中国ではインターネット生放送中の元妻にガソリンをかけて死亡させた元夫の公開死刑執行が２３日に行われた。

２０２０年９月、動画プラットフォーム「抖音」で被害者ラムさんは元夫がつけた火によって命を失った。ラムさんはフォロワー数十万人を抱え、山の中の採集活動や料理などを紹介する中国有数のインフルエンサーだった。片手に凶器を持って現れた元夫は家中にガソリンをまいて火をつけた。事件直後に警察に逮捕された元夫は「被害者が再結合を拒否し続けたので殺した」と主張した。

当時、この事件は被害者ラムさんが生放送中だったので、約２０万人のフォロワーがリアルタイムで目撃することになった。事件直後、ラムさんのファンは数時間のうちに１００万人民元（現レートで約２０１９万円）の病院費を集めて被害者の回復を祈ったが、事件から１６日後、ラムさんは懸命の治療も虚しく息を引き取った。


中国当局は容疑者とみられるラムさんの元夫を捕まえて昨年１０月ごろ最終審で死刑判決を確定した。裁判部は事件発生から１年１０カ月後となる２３日午前、公開死刑執行を行った。

死刑執行を管轄した四川省アバ・チベット族自治区のアバ州中級裁判所は「死刑執行直前、被疑者タンと彼の家族の間の面談を斡旋（あっせん）するなど、被疑者の合法的な権利を十分に保障した」としながら「死刑執行の全過程は人民検察院の監督の下で実行した」と説明した。