「ヌリ号の打ち上げは国家宇宙力の完成を意味し、もう新しいガバナンス(管理体系)を準備すべき」。航空宇宙システム工学が専門の建国(コングク)大学の李昌鎮(イ・チャンジン)教授は「ニュースペース時代に宇宙開発を活用する民間産業の生態系をどのように作るかが今後の課題」としながらこのように話した。李教授は科学技術情報通信部傘下の韓国研究財団で宇宙団長を歴任し、2010年の千里眼衛星2号、2013年のナロ号と2021年のヌリ号国家企画報告書を作成した航空宇宙専門家だ。7日に建国大学の研究室で李教授と会い韓国の航空宇宙産業が進むべき道を聞いた。
Q:ヌリ号は韓国にどのような意味なのか。
A:「純韓国技術で作ったロケットの成功は完全な宇宙開発の始まりを意味する。これまでは韓国の技術で人工衛星を作ったとかロケットを作ったとかいうことに意味があった。しかしこれからはこの技術で何をするのかを考える段階だ。韓国が強みを持っている製造業でも似た経験をした。例えば自動車にしても爆発しないで走れるということを目標にしない。問題なく作ることができてもこの自動車をどのように活用するのかを提示できなければ市場を作ることができない。こうした悩みなしで今後さらにロケットを打ち上げるのは意味がない」。
Q:どのように活用すべきなのか。
A:「民間企業の参加が必要だ。米国や欧州、ロシアなど宇宙開発先進国はいずれも国の主導で産業を育てた後に民間が参加する形で発展した。インフラが蓄積され専門人材が民間市場にも出てきていまはニュースペース時代を迎えている。民間では宇宙旅行や宇宙インターネットなどの試みが出ており、コストは低くして市場は育てている。韓国も技術獲得だけ追求した従来の方式から一歩踏み出して宇宙開発と打ち上げ需要を創出する民間の力をどのように育てるのかを悩んでこそ宇宙開発の好循環構造を作ることができる」。
Q:宇宙スタートアップに関心も大きくなっている。
A:「いままさに民間参加が胎動する時点だ。先進国と比較するとまだ経験がなくインフラも不足している上に専門人材も成熟できていない状態だ。宇宙産業は他のどんな産業よりも国や地域の区分が色あせた分野だ。少し未熟だからと韓国市場でだけ競争するのではないという話だ。民間企業もグローバルな観点からどのように利益を出すのか視野を広げるべきだが、すぐには簡単ではない。こうした部分をどのように支援するのか国レベルで戦略的にアプローチが必要だ」。
Q:どのように支援すべきなのか。
A:「新しいガバナンスから悩まなければならない。ロケットを作ることにだけ満足した時代が過ぎニュースペース時代に進入しているが、韓国は大きなビジョンを描く所がない。宇宙開発先進国もそうだったが、いまの段階では政府発注が宇宙産業の唯一の顧客なのにまだ宇宙開発をどのようにするのか戦略的アプローチが不足している。事業重複は避け果敢に支援すべき分野には投資するようなコントロールタワーが必要だ。同時に宇宙開発に対する韓国のビジョンが何かを提示すべきだ」。
Q:参考になるような事例を挙げるならば。
A:「韓国と情緒的に似ている日本を見ると、首相直属で宇宙開発戦略本部を置いている。韓国でいえば大統領直属の宇宙開発戦略本部という形だ。主管官庁は文部省だが、各省庁が参加しながら国家的宇宙開発需要をまとめて計画を立てる。各官庁で重複する計画は調整し限定的な予算を効率的に活用することだ。日本が小惑星探査船を送って成果を出したのにはこうした背景があった。日本の事例が正解とはいえないが韓国も新たなガバナンスを準備しなくてはならない」。
Q:ヌリ号は韓国にどのような意味なのか。
A:「純韓国技術で作ったロケットの成功は完全な宇宙開発の始まりを意味する。これまでは韓国の技術で人工衛星を作ったとかロケットを作ったとかいうことに意味があった。しかしこれからはこの技術で何をするのかを考える段階だ。韓国が強みを持っている製造業でも似た経験をした。例えば自動車にしても爆発しないで走れるということを目標にしない。問題なく作ることができてもこの自動車をどのように活用するのかを提示できなければ市場を作ることができない。こうした悩みなしで今後さらにロケットを打ち上げるのは意味がない」。
Q:どのように活用すべきなのか。
A:「民間企業の参加が必要だ。米国や欧州、ロシアなど宇宙開発先進国はいずれも国の主導で産業を育てた後に民間が参加する形で発展した。インフラが蓄積され専門人材が民間市場にも出てきていまはニュースペース時代を迎えている。民間では宇宙旅行や宇宙インターネットなどの試みが出ており、コストは低くして市場は育てている。韓国も技術獲得だけ追求した従来の方式から一歩踏み出して宇宙開発と打ち上げ需要を創出する民間の力をどのように育てるのかを悩んでこそ宇宙開発の好循環構造を作ることができる」。
Q:宇宙スタートアップに関心も大きくなっている。
A:「いままさに民間参加が胎動する時点だ。先進国と比較するとまだ経験がなくインフラも不足している上に専門人材も成熟できていない状態だ。宇宙産業は他のどんな産業よりも国や地域の区分が色あせた分野だ。少し未熟だからと韓国市場でだけ競争するのではないという話だ。民間企業もグローバルな観点からどのように利益を出すのか視野を広げるべきだが、すぐには簡単ではない。こうした部分をどのように支援するのか国レベルで戦略的にアプローチが必要だ」。
Q:どのように支援すべきなのか。
A:「新しいガバナンスから悩まなければならない。ロケットを作ることにだけ満足した時代が過ぎニュースペース時代に進入しているが、韓国は大きなビジョンを描く所がない。宇宙開発先進国もそうだったが、いまの段階では政府発注が宇宙産業の唯一の顧客なのにまだ宇宙開発をどのようにするのか戦略的アプローチが不足している。事業重複は避け果敢に支援すべき分野には投資するようなコントロールタワーが必要だ。同時に宇宙開発に対する韓国のビジョンが何かを提示すべきだ」。
Q:参考になるような事例を挙げるならば。
A:「韓国と情緒的に似ている日本を見ると、首相直属で宇宙開発戦略本部を置いている。韓国でいえば大統領直属の宇宙開発戦略本部という形だ。主管官庁は文部省だが、各省庁が参加しながら国家的宇宙開発需要をまとめて計画を立てる。各官庁で重複する計画は調整し限定的な予算を効率的に活用することだ。日本が小惑星探査船を送って成果を出したのにはこうした背景があった。日本の事例が正解とはいえないが韓国も新たなガバナンスを準備しなくてはならない」。
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