失踪したチョ・ユナさん一家が乗っていた乗用車が29日、全羅南道莞島の松谷港から80メートル離れた海中から引き揚げられた。フリーランサー チャン・ジョンピル
光州(クァンジュ)警察庁と光州南部警察署は車で見つかった遺体の指紋を対照した結果、チョさんと両親と確認されたと明らかにした。チョさんは迷子防止のための指紋が登録されており確認が可能だった。
この日警察は車を引き揚げるために松谷港防波堤から80メートルほど離れた海上養殖場の端にクレーンが設置された25トン級カーゴ車両を積んだバージ船(55トン級)を投じた。この日午前10時15分にバージ船を引き揚げ地点に移動させた警察は2時間5分が過ぎた午後12時20分ごろに引き揚げ作業を終えた。
チョさん一家が乗った車が引き揚げられる様子を見守った住民たちは悲嘆に暮れていた。近所の住民チョン・ムンシクさん(75)は「飲酒運転で海に転落した事故でもなく、この集落でこんなことは初めて。気持ちは複雑だ。子どもに何の間違いがあるのか…」として言葉をつなぐことができなかった。
警察は引き揚げ前日の28日午後5時12分ごろに松谷港近くの海で車を発見した。水深10メートルで見つかった車はひっくり返った状態だった。その後チョさん一家が乗っていた車とナンバーが一致するのを確認した警察はこの日引き揚げ作業に入った。
これに先立ち警察は防犯カメラの映像を通じて先月30日午後11時9分ごろにチョさん一家が乗った車が松谷港バス停付近を通過するのを確認した。当時車が走っていた通りは松谷港防波堤につながる所だった。チョさんの父親(36)の携帯電話の信号が同月31日午前4時ごろ最後にとらえられたのもこの付近だ。
警察はチョさんの両親が暗号資産である「ルナ」を購入していたことを確認しており、暴落にともなう投資損失がなかったかなどを調査中だ。
光州南部警察署などによると、先月チョさんの両親のポータルサイト活動履歴を分析した結果、彼らが「ルナ」を何回も検索していたことがわかった。ルナを検索した時期は一家が失踪した先月30日までだったという。チョさんの両親が「睡眠薬」「防波堤転落衝撃」「莞島潮時」など極端な選択と関連した単語を検索していた履歴も確保した。
チョさんの周辺の人たちの間では、一家が経済的に困窮していたとの証言が出ている。
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