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「令夫人」は大統領室のミス、伏線なのか…金建希夫人、5日間に単独日程4件

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

金建希夫人は27日~30日にスペインのマドリードで初の外交舞台でデビュー戦を行った。金夫人は行事の性格に合わせ多様な衣装を着こなしながらも常に太極旗バッジを着用して目を引いた。[写真 大統領室写真記者団]

金建希(キム・ゴンヒ)夫人がベールを脱いだ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の金建希夫人は今回の5日間の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議期間中に尹大統領なしで単独日程を数回消化した。これまで韓国国内で非公開日程に注力し外部露出を控えたのと対照的な姿だった。「静かな内助」をするとしてこれまで一歩後退していた金夫人が、今回のスペイン訪問を契機に本格的な公的な歩みに出るだろうという観測が出ている。

金夫人はこれまで大衆や取材陣の前に出ることをはばかった。大統領選挙期間に自身と家族をめぐるさまざまな疑惑がふくらんだためだ。昨年12月26日の国民向け謝罪記者会見時には「夫が大統領になる場合でも妻の役割にだけ忠実にする。どうか怒りを収めてほしい」と話した。

これとほぼ同じ時期、当時大統領候補だった尹大統領は放送記者クラブ討論会で「『令夫人』という呼称も過度だ。(大統領夫人は)秘書室の支援程度なら十分だ」と話した。実際に尹大統領は就任後、「令夫人」の日程、随行、儀典などを総括する大統領室第2付属室を廃止した。


今回のスペイン歴訪初期にも金夫人の静かな歩みは続くようだった。大統領専用機搭乗時に金夫人は尹大統領より一歩後を歩き、機内では取材陣と会って「一言話しなさい」という尹大統領の勧めにも「ありがとうございます」という言葉だけ話し静かに微笑を浮かべた。

だがスペインのマドリードに到着した後は尹大統領なく単独日程だけ4件をこなすなど特有の存在感を示した。

先月28日に駐スペイン韓国文化院を訪れた時はかなり長い時間にわたり職員を激励する発言をした。金夫人は「ここの小さな文化院で韓国のすべてを見せることができる。ここにおられる方たちがどれだけ韓国をさらに広報し知らせることに自負心を持っているかしっかり感じられる」と話した。また、画家ディエゴ・ベラスケスとパブロ・ピカソ、建築家アントニオ・ガウディなどの巨匠を輩出したスペインで韓国文化が注目される状況を取り上げ、「みなさんが愛国者」と励ました。

翌29日にサンイルデフォンソ宮殿と王立ガラス工場などを視察する16カ国首脳配偶者プログラムでは米国のファーストレディであるジル・バイデン夫人と対話をする姿がカメラにとらえられた。この席で金夫人はジル夫人に「(ウクライナに)ご主人とともに行かず単独で行かれた勇気と温かさに感動した」と話しかけた。

ジル夫人は「ウクライナの子どもたちと難民の精神健康が懸念される状況」と答えた上で、金夫人に「高い地位に就くと周りから多くの助言があるものだが、重要なことは自分自身の自考えと意志だ。ありのままを見せなさい」と助言した。

同日午後、金夫人は親環境アップサイクリング業者であるエコアルフを単独で訪問し、「気候危機がわれわれに迫っているだけにエコアルフの見方と共感する企業が世界的にさらに多くなることを希望する」と話した。最終日の30日には33年にわたりマドリードに在住し韓国食品店を運営してきた僑胞夫妻と会い、「ご両親のような第1世代同胞の努力が韓国とスペインの架け橋の役割をしている」として感謝の意を伝えたりもした。

今回のNATO首脳会議期間に金夫人に対する大統領室の支援は注目すべき部分だ。大統領室は書面ブリーフィング配布、関連動画リンクなどを記者団に共有し金夫人の活動を積極的に広報した。これまで金夫人の国内行事と関連して大統領室が「知らないふり」で一貫し、「秘線(影の実力者)」議論を自ら招いたことと対照的だ。

大統領室は今回の歴訪を控え付属室に金夫人をサポートする2~3人の既存行政官のほかに追加人材を配置したという。付属室内に事実上の第2付属チームができた形だ。このため政界では歴訪後に金夫人が本格的な「ファーストレディ」としての歩みに出るだろうとの観測が出ている。これに先立ち大統領室は歴訪期間中に副報道官名義の書面ブリーフィングを通じ金夫人の駐スペイン文化院訪問を「初めての令夫人訪問」と表現したが、後に「大統領夫人としては初めての訪問」と修正することもした。これに対して大統領室担当記者の間では「ミスではなく伏線とみられる」という話も出ている。



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