韓国政府が半導体企業の投資を増やすためインフラ・税制支援を大幅に拡大する。半導体産業の核心の人材は規制改善や官民協力などで迅速に育成する。「選択と集中」式の支援でシステム半導体先導技術の確保と素材・部品・装備生態系の自立も進める。

李昌洋（イ・チャンヤン）産業通商資源部長官は２１日、京畿道華城（ファソン）の半導体素材企業の東進セミケム発安工場を訪問し、「半導体超強大国達成戦略」を発表した。政府は５－６月に業界の建議や意見を受け、関係部処合同半導体戦略を用意したと明らかにした。産業部が先週、尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領に報告した新政権の政策方向に含まれた主要業種別戦略発表の始まりということだ。国内産業の未来事業である半導体育成の核心は▼投資▼人材▼システム半導体▼素材・部品・装備－－の支援だ。


◆産業団地の許認可を迅速に、税額控除を拡大


政府がこのように半導体総合戦略を出したのは、世界的に半導体覇権戦争が本格化する中、韓国の半導体産業の生態系基盤が脆弱だという現実認識のためと分析される。

投資の場合、競合国と比較して補助金や税制支援など投資インセンティブが不足し、半導体を国内で製造する誘因が不足するというのが政府の判断だ。米国は半導体施設と研究開発（Ｒ＆Ｄ）投資に５年間で５２０億ドル（約７兆１６００億円））を支援する法案を議論中で、ＥＵは２０３０年までに公共・民間投資に４３０億ユーロ（約５兆９０００億円）を支援することを検討している。日本は半導体先端企業支援のために今年７７４０億円規模の補正予算を緊急編成した。

韓国政府はまず半導体企業を積極的に支援し、２０２６年までに３４０兆ウォン（約３５兆８５００億円）以上の投資を達成するという目標を掲げた。大規模な新設・増設が進行中の京畿道平沢（ピョンテク）、龍仁（ヨンイン）半導体団地の電力や用水など必須インフラ構築費用には国費支援を検討する。半導体団地の容積率は最大１．４倍（３５０％→４９０％）に拡大する。クリーンルーム（微細工程の条件を制御する空間）の個数が平沢・龍仁でそれぞれ６個、３個ずつ増え、９０００人の雇用増加効果があるとみられる。

大企業の設備投資に対する税制支援も増やす。税額控除比率を従来の６－１０％から２％ずつ引き上げて８－１２％とする。これは中堅企業と同じ水準だ。また日本の輸出規制品目のＲ＆Ｄ（研究・開発）に認めている特別延長勤労制（週最大６４時間）を９月から半導体Ｒ＆Ｄ全体に拡大する。

また自治体の厳しい許認可手続きと過度な規制による投資遅延事例も頻繁に発生しているという業界の指摘も勘案した。政府は国家先端戦略産業特別法の改正を通じて、半導体産業団地造成時には重大・明白な理由がなければ許認可の迅速処理を義務づける。産業団地誘致による利益を隣接自治体が共有するよう広域団体長の特別調整交付金を活用する案も積極的に推進する計画だ。

◆産学協力の主導で専門人材を迅速育成

半導体産業を主導する人材も大幅に拡充する。韓国半導体産業協会によると、昨年１７万７０００人だった半導体産業の人材は２０３１年には３０万４０００人にまで増える見込みだ。１０年間に１２万７０００人が必要であるため、政府は１５万人以上を育成するという計画を立てた。

教育部が１９日に発表したように大学内の半導体人材養成機能が長期的に強化される。産業部は来年、半導体特性化大学院を新規で指定し、教授の人件費、資機材、Ｒ＆Ｄなどを集中支援する。２年間の半導体複数専攻・副専攻課程も今年から３０校が運営する。

この日の発表では産業界が参加する産学協力に焦点が合わされた。大学から人材が追加で輩出される前の「空白期」に急いで必要な人材を養成するということだ。このためサムスン電子・ＳＫハイニックスなど半導体業界と産業部は産学協力ＭＯＵ（了解覚書）も締結した。

民間業界が主導する「半導体アカデミー」を年内に設立し、来年から各専門教育を実施し、５年間に３６００人以上の現場人材を育成する。産業部の関係者は「半導体アカデミーが一種のコントロールタワーとして（半導体）産業界人材管理役割をすると期待する」と述べた。

官民共同で１０年間に３５００億ウォンのＲ＆Ｄ資金を準備して優秀修士・博士人材を育成する「韓国型ＳＲＣ」も運営する。ＳＲＣは米国の官民半導体研究コンソーシアムを意味する。半導体企業が寄贈した遊休・中古装備は教育・研究現場に積極的に投入する。中小・中堅の素材・部品・装備企業の労働力難解消のために素材・部品・装備契約学科も設立する。


尹錫悦政権　「半導体超強大国達成戦略」を発表（２）