韓国の7月貿易収支が46億7000万ドルの赤字となり4カ月連続で赤字になったことがわかった。4カ月連続貿易赤字は2008年の金融危機から14年ぶりだ。産業通商資源部は1日、こうした内容の7月の輸出入統計を発表した。この日午前、釜山神仙台埠頭(下)と戡蛮埠頭でコンテナ荷役作業が進行している。ソン・ボングン記者
1~7月の累積貿易赤字は150億2500万ドルで関連統計を作成し始めた1956年以降で最大だった。米国など主要国が金利を急激に引き上げ景気低迷が可視化しており、今後輸出が鈍化する可能性が大きい。1997年の通貨危機当時のように財政赤字と経常赤字が同時に現れる「双子の赤字」が懸念される。
対中貿易収支が1992年から30年ぶりに3カ月連続で赤字を出したのも目につく。新型コロナウイルスを防ぐため中国の大都市が封鎖されたせいではあるが中国は依然として韓国の最大貿易相手国という点で気になる部分だ。
韓国政府はエネルギー輸入が多い日本、ドイツ、フランスなども貿易赤字だと説明するが、2度の通貨危機を体験した韓国としは決して安心することではない。貿易赤字が貯まればウォン安圧力として作用し、外国為替当局がウォンの過度な下落を防ぐため市場に介入する過程で外貨準備高が減る。外貨準備高は昨年10月に4692億ドルで過去最高を記録した後、外国為替市場介入などの影響で現在では4383億ドルまで減った。国際通貨基金(IMF)が提示する韓国の外貨準備高の適正範囲である4680億~7021億ドルを下回る。
もちろんIMFのものさしは必ず守らなければならない金科玉条ではない。外貨準備高世界1位である中国もIMFの基準に大きく満たない。韓国の対外債務には長期債務が多く、2015年以降は対外金融資産が対外債務より多い純債権国になっただけに大きく心配することではないという反論もある。民間の対外純資産が多ければウォンが大きく下落する時に海外株式などに投資したドル資金が韓国に流入し為替相場を安定させる効果がある。
だが基調的な貿易赤字や外貨準備高減少は市場が揺れる時に金融市場参加者が注意深く観察する変数という点からしっかり管理する必要がある。小規模開放経済である韓国は対外信用度を常に念頭に置くほかない。
結局、貿易収支赤字がエネルギー輸入額急増にともなう一時的現象である可能性が大きいといっても手をこまねいていてはならない。韓国政府は今月発表する総合輸出対策に輸出金融拡大とサプライチェーン多角化をはじめとする輸出現場の困難を解決する実質的な内容を盛り込まなければならない。
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