推定３。

「プーチン氏は内部のクーデターに直面する可能性がある」


今回の戦争を機にプーチン氏が政治的な危機に処し、これが戦争の変数になり得るという分析もあるが、スタノバヤ氏は「少なくとも現在はその反対」と指摘した。


また、「プーチン氏が身体的にも精神的にも統治能力を失い始めない限り、（ロシア政界で）現在プーチン氏に対抗するのは自殺行為と変わらない」とした。

自身の政治的な安全とデモを心配するロシアのエリートは彼らの政治体制を確かにして無秩序を防げる唯一の指導者がプーチン氏だと考え、プーチン氏を中心に一丸となっているのがスタノバヤ氏の説明だ。スタノバヤ氏は「ロシアのエリートは政治的に無能で恐怖に怯えている。彼らが気付くまでは長い時間がかかるだろう」と診断した。

最近、ロシアの沿海州地方議会で共産党所属であるレオニード・ワシュケビッチ、ゲンナジー・シュリガ議員がプーチン氏に向かってウクライナ戦争中断を促してロシア政界に変化があるのではないかという期待をにじませた。

しかし、１日ラジオ・フリー・ヨーロッパなどによると、この二人の議員は党によって「反逆者」とレッテルをつけられて全会一致で共産党から追放された。

推定４。

「プーチン氏は反戦デモを恐れる」

ウクライナ侵攻初期にロシアでも反戦デモが起きてプーチン氏に負担になり得るという観測があった。しかし、スタノバヤ氏はプーチン氏が反戦デモよりさらに恐れるのは「戦争賛成デモ」と主張した。

それによると、プーチン氏は今回の侵攻でロシアの暗い民族主義を呼び覚まし、戦争支持の世論が拡大する場合、プーチン氏は戦争をさらに激化させ、このような熱望に応じるべき状況に置かれることができる。

スタノバヤ氏は「プーチン氏に何が起きることとは関係がなく、世界はロシア大衆の攻撃性や反西側、反自由主義の信念に対処しなければならないだろう」と診断した。

１日、ニューズウィークによると、ロシア国営放送に出演したモスクワ国立大学のアレクセイ・フェネンコ教授は「私たちにウクライナ戦争は今後起こり得るさらに大きな紛争に対するリハーサル」とし「私たちは戦場でわれわれの兵器がＮＡＴＯの兵器よりどれくらい強いのか気付かされるだろう」と話した。

推定５。

「プーチン氏は失望を抱かせた側近を除去した」

プーチン氏がウクライナ戦争の苦戦の責任を問うて連邦保安局（ＦＳＢ）のセルゲイ・ベセダ局長などを逮捕して追放したという噂が広がった。

しかし、スタノバヤ氏は「高位消息筋によると、これは事実でない」とし「プーチン氏は参謀に腹が立った可能性が大きいが、深刻な犯罪が起きない限り、内部サークルの人を除去するのがプーチン氏のスタイルではない」と説明した。

また、このような理由でプーチン氏が負けているからウクライナに対する支援を増やすべきだとか、彼が敗れる場合は危険であるためなだめるべきだというのは根本的に誤ったアプローチだと分析した。

同時に、西側とロシアとの間に合意に至ったりプーチン政権が崩壊したりしない限り、この戦争は数年間続く可能性もあると見通した。


「ウクライナはプーチン氏の人質であるだけだ」西側諸国が勘違いした５つの事実（１）