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【コラム】脱北者を送り返した板門店の野蛮(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

統一部が12日に公開した脱北漁民の強制送還場面。文在寅(ムン・ジェイン)政権が亡命の意思を明らかにした脱北漁民2人を2019年11月7日、板門店(パンムンジョム)で強制的に北朝鮮軍に引き渡している。脱北漁民は板門店の軍事境界線を越えようとせず、北朝鮮軍は脱北漁民を北朝鮮側に引いていて、韓国政府当局者は北朝鮮側に押している。統一部はこのような送還場面が入った写真10枚を公開した。 [統一部]

奇しくも船上殺人容疑は人権弁護士の文在寅(ムン・ジェイン)が「加害者も同胞として暖かく抱きかかえなければならない」という論理で弁護し、殺人犯を死刑から無期懲役に減刑させた「ペスカマー号事件」(1996年)と似ている。船長の苛酷行為に不満を抱いた朝鮮族6人が韓国人6人など11人を操舵室に1人ずつ呼び出し凄惨に殺した事件だ。19歳の実習生も犠牲になった。この船は260トン級大型漁船だ。

鄭元室長は昨年の討論会で「NSC常任委次元の討論を十分に経た」として大統領には報告しなかったと述べた。大統領はNSC議長であり納得はできないが、彼の話を信じなければ話にならない。報告を受けたとすれば当然「加害者も同胞として抱きかかえなければならない」として強制送還してはならないと言ったのではないのか。しかも朝鮮族より近い北朝鮮同胞だ。

脱北者は憲法上韓国国民だ。そうでなくても無罪推定の原則と司法手続きにより捜査すべきだ。もし凶悪犯だとしても拷問や殺害の危険性がある所に送還してはならない(国連国際難民規約)。それが法治・民主国の常識だ。特にアイデンティティを「進歩」に置く政権ならば到底できない行為だった。北朝鮮は要求していないのに先に引き渡しの意志を打診し、猟奇的人権蹂躪の形でこっそりと送ろうとしたが見つかった。文政権の北朝鮮への没入とかみ合わさり「人身御供」の疑惑まで受けている。これがこの事件の本質だ。


文在寅大統領は「幻想的な」南北首脳会談を板門店で開いた。1年半後にその場で地団駄を踏む北朝鮮住民を強制的に北朝鮮に引き渡した。北朝鮮住民には「来たら送り返す」というメッセージだ。9・19軍事合意後、北方限界線(NLL)を南側に越えてくる小型木造船は尋ねることもせず北に追い出せとのマニュアルを適用したという話も聞かれる。対北朝鮮ビラ禁止法などとともに結果的に金正恩(キム・ジョンウン)体制がさらに強固になるよう助けた。民主主義と人権を休むことなく増進してきた大韓民国の名誉回復が必要だ。

キム・スジョン/論説委員


【コラム】脱北者を送り返した板門店の野蛮(1)

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