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銃器乱射に匹敵する憤怒放火の残酷さ=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
12日午前7時40分ごろ、釜山市影島区(プサンシヨンドク)の大橋派出所。50代の男がガソリンが入ったペットボトルを手に持って現れた。派出所に入ってきた彼はいきなりドアを閉めると火を付けるふりをした。

慌てた警察官が男を追い出したが、ややもすると放火されかねない状況だった。当時男が着ていたチョッキからはライター2個が見つかった。

これに先立ち男はこの日午前6時40分ごろ、酒に酔って通行人とトラブルを起こして罰金処分を受けていた。警察は派出所に火を付けようとした容疑(現住建造物放火予備)で14日に男を拘束した。


腹いせで火をつける放火犯罪が相次ぎでいる。9日に大邱(テグ)の弁護士事務所で発生した放火で7人が死亡した後も同様の犯行が続く傾向だ。釜山だけで2日間に3件の放火と放火未遂があった。

大邱放火事件の容疑者(53)もこれまで数回の放火未遂があったという。容疑者の知人は「深夜酒に酔って『シンナーを持って行く』と脅迫した」と話した。脅迫時には車に載せてあるシンナーの写真を送り付けたりもした。結局彼は相次ぐ訴訟で敗訴すると自身の言葉通りに犯行を実行した。

法曹界では容疑者の犯行自体が異例としながらも深刻な放火だという反応だ。裁判所や検察などではなく相手方弁護士を犯行ターゲットにしたのは前例を見つけがたいためだ。彼が火を付けたのは自身が訴訟を起こした再開発事業施行社側の弁護士事務所だった。突然の犯行に関係のない弁護士とスタッフら6人が死亡した。

専門家らは最近の放火犯罪から社会的な憤怒現象の兆候が読み取れる点に懸念を示す。大邱地下鉄と南大門など残酷な放火事件を経験したのに関連犯罪が増加を続けているためだ。一部では流行のように模倣犯罪につながる可能性を排除できないという分析も出ている。大検察庁(最高検)によると、韓国では2020年だけで1210件の放火犯罪が発生した。このうち41.7%の424件が飲酒後に報復と腹いせの放火だった。建国(コングク)大学警察学科のイ・ウンヒョク教授は「この3年間に韓国社会はコロナ禍による憂鬱感と景気低迷にともなう挫折感に苦しめられた。こうした状況ではささいな要因も憤怒犯罪を触発する引き金になる恐れがある」と話した。

放火は銃器所持が禁じられた韓国で強力なテロ手段であり凶悪犯罪に分類される。市中で購入した引火物質だけばら撒けば短時間で莫大な被害を出す。大邱の弁護士事務所の場合、火は22分で消えたが7人が死亡し41人が負傷した。銃器乱射に匹敵する放火犯罪を根絶する強力な処罰と対応が必要な時だ。



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