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強制徴用被害者「日本企業と直接交渉したい」…日本の態度変化は可能か

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

2018年11月、三菱重工業に強制徴用被害者への賠償を命じる大法院判決の直後に手を上げて歓呼する金性珠さん。金さんは三菱重工業が大法院判決に基づく賠償責任を履行しないことから、追加で現金化措置を申し立てており、早ければ8~9月にも大法院の最終決定を控えている。[中央フォト]

「強制動員問題は長時間被害者と加害企業が訴訟を行ってきた事案だ。被害者と日本企業が会って議論をすることが当然の道理だ」。

2018年の強制徴用大法院(最高裁)判決を勝訴に導いた法律代理人と被害者支援団は4日、強制徴用問題解決に向けた官民協議会最初の会議に先立ち記者会見を行いこうした立場を明らかにした。強制徴用被害者に賠償せよという最高裁判決を無視している日本製鉄(新日鉄住金)や三菱重工業など日本の戦犯企業と直接交渉して解決策を設けたいという趣旨だ。




◇現金化控えて「交渉」要請…「賠償は真の和解ではない」

2018年11月、三菱重工業を相手取った損害賠償訴訟で最終勝訴した梁錦徳(ヤン・クムドク)さんと金性珠(キム・ソンジュ)さんの場合、早ければ今秋にも賠償に向けたすべての法的手続きが終わる。日本企業の国内資産を賠償金として活用するための差し押さえ申し立てに続き、これを売却して現金化する大法院の決定を控えているからだ。それでも被害者側が日本企業との対話を要請したのは、十数年にわたる法的争いの目的が単に「お金」のためだけではないという意味と解釈される。

梁錦徳さんと金性珠さんを支援している勤労挺身隊市民会のイ・グクオン代表は「大法院判決趣旨に基づき日本企業の資産を強制売却して賠償を受ければ痛快なことと考えるかも知れないが、これは被害者の傷を癒し尊厳を回復する『真の和解』にはなれない。単純に賠償金をいつ受け取るのか、どれだけ受け取るのかよりは、日本企業が強制動員の事実を認めて謝罪の意向を表明し、被害者がこれを受け入れて心の荷を下ろす方式の解決策でなければならない」と話した。

◇日本「個別交渉賠償・和解するな」指針

事実2018年11月の大法院判決の被告だった三菱重工業の場合、過去に謝罪表明を含む解決策を設ける意志を見せたことがある。2010年11月には被害者側と解決に向けた初めての協議を行い、その後も2年間に合計16回の協議のテーブルが用意された。特に最終協議段階では謝罪文言をどのような表現で盛り込むのかに対する議論まで行き来したという。また、大法院判決後の2020年1月には三菱重工業本社を訪ねた梁錦徳さんと面談し意見を聴取した。

問題は日本政府の頑強な態度だ。日本側は大法院判決直後の2018年10月末に外務省や経済産業省など日本政府官庁が共同で説明会を開き、「1965年の韓日請求権協定ですべての賠償が終わっており一切の賠償と和解には応じないように」という趣旨の指針を下した。指針の対象は強制徴用被害者が提起した訴訟によって被告になった約70社の日本企業だった。韓国内では賠償問題が強制徴用被害者と日本企業間の民事訴訟の形で展開したが、日本はこれを国家対国家の問題と認識し直接ガイドラインを下した形だ。

こうした指針に従い日本企業は被害者との面談・協議に消極的態度で一貫した。日本製鉄が2018年11月と12月、2019年2月の3回にわたり被害者代理人団の面談要請を拒否した事例が代表的だ。これに対し被害者は裁判所に日本製鉄の韓国内資産を差し押さえ・現金化してほしいと申し立て、強制徴用問題の対立構図が次第に尖鋭化していった。

◇韓日の「外交的努力」前提にならなくては

結局日本政府のこうした指針が有効な状況では強制徴用被害者と日本企業間の交渉窓口を設けたとしても具体的な解決策を導出するのは難しい。官民協議会などを通じた国内意見取りまとめ手続きとは別個に日本の頑強な態度を転換させるための韓国の外交的努力が必要だという分析が出ている理由だ。

日本政府の態度変化が先行し、その後被害者と日本企業間の交渉窓口が設けられるならば解決策が用意される余地は残っている。戦犯企業の謝罪と各種支援案の用意を前提に現金化措置を凍結する大きな枠組みの協議案を用意し、その中で細部条件をやりとりするような「パッケージディール」も考えてみることができる。

外交消息筋は「韓日関係変化の気流と韓国側の解決策策定に向けた努力など、ふさがっていた強制徴用問題を解消する『変数』が次第に生じている。とても狭い隙間だが韓日間で外交的解決策が導出される余地が明確にあるだけに、韓国政府もやはり真正性を持って問題解決に臨む状況」と話す。



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