21日に台湾の防空識別区域を貫通する形で飛行した中国空軍のY20空中給油機と同じ機種の写真。[写真 台湾国防部]
台湾国防部は「空軍機がすぐに対応出撃して警告放送を送出し、防空ミサイルシステムを稼動して追跡監視した」と発表した。特にこの日の中国空軍編隊の西太平洋往復作戦は日本列島を1周して西太平洋海域に西進する海軍駆逐艦の巡航と同じ日に行われており関連性が注目されている。
◇中国、1万トン級の駆逐艦艦隊が日本を一周
日本防衛省の統合幕僚監部によると。同じ21日に中国の最新鋭駆逐艦と補給艦で編成された艦隊が東京南部の伊豆諸島を通過し西進した。昨年3月に就役した1万2000トン級最新鋭055型駆逐艦「拉薩」と052D型駆逐艦「成都」、903型総合補給艦「東平湖」の編隊だ。これら艦隊は12日に大韓海峡の対馬南側を通過して東海(日本海)に進入する姿が初めて探知された。その後16日と17日に北海道とサハリンの間の宗谷海峡と本州と北海道の間の津軽海峡をそれぞれ通過して19日に再び合流し20日に千葉県南東部220キロメートル海域に出現して南西に向かった。
中国海軍は2016年12月に1号空母「遼寧」が台湾と沖縄の間の宮古海峡を初めて通過し、西太平洋での訓練を終え台湾とフィリピンの間のバシー海峡を通って帰還している。その後中国を封鎖する海上ラインの3大核心海峡である津軽海峡、宮古海峡、バシー海峡を無力化するための突破訓練の頻度を高めている。
特に今回の訓練は台湾海峡をめぐり米中間の対立が高まる中で行われ注目される。中国外交部の王文斌報道官は13日、「台湾海峡は中国の内海・領海・接続水域・排他的経済水域(EEZ)」としながら主権と管轄権を主張した。米国は台湾海峡が国際水域であることを主張し中国の主張を認められないという立場だ。
両国の軍艦の遭遇も頻繁になっている。昨年4月にフィリピン海では米イージス駆逐艦「マスティン」の艦長が甲板に足を上げながら訓練中の中国の空母「遼寧」を観察する写真を公開し中国の反発を買ったりもした。中国は2016年7月にオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が中国の南シナ海領有権を認めない判決を下してからも人工島建設を強行した。米軍は中国の人工島から12カイリ内に軍艦を進入させる航行の自由作戦を繰り返す一方、月に1度の頻度で台湾海峡を通過する作戦も並行している。2018年9月には米海軍の駆逐艦「ディケーター」が中国の駆逐艦「蘭州」と41メートルの距離で回避機動をしながらかろうじて衝突を避ける事件も発生した。
今回の西太平洋での中国空軍と海軍の同時機動に対し香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストは22日、米上院軍事委員会を16日に通過した2023年国防授権法草案に注目した。米下院軍事委員会が20日に公開した草案全文には、米国が台湾に対艦、海岸防衛、対戦車、防空、海底戦闘など非対称戦力を強化する兵器を供給するよう求める条項が盛り込まれた。
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