち北京を訪れたギングリッチ氏は「もし台湾が中国に攻撃されるならば、米国が軍事的に防衛するだろうと警告した」と明らかにした。
続けてギングリッチ議長はこのように話した。「それでもわれわれ(米国と中国)は決して言い合わなかった。中国は『米国はそんな権利がない。それは干渉だ』と言わず、『いいです。わかりました』と言った」。
◇NYT「台湾救うカギは対中強硬策」
彼は「ペロシ氏の訪問で中国がメンツをつぶされた点を考慮すると、露骨な戦争の危険は甘受せずとも脅威は高めさせると予想される」として米政府にこうした注文をした。
彼は最初に、来年には米議会代表団を毎週台湾に送って日常化させ中国政府が抗議する考えすら忘れさせるようにするよう主張した。
2番目に、バイデン大統領は何回も話してきた「中国の台湾侵略時の米国の軍事介入」を公式にもう一度言及すべきとした。その上で米国と台湾の秘密合同演習を拡大し、米海軍艦艇の台湾海峡通過回数を増やすよう注文した。
最後に、バイデン政権が軍備支出を増やす場合、超党派的支持を受けるだろうと強調した。
彼はこのような対中強硬策は「中国に対立の代償が利益よりはるかに大きいということを受け入れさせるとは思わない。ロシアのプーチン大統領は悲劇的な代償を払った後に学ぶかもしれないこの教訓を北京に伝達すべき。これが台湾を救うカギ」と主張した。
「台湾を救うカギは中国に『対立は利益より代償がはるかに大きい』というロシアのウクライナ侵攻の教訓を伝えることだ」(ニューヨーク・タイムズ)
ペロシ米下院議長の台湾訪問を契機に米中の緊張が最高潮に達したのは習近平中国国家主席の判断ミスのためであり、ペロシ議長が台湾を訪れた以上、台湾を保護するためには米国が中国にさらに強力なメッセージを送らなければならないという英米メディアの分析が出てきた。
◇「中国の過敏反応がペロシ氏の台湾訪問に歴史的意味付与」
フィナンシャル・タイムズのトム・ミッチェル北京支局長は2日のコラムで「習近平はペロシの台湾訪問を特別な行動ではないとしてやり過ごす機会を逃した」と指摘した。
彼は「中国政府はペロシ議長を任期がいくらも残っていない『レイムダック議長』と無視したり、人気がない大統領(バイデン)の協力者と見なすことができたが、むしろ1995年の李登輝台湾総統(当時)の米国訪問よりも大きな歴史的意味を吹き込んだ」とした。
中国がペロシ議長の台湾行きを低評価して大した問題ではないとやり過ごすべきだったのに、過度に過敏な反応はむしろペロシ氏の訪問に意味を付与し、国際社会の耳目を集中させたという意味だ。
中国はペロシ氏の台湾行きをめぐり、軍事・外交・経済全般にわたって反撃している。4日から台湾を包囲する形の実弾射撃訓練を予告するなど軍事的緊張レベルを高めている。また、2日夜にペロシ議長が台湾に到着した直後にバーンズ駐中米大使を召致して「(ペロシ氏の訪問が)悪辣だ」として強く抗議した。
◇FT「ウクライナ戦争、中国に教訓」
習近平主席も先月28日のバイデン米大統領との電話会談で直接「火遊びをすれば焼け死ぬ」としてペロシ議長の台湾行きを狙ったような発言をしている。
中国のこうした敏感な反応は特に習主席の3期目続投を確定する10月の中国共産党第20回党大会を控え退かないリーダーシップを見せるためのものという分析が出ている。
ミッチェル氏は「現在の中国の軍事力は27年前の台湾海峡危機の時よりはるかに強力だ。しかし最も強力なライバル(米国)を相手に軍事力をテストする準備ができているのか」と反問した。
続けて中国と台湾の状況をロシアとウクライナの戦争に例えた。「習主席は台湾占領を夢見るが、ロシアのウクライナ侵攻は軍事力が強い国が相対的に弱い国を打ち負かすのがとても難しいこともあるということを見せる。習主席は台湾問題において自身を窮地に追い詰めた」と主張した。
◇米議員着実に台湾訪問…当時は中国反発せず
ニューヨーク・タイムズのコラムニスト、ブレット・スティーブンス氏は同日「この数十年間米国の国会議員は台湾を訪問してきたがどの訪問も危機を誘発しなかった」と指摘した。しかし中国は自国の力が大きくなり、相対的に米国の力が弱くなるのを感知して「新しい戦略」を立てたと指摘した。彼が話す新しい戦略とは、根拠のない主張とさらに積極的な措置などだ。
スティーブンス氏は1997年に当時のギングリッチ米下院議長が台湾を訪問した時に中国が反発しなかった状況を紹介した。当時台湾行きに先立ち北京を訪れたギングリッチ氏は「もし台湾が中国に攻撃されるならば、米国が軍事的に防衛するだろうと警告した」と明らかにした。
続けてギングリッチ議長はこのように話した。「それでもわれわれ(米国と中国)は決して言い合わなかった。中国は『米国はそんな権利がない。それは干渉だ』と言わず、『いいです。わかりました』と言った」。
◇NYT「台湾救うカギは対中強硬策」
彼は「ペロシ氏の訪問で中国がメンツをつぶされた点を考慮すると、露骨な戦争の危険は甘受せずとも脅威は高めさせると予想される」として米政府にこうした注文をした。
彼は最初に、来年には米議会代表団を毎週台湾に送って日常化させ中国政府が抗議する考えすら忘れさせるようにするよう主張した。
2番目に、バイデン大統領は何回も話してきた「中国の台湾侵略時の米国の軍事介入」を公式にもう一度言及すべきとした。その上で米国と台湾の秘密合同演習を拡大し、米海軍艦艇の台湾海峡通過回数を増やすよう注文した。
最後に、バイデン政権が軍備支出を増やす場合、超党派的支持を受けるだろうと強調した。
彼はこのような対中強硬策は「中国に対立の代償が利益よりはるかに大きいということを受け入れさせるとは思わない。ロシアのプーチン大統領は悲劇的な代償を払った後に学ぶかもしれないこの教訓を北京に伝達すべき。これが台湾を救うカギ」と主張した。
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