先月29日午後、忠清南道(チュンチョンナムド)にある保健所選別診療所で市民を対象にした新型コロナ検査が行われている。[写真 フリーランサーのキム・ソンテ]
コンビニエンスストアを運営するキムさん(32)は今年3月に熱が39度を行ったり来たりする状態で店頭に出て仕事をした。自己診断キットの赤線2本を確認していたが、キムさんは「妻も感染した状態ですぐに店番を引き受けてくれる人を探すことができなかった」とし「生きていかなくてはならないので仕方なかった」と話した。
せきや発熱など新型コロナの症状が明らかであるにもかかわらず、医療機関で診断を受けないまま日常生活を続ける「隠れ感染者」が第6波の震央として注目を集めている。治療費や隔離期間の支援などが減り、生計維持のために仕事を休むことができない人々が随所で確認されている。
◆「検査避ける『隠れ感染者』だけでも10万人はいる」
疾病管理庁中央防疫対策本部は26日0時基準で新型コロナの一日新規感染者が9万9327人であることを発表した。4月20日11万1291人以降10万人以下に落ちた後、5022人(6月6日)まで落ち着いていた新規感染者数が約3カ月ぶりに再び10万人に肉迫した。梨大木洞病院呼吸器内科のチョン・ウンミ教授は「実際の感染者は中央対策本部発表数値の2倍である20万人ほどになるものとみられる」とし「自己診断キット陽性でも症状が弱く治療を受けるところがないという考えで検査を受けない人々が多い」と分析した。
◆感染者支援縮小に…「症状なければ検査しない」
感染者に対する支援が減ったことも隠れ感染者が増加する背景として作用している。所得水準と関係なく全国民に支給されていた隔離期間生活支援費〔2人以上の世帯1日15万ウォン(約1万5700円)〕は今月11日から1世帯当たりの所得が基準中位所得100%以下の世帯に限定して支給されている。すべての中小企業に支援していた隔離期間有給休暇費も30人未満の事業場に支援対象が縮小された。在宅治療費用支援も中断され、本人負担が増えた。
100人以上の中小企業に通うチェさん(38)は本人を除く家族全員が感染したが、無症状を理由に検査を受けていない。チェさんは「上半期にコロナ公暇もなくなり、休むには年次(休暇)を使わなければならない」とし「夏期休暇をすでに使い、年次を使うのも周囲の目が気になるので感染しなかったと信じて出勤している」と話した。
「無症状者」には高い検査費用も感染疑い者が沈黙する一因となっている。病院・医院で行う迅速抗原検査は有症状時は5000ウォンほど出せば受けることができるが、無症状なら有症状のときの数倍の検査費を要求される場合が多い。病院・医院によって検査費もまちまちだ。ソウル鍾路区(チョンノグ)に位置したある耳鼻咽喉科は5万ウォン、ソウル陽川区(ヤンチョング)に位置する内科は3万ウォンなどのような感じだ。
韓国、コロナ支援金減ると検査キット「赤線2本」出てきても出勤…「隠れ感染者10万人」(2)
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