来月から電気料金とガス料金が同時に上がる。最近の物価高のため公共料金引き上げを自制するというのが政府の方針だったが、大規模な韓国電力(韓電)の赤字と急騰する国際原油価格のため結局は料金引き上げを決めた。政府・与党は前政権の脱原発政策で韓電の財務負担を拡大したとし、料金引き上げが避けられなかったと説明した。
政府と韓電は27日、7-9月期の燃料費調整単価を1キロワット時(kWh)あたり5ウォン引き上げると発表した。今回の料金調整で、来月の使用分から4人家族(月平均使用量307kWh)は1カ月基準で約1535ウォン(約160円)ほど電気料金(付加価値税・電力産業基盤基金除く)が増える。料金引き上げは住宅・産業用料金に共に適用される。6月の低圧用住宅料金を基準にすると従来より3.2%ほど料金が増える。
電気料金は大きく▼年1回決定する基準燃料費▼四半期別に決定する実績燃料費▼政府環境政策費用の気候・環境料金--に分かれる。このうち政府が今回引き上げたのは実績燃料費だが、引き上げ上限線は四半期基準で1kWhあたり3ウォン、1年基準で1kWhあたり5ウォンだった。しかし今年の韓電の赤字規模が数十兆ウォンにのぼると予想され、関連規定まで改めて引き上げ幅を拡大した。ただ、年間上限線(5ウォン/kWh)はひとまずそのまま維持した。7-9月期に年間上限の1kWhあたり5ウォン引き上げたため、関連規定をまた変えなければ10-12月期に追加で引き上げることはできない。
これに先立ち文在寅(ムン・ジェイン)政権は昨年、実績燃料費でなく基準燃料費を今年1kWhあたり9.8ウォン、気候・環境料金を1kWhあたり2ウォン引き上げることにした。2013年11月以来9年ぶりの電気料金引き上げだった。その代わり引き上げ時点を4月と10月に分けたが、4月に基準燃料費(4.9ウォン/kWh)の半分と気候・環境料金(2ウォン/kWh)を先に引き上げた。
ただ、韓電は脆弱階層の料金引き上げ負担を減らすため、7-9月に一時的に電気料金福祉割引対象の約350万世帯の割引限度を40%に拡大する。特に障害者・基礎受給者など社会的配慮階層は7-9月期の料金引き上げ幅ほど割引限度(1600ウォン)を増やし、月最大9600ウォンを割引する予定だ。
ガス料金も上がる。産業部と韓国ガス公社は27日、来月から民需用(住宅用・一般用)ガス料金の原料費精算単価をメガジュール(MJ・ガス使用熱量単位)あたり1.11ウォン引き上げると伝えた。この引き上げ幅を適用すればソウル市基準で1世帯あたりの平均ガス料金は月3万1760ウォンから3万3980ウォンに約2220ウォン増える。住宅用基準では約7.0%、飲食店および宿泊業者など営業用1(一般用)基準では7.2%上がる金額だ。
銭湯およびゴミ焼却場など営業用2(一般用)基準では従来の料金より7.7%増える。政府が物価高の負担の中でも電気料金引き上げという苦肉の策を選択したのは、韓電の赤字負担が過度に膨らむからだ。特に政府・与党は文在寅政権の脱原発・再生可能エネルギー拡大政策が韓電の財務負担をさらに拡大したと批判している。実際、ソウル大の朱漢奎(チュ・ハンギュ)核工学科教授が27日、国民の力政策議員総会で発表した資料によると、文在寅政権の脱原発政策で過去5年間に天然液化ガス(LNG)発電に追加で使った費用は11兆ウォンと推算された。これは文政権以前の5年間の原発平均利用率(81.6%)を文政権でも維持したと仮定した場合に減るLNG発電費用として計算したのだ。韓電の今年1-3月期の営業損失7兆7869億ウォン(連結基準)を埋めても余る金額だ。
再生可能エネルギー拡大政策もエネルギー公企業の負担として作用した。朱教授は文在寅政権の5年間(2017-21年)に再生可能エネルギー義務割当制(RPS)で支給した費用が約11兆3000億ウォンと推算した。再生可能エネルギー義務割当制とは、政府が定めた比率ほどエネルギー公企業が義務的に再生可能エネルギーを購入しなければならないという制度。年平均で約2兆3000億ウォンが使われたが、これは朴槿恵(パク・クネ)政権当時の2016年(1兆2000億ウォン)に比べて88%多い金額であり、5年間では5兆3000億ウォン多い。
また政府は文政権が脱原発政策への批判などを意識して料金引き上げの時期を逃したと指摘した。パク・イルジュン産業通商資源部第2次官は15日の記者懇談会で「(前政権は)料金を上げれば脱原発のために上がったと考えられるため、そのようにした(料金引き上げを抑えた)」と述べた。
一方、韓国電力公社の鄭升一(チョン・スンイル)社長が27日、国民の力議員総会に出席し「前政権では脱原発政策による電気料金引き上げに関する正確な分析がなかった」とし「前政権で10回も電気料金引き上げを要請したが、物価上昇を理由に(政府が)拒否した」と述べたと、複数の出席者が伝えた。鄭社長は、脱原発政策の実行前に電気料金に及ぼす影響をあらかじめ十分に分析しなかった点も認めた。ある出席者は電話で、鄭社長が「資料収集に限界があり、原子力安全委員会・韓国水力原子力などから資料も共有されず、脱原発による電気料金引き上げについて十分に分析できなかった」とし「シナリオがあまりにも複雑で、正確な数字は一度も出したことがない」と吐露したと伝えた。すると複数の議員は「それは韓電の背任だ」と批判したと、この出席者は伝えた。鄭社長は文在寅政権で韓電所管部処である産業通商資源部で次官を務めた。
手綱が一度緩んだだけに、今後、電気料金はさらに上がる可能性がある。7-9月期の料金引き上げでも韓電の赤字幅を埋めるには大きく不足する。韓電は27日、7-9月期の燃料費調整単価を33.6ウォン/kWhと発表した。7-9月期水準の引き上げ幅(5ウォン/kWh)で今後6回の追加引き上げをしてこそ燃料費上昇分を料金で回収できるという意味だ。
料金引き上げを抑えるために政府の財政支援が必要だという声もある。しかし過去とは違い韓電の赤字幅があまりにも大きいうえ、政府の財政支援が産業界補助金と解釈される余地があり、通商摩擦につながりかねない点は問題だ。
政府と韓電は27日、7-9月期の燃料費調整単価を1キロワット時(kWh)あたり5ウォン引き上げると発表した。今回の料金調整で、来月の使用分から4人家族(月平均使用量307kWh)は1カ月基準で約1535ウォン(約160円)ほど電気料金(付加価値税・電力産業基盤基金除く)が増える。料金引き上げは住宅・産業用料金に共に適用される。6月の低圧用住宅料金を基準にすると従来より3.2%ほど料金が増える。
電気料金は大きく▼年1回決定する基準燃料費▼四半期別に決定する実績燃料費▼政府環境政策費用の気候・環境料金--に分かれる。このうち政府が今回引き上げたのは実績燃料費だが、引き上げ上限線は四半期基準で1kWhあたり3ウォン、1年基準で1kWhあたり5ウォンだった。しかし今年の韓電の赤字規模が数十兆ウォンにのぼると予想され、関連規定まで改めて引き上げ幅を拡大した。ただ、年間上限線(5ウォン/kWh)はひとまずそのまま維持した。7-9月期に年間上限の1kWhあたり5ウォン引き上げたため、関連規定をまた変えなければ10-12月期に追加で引き上げることはできない。
これに先立ち文在寅(ムン・ジェイン)政権は昨年、実績燃料費でなく基準燃料費を今年1kWhあたり9.8ウォン、気候・環境料金を1kWhあたり2ウォン引き上げることにした。2013年11月以来9年ぶりの電気料金引き上げだった。その代わり引き上げ時点を4月と10月に分けたが、4月に基準燃料費(4.9ウォン/kWh)の半分と気候・環境料金(2ウォン/kWh)を先に引き上げた。
ただ、韓電は脆弱階層の料金引き上げ負担を減らすため、7-9月に一時的に電気料金福祉割引対象の約350万世帯の割引限度を40%に拡大する。特に障害者・基礎受給者など社会的配慮階層は7-9月期の料金引き上げ幅ほど割引限度(1600ウォン)を増やし、月最大9600ウォンを割引する予定だ。
ガス料金も上がる。産業部と韓国ガス公社は27日、来月から民需用(住宅用・一般用)ガス料金の原料費精算単価をメガジュール(MJ・ガス使用熱量単位)あたり1.11ウォン引き上げると伝えた。この引き上げ幅を適用すればソウル市基準で1世帯あたりの平均ガス料金は月3万1760ウォンから3万3980ウォンに約2220ウォン増える。住宅用基準では約7.0%、飲食店および宿泊業者など営業用1(一般用)基準では7.2%上がる金額だ。
銭湯およびゴミ焼却場など営業用2(一般用)基準では従来の料金より7.7%増える。政府が物価高の負担の中でも電気料金引き上げという苦肉の策を選択したのは、韓電の赤字負担が過度に膨らむからだ。特に政府・与党は文在寅政権の脱原発・再生可能エネルギー拡大政策が韓電の財務負担をさらに拡大したと批判している。実際、ソウル大の朱漢奎(チュ・ハンギュ)核工学科教授が27日、国民の力政策議員総会で発表した資料によると、文在寅政権の脱原発政策で過去5年間に天然液化ガス(LNG)発電に追加で使った費用は11兆ウォンと推算された。これは文政権以前の5年間の原発平均利用率(81.6%)を文政権でも維持したと仮定した場合に減るLNG発電費用として計算したのだ。韓電の今年1-3月期の営業損失7兆7869億ウォン(連結基準)を埋めても余る金額だ。
再生可能エネルギー拡大政策もエネルギー公企業の負担として作用した。朱教授は文在寅政権の5年間(2017-21年)に再生可能エネルギー義務割当制(RPS)で支給した費用が約11兆3000億ウォンと推算した。再生可能エネルギー義務割当制とは、政府が定めた比率ほどエネルギー公企業が義務的に再生可能エネルギーを購入しなければならないという制度。年平均で約2兆3000億ウォンが使われたが、これは朴槿恵(パク・クネ)政権当時の2016年(1兆2000億ウォン)に比べて88%多い金額であり、5年間では5兆3000億ウォン多い。
また政府は文政権が脱原発政策への批判などを意識して料金引き上げの時期を逃したと指摘した。パク・イルジュン産業通商資源部第2次官は15日の記者懇談会で「(前政権は)料金を上げれば脱原発のために上がったと考えられるため、そのようにした(料金引き上げを抑えた)」と述べた。
一方、韓国電力公社の鄭升一(チョン・スンイル)社長が27日、国民の力議員総会に出席し「前政権では脱原発政策による電気料金引き上げに関する正確な分析がなかった」とし「前政権で10回も電気料金引き上げを要請したが、物価上昇を理由に(政府が)拒否した」と述べたと、複数の出席者が伝えた。鄭社長は、脱原発政策の実行前に電気料金に及ぼす影響をあらかじめ十分に分析しなかった点も認めた。ある出席者は電話で、鄭社長が「資料収集に限界があり、原子力安全委員会・韓国水力原子力などから資料も共有されず、脱原発による電気料金引き上げについて十分に分析できなかった」とし「シナリオがあまりにも複雑で、正確な数字は一度も出したことがない」と吐露したと伝えた。すると複数の議員は「それは韓電の背任だ」と批判したと、この出席者は伝えた。鄭社長は文在寅政権で韓電所管部処である産業通商資源部で次官を務めた。
手綱が一度緩んだだけに、今後、電気料金はさらに上がる可能性がある。7-9月期の料金引き上げでも韓電の赤字幅を埋めるには大きく不足する。韓電は27日、7-9月期の燃料費調整単価を33.6ウォン/kWhと発表した。7-9月期水準の引き上げ幅(5ウォン/kWh)で今後6回の追加引き上げをしてこそ燃料費上昇分を料金で回収できるという意味だ。
料金引き上げを抑えるために政府の財政支援が必要だという声もある。しかし過去とは違い韓電の赤字幅があまりにも大きいうえ、政府の財政支援が産業界補助金と解釈される余地があり、通商摩擦につながりかねない点は問題だ。
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