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韓国20代男性の53% 「キスは性関係に同意したこと」…大学の性暴力が危険レベル(1)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
大学院生のクァクさんは3年前、大学のサークル室で隠しカメラによる被害を経験した。しかし隠しカメラが発見されても加害者は見つからず、学校でも公論化されずにうやむやになった。大学在学中にこうした事件が3、4回続いたが、特に変化はなかった。クァクさんは「この事件のために今でも更衣室や公衆トイレの利用を避け、大学院進学時にも男女共学ではなく女子大を選んだ」とし「学校という空間は安全だと認識していたが、実際には高校まで抑えられていた性的欲求が自由奔放に噴出するところ」と話した。隠しカメラやセクハラの危険ため周辺の友人も「図書館や休憩室で絶対に眠ってはいけない」と警告するという。

◆隠しカメラが心配、公衆トイレの利用避ける

最近、仁荷(インハ)大性暴力死亡事件をきっかけに「安全なキャンパス」への疑問が強まっている。仁川(インチョン)弥鄒忽(ミチュホル)警察署は22日、加害男子学生A(20)を準強姦致死などの疑いで仁川地検に送検した。Aは15日午前2時ごろ、仁荷大キャンパスで同級生の女性B(20)に性的暴行を加えた後、3階から転落して死亡させた疑いを受けている。警察はAが故意にBを転落させた証拠を確保できず、殺人罪でなく致死罪を適用した。しかし警察はAの携帯電話から犯行当時に撮影した映像を確保した後、「違法撮影」容疑を追加で適用した。この映像には犯行の場面はなく、音声だけが録音されていたという。AはBが転落した後、Bの服を校内の別の場所に捨てて下宿の部屋に逃げ、当日午後に警察に逮捕された。Bは1時間半ほど建物の前に放置され、当日午前3時50分ごろ通行者に発見されて病院に運ばれたが、午前7時ごろ死亡した。


2018年に#MeToo(ミートゥー)運動が本格化し、韓国社会の性認知感受性(gender sensitivity)は高まっている。しかし上の世代より開放された性文化に慣れ、性教育も受けてきた若い世代でセクハラ・性暴力事件が絶えない。教育部と国民の力の鄭燦敏(チョン・チャンミン)議員室によると、大学内のセクハラ・性暴力事件は2016年の182件から2019年には346件に増えた。新型コロナで学校が閉鎖された2020年にも1月から7月まで94件が発生した。加害者も教授・教職員より学生の比率が高い。2018年に韓国放送通信大のキム・エリム法学科教授が1994年から2018年まで法的紛争につながった大学内のセクハラ・性暴力事例を分析した結果、270件のうち90%は加害者が男性教授だった。一方、過去6年間に発生した1206件では学生が加害者である事例が62%(748件)にのぼった。

実際、昨年8月には韓国航空大で4人の男子学生が6カ月間、チャットルームで女子学生と教職員を対象にしたセクハラ発言をした。男子学生らは女子学生や女性教授の名前に言及しながら「今すぐ体を撮ってディープフェイク(人のイメージを合成すること)」「下着を脱がすのも可能」などの対話をした。被害者は「同じ授業を受けているという理由だけで性的対象化された」とし「評価や嘲弄だけでなく具体的な犯罪計画も含まれていてぞっとする」と語った。2019年に清州教大では、男子学生5人がチャットルームで同期の女子学生の写真を載せながら容貌をけなし、セクハラ発言をしたという告発があった。

大学キャンパスでセクハラ・性暴力が絶えないのは20代の男女の性認知感受性レベルの差が大きいからだ。特に20代男性の性認知感受性は他の世代の男性に比べて低かった。韓国女性政策研究院は2020年、性暴力予防教育を受講した公共機関の従事者2007人を対象に「酒に酔って意識がない人と性関係を持つのは性犯罪だ」という項目に同意するかどうかを尋ねた。女性の96.1%、男性の94.1%が同意すると答えた。しかし20代に限定すると、女性の同意率は99.1%で全年齢帯の女性のうち最も高かった半面、男性の同意率は86.8%と、全体世代の男性のうち最も低かった。

これだけではない。「深夜に女性が男性を家に入った場合、性関係に同意したことだ」という項目に20代の男性の27.4%、女性の9.3%が「そうだ」と答えた。「男女がキスと愛撫をした場合、性関係に同意したことだ」という項目でも20代の男性の半分以上(52.7%)が「そうだ」と答えた。女性は19.4%だけが同意した。全年齢帯で20代の男性の同意率が最も高く、20代の女性の同意率が最も低かった。20代の男性は相手の意思を明確に把握できなくても与えられた状況を「暗黙的同意」と受け止める傾向が強いということだ。

専門家らは今の20代は性教育も多く受けたが、歪んだ性文化にも多く接した世代と診断した。幸福な性文化センター代表のペ・ジョンウォン世宗大兼任教授は「インターネットでポルノなど刺激的で歪んだ内容に接して、性的同意や自己決定権に対する認識が不足する」とし「異性に対する態度や価値判断の訓練が十分にできていないために問題が発生する」と説明した。順天郷大のオ・ユンソン警察行政学科教授も「仁荷大の性暴力加害者も性犯罪の前科がなく、家庭環境も良好だった」とし「オンラインで扇情的なコンテンツなどに接して歪んだ性観念を抱いた可能性が高い」と話した。


韓国20代男性の53% 「キスは性関係に同意したこと」…大学の性暴力が危険レベル(2)

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