先月29日午前1時30分ごろ、京畿道漣川郡臨津江群南ダム[写真 漣川臨津江市民ネットワーク]
北朝鮮が黄江ダムの放流時に事前に通告してほしいという韓国側の度重なる要請にもこの日また無断放流に出たとみられる。京畿道漣川郡と漢江(ハンガン)洪水統制所などによると、臨津江最北端の南方限界線にある必勝(ピルスン)橋の水位はこの日午後1時ごろから突然上がり始めた。10分ごとに2~3センチずつ上昇し始め、午後2時30分ごろには河川行楽客の避難水位1メートルを超えた。
臨津江流域は必勝橋の水位によって4段階に分けて管理される。水位が1メートルを超えれば河川行楽客避難、2メートルは非洪水期の人命避難、7.5メートルは境界地域危機対応関心段階、12メートルは境界地域危機対応注意段階をそれぞれ発令する。
漣川郡関係者は「臨津江流域はもちろん、漣川地域には2日連続で雨がまったく降らなかったが、水位が急激に上がったのは北朝鮮黄江ダムが予告もなく放流したこと以外には理由を探すことはできない」と明らかにした。この日午後、漢江洪水統制所側もこのように分析し、漣川郡側に対応注意段階の発令を求めた。
北朝鮮黄江ダム(総貯水量3億5000万トン)と漣川群南ダム(計7100万トン)との距離が57キロで近い。黄江ダムから放流すれば、増えた水は4時間程度が過ぎると韓国側に到着する。2009年9月北朝鮮の黄江ダムの無断放流によって野営客6人が亡くなる被害が発生した。その年10月、南北が臨津江水害防止の実務接触を行って事前にダム放流を通告することで合意したが、北朝鮮はこれを守っていない。
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