今年に入り70カ国ほどの中央銀行が金利を引き上げた。このうち55の中央銀行は0.5%以上金利を上げた。韓国銀行は13日に基準金利を0.5%引き上げ、欧州中央銀行(ECB)も21日に11年ぶりに政策金利を0.5%上げた。
2020年にコロナ禍に対応するため各国の中央銀行は大幅な金利引き下げを断行したが、いまはインフレに対応するために相次いで利上げ基調に転じている。一言で高金利時代が展開しており、この余波で強ドル時代が到来した。これにより韓国は対内と対外、二重の苦しみに直面している。
高金利・ドル高経済はわれわれにさまざまな疑問を提起させる。各国の中央銀行は高金利政策でインフレを安定させることができるだろうか。物価安定を回復するための経済的過程は何か。ドル高は世界経済にどんな作用をするのか。韓国経済はどのように高金利・ドル高時代を克服するだろうか。
◇物価上昇心理がさらに拡散
金利はあらゆる資産の未来の収入の流れを現在の価値で換算する割引率で、家計の消費と資産構成、企業の投資など経済活動全般にわたる意志決定の最も重要な基準だ。金利引き上げは未来の消費に対して相対的に現在の消費を高くする。その結果消費支出を萎縮させ、企業には投資から発生する未来収益の現在の価値を減少させることにより投資を萎縮させる。一方高金利への基調転換は資産市場で豊富な流動性祭りが終わるだけでなく価格のバブルが消え、続いて冷たい風が吹いてくることを示唆する。
しかし米国のインフレの原因のうち需要側の要因は3分の1にすぎず、3分の2はエネルギー価格の衝撃とサプライチェーン不安など需要と関係のない要因と現れた。韓国の消費者物価上昇率で海外要因の寄与率は56%に達する。それでもなぜ中央銀行は金利引き上げでインフレを抑えようとするのか。
インフレの原因がどこにあろうが現在の様相をそのまま放置するならば市場参加者の期待インフレは上昇・拡散し、従来はすべての商品の価格が互いに上昇をあおるいわゆる「自己実現的インフレ」が発生するリスクが大きくなる。このような期待インフレの上昇による事態の悪化を先制的に遮断するために中央銀行は金利引き上げと金融緊縮で対応する。
韓国の消費者物価上昇率は6月に6.0%と、1998年11月の6.8%以来の高水準を示し、2020年10月から20カ月連続で上昇しただけでなく、5%以上上がった品目が50%に迫り、すでに物価上昇心理が広範囲に広がっている。
◇韓米間の金利逆転、深刻ではない
ならば利上げ基調はいつまで続くだろうか。先月発表された米連邦準備制度理事会(FRB)の政策報告書によると、FRB委員の平均予想政策金利は今年末が3.4%、2023年末が3.8%、2024年末が3.4%と現れた。7月20日現在のFRBの実効政策金利は1.58%のため、連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる26~27日に0.75%引き上げる場合には2.33%を記録することになり、年末までに1%の追加引き上げが断行される可能性がある。
来年にまた0.5%引き上げるなら3.8%に達し、インフレ安定目標を達成して、2024年から金利引き下げに転換すると予想することができる。このようなFRBの見通しを前提とするならば、韓国の高金利も来年末まで続く可能性が高い。しかし予想よりインフレが早期に安定したり、景気後退が早く現れるならば、利上げ速度は緩和もしくは中断され、利下げに基調が転換するかもしれない。
【コラム】世界を襲う利上げ、2024年には止まるか…韓国経済はどう克服するのか(2)
2020年にコロナ禍に対応するため各国の中央銀行は大幅な金利引き下げを断行したが、いまはインフレに対応するために相次いで利上げ基調に転じている。一言で高金利時代が展開しており、この余波で強ドル時代が到来した。これにより韓国は対内と対外、二重の苦しみに直面している。
高金利・ドル高経済はわれわれにさまざまな疑問を提起させる。各国の中央銀行は高金利政策でインフレを安定させることができるだろうか。物価安定を回復するための経済的過程は何か。ドル高は世界経済にどんな作用をするのか。韓国経済はどのように高金利・ドル高時代を克服するだろうか。
◇物価上昇心理がさらに拡散
金利はあらゆる資産の未来の収入の流れを現在の価値で換算する割引率で、家計の消費と資産構成、企業の投資など経済活動全般にわたる意志決定の最も重要な基準だ。金利引き上げは未来の消費に対して相対的に現在の消費を高くする。その結果消費支出を萎縮させ、企業には投資から発生する未来収益の現在の価値を減少させることにより投資を萎縮させる。一方高金利への基調転換は資産市場で豊富な流動性祭りが終わるだけでなく価格のバブルが消え、続いて冷たい風が吹いてくることを示唆する。
しかし米国のインフレの原因のうち需要側の要因は3分の1にすぎず、3分の2はエネルギー価格の衝撃とサプライチェーン不安など需要と関係のない要因と現れた。韓国の消費者物価上昇率で海外要因の寄与率は56%に達する。それでもなぜ中央銀行は金利引き上げでインフレを抑えようとするのか。
インフレの原因がどこにあろうが現在の様相をそのまま放置するならば市場参加者の期待インフレは上昇・拡散し、従来はすべての商品の価格が互いに上昇をあおるいわゆる「自己実現的インフレ」が発生するリスクが大きくなる。このような期待インフレの上昇による事態の悪化を先制的に遮断するために中央銀行は金利引き上げと金融緊縮で対応する。
韓国の消費者物価上昇率は6月に6.0%と、1998年11月の6.8%以来の高水準を示し、2020年10月から20カ月連続で上昇しただけでなく、5%以上上がった品目が50%に迫り、すでに物価上昇心理が広範囲に広がっている。
◇韓米間の金利逆転、深刻ではない
ならば利上げ基調はいつまで続くだろうか。先月発表された米連邦準備制度理事会(FRB)の政策報告書によると、FRB委員の平均予想政策金利は今年末が3.4%、2023年末が3.8%、2024年末が3.4%と現れた。7月20日現在のFRBの実効政策金利は1.58%のため、連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる26~27日に0.75%引き上げる場合には2.33%を記録することになり、年末までに1%の追加引き上げが断行される可能性がある。
来年にまた0.5%引き上げるなら3.8%に達し、インフレ安定目標を達成して、2024年から金利引き下げに転換すると予想することができる。このようなFRBの見通しを前提とするならば、韓国の高金利も来年末まで続く可能性が高い。しかし予想よりインフレが早期に安定したり、景気後退が早く現れるならば、利上げ速度は緩和もしくは中断され、利下げに基調が転換するかもしれない。
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