こうした市場の反応はクォン・ドヒョン代表を傲慢にさせた。クォン代表はUSTの買い戻しが増えるその瞬間にもブルームバーグとのインタビューで「成長する経済の通貨が成熟し安定した経済の通貨よりさらに高い金利を提供するのは自然なこと」と強弁した。自身の技術に疑問を示したブロックチェーン専門家はツイッターで罵倒し、事業の危険性を指摘した英国の経済学者には「私は貧しい人とは討論しない」と侮辱した。ニューヨーク・タイムズは彼を「口汚ない企業家」と表現した。
しかし実体経済で始まったインフレとこれに伴う金融緊縮基調は彼の事業を一挙に落ち込ませた。プールから水が抜けたらだれが裸になって泳いでいたのかが現れた形だ。ドルの流動性祭りが終わると事業の弱点がそっくりあらわれた。仮想資産界のドルを夢見て飛翔したイカロスの翼は本物のドルの逆襲にむなしくやられた。
◇言葉だけ騒がしかった暗号資産政策
これまで暗号資産規制の動きが起きるたびに政界は「革新の根を抜くな」として声を高めてきた。特に昨年、当時の殷成洙(ウン・ソンス)金融委員長が「暗号資産投資家まで政府がすべて保護することはできない」と述べると政界の叱咤が続いた。「20~30代の夢を折るな」「暗号資産抑制は時代錯誤的」という主張が出てきた。李光宰(イ・グァンジェ)、朴用鎮(パク・ヨンジン)、盧雄来(ノ・ウンレ)氏ら民主党所属議員の反発が強かったが、「国民の力」の政治家らも劣らなかった。洪準杓(ホン・ジュンピョ)、元熙竜(ウォン・ヒリョン)、金恩慧(キム・ウンヘ)氏ら政治家が批判の隊列に加勢した。
結局言葉ばかりが騒がしかった。国会で「仮想資産産業法」制定や「特定金融情報法」「電子金融情報法」の改正などを通じた投資家保護案が提示されたが、すべてうやむやになった。懸念した事態が起きたが金融当局が介入できる方策は事実上ない。根拠法がなく取引所に情報提出を強制することもできない。
法務部の韓東勲(ハン・ドンフン)長官が復活させたソウル南部地検金融証券犯罪合同捜査団に事件が割り当てられたが、捜査は簡単ではなさそうだ。クォン代表が自身の設計したアルゴリズムに問題があったかを事前に知っていたのかが争点だがこれを立証するのは容易でない。捜査が始まればクォン代表はルナファンデーションガードを通じてルナ崩壊を防ぐために実際に努力したと主張し法的責任を否定するものとみられる。
◇「投機の場を保護すべきなのか」ジレンマ
テラの問題は事業者のモラルハザードと投資家の無分別な欲望が出会った結果といっても過言ではない。投資家はルナが上場廃止される最後の瞬間にも、投機的取引による一時的な上昇を狙った爆弾回しに没頭した。一部取引所はこの過程で取引手数料を得た。クォン代表は問題の後も既存投資家に新なルナを無償支給しながら「テラ2.0」の構築を試みている。修羅場を思わせるほどの欲望の市場だ。
ジレンマは暗号資産投資家をどこまで保護すべきかだ。類似受信禁止対象に暗号資産を含むのか、資本市場法の適用範囲を暗号資産取引所まで拡大するのかのような争点を至急整理しなくてはならない。しかしこうした保護策がややもすると合法的に投機の場を提供する結果になりかねないという点で当局の悩みがある。賭博被害者を保護するために賭博場を合法化することはできないものだ。最小限の保護装置は備えながらも賭博性の高い暗号資産を実体金融と分離して危険性を減らすことが政策の核心だ。
尹錫悦政権の暗号資産政策基本方向は規制よりは振興だ。ICO(暗号資産公開)許容、デジタル資産基本法制定など「デジタル資産インフラと規律体系構築」を110大国政課題に盛り込んだ。しかし今回の問題でこうした方向に根本的な見直しが必要になった。「脱規制」「脱中央化」を魅力として掲げた暗号資産が再び国家権力の力に頼らなくてはならなくなった逆説の瞬間だ。
イ・ヒョンサン/中央日報コラムニスト
【コラム】韓国発暗号資産の暴落に見る危機の暗号資産(1)
しかし実体経済で始まったインフレとこれに伴う金融緊縮基調は彼の事業を一挙に落ち込ませた。プールから水が抜けたらだれが裸になって泳いでいたのかが現れた形だ。ドルの流動性祭りが終わると事業の弱点がそっくりあらわれた。仮想資産界のドルを夢見て飛翔したイカロスの翼は本物のドルの逆襲にむなしくやられた。
◇言葉だけ騒がしかった暗号資産政策
これまで暗号資産規制の動きが起きるたびに政界は「革新の根を抜くな」として声を高めてきた。特に昨年、当時の殷成洙(ウン・ソンス)金融委員長が「暗号資産投資家まで政府がすべて保護することはできない」と述べると政界の叱咤が続いた。「20~30代の夢を折るな」「暗号資産抑制は時代錯誤的」という主張が出てきた。李光宰(イ・グァンジェ)、朴用鎮(パク・ヨンジン)、盧雄来(ノ・ウンレ)氏ら民主党所属議員の反発が強かったが、「国民の力」の政治家らも劣らなかった。洪準杓(ホン・ジュンピョ)、元熙竜(ウォン・ヒリョン)、金恩慧(キム・ウンヘ)氏ら政治家が批判の隊列に加勢した。
結局言葉ばかりが騒がしかった。国会で「仮想資産産業法」制定や「特定金融情報法」「電子金融情報法」の改正などを通じた投資家保護案が提示されたが、すべてうやむやになった。懸念した事態が起きたが金融当局が介入できる方策は事実上ない。根拠法がなく取引所に情報提出を強制することもできない。
法務部の韓東勲(ハン・ドンフン)長官が復活させたソウル南部地検金融証券犯罪合同捜査団に事件が割り当てられたが、捜査は簡単ではなさそうだ。クォン代表が自身の設計したアルゴリズムに問題があったかを事前に知っていたのかが争点だがこれを立証するのは容易でない。捜査が始まればクォン代表はルナファンデーションガードを通じてルナ崩壊を防ぐために実際に努力したと主張し法的責任を否定するものとみられる。
◇「投機の場を保護すべきなのか」ジレンマ
テラの問題は事業者のモラルハザードと投資家の無分別な欲望が出会った結果といっても過言ではない。投資家はルナが上場廃止される最後の瞬間にも、投機的取引による一時的な上昇を狙った爆弾回しに没頭した。一部取引所はこの過程で取引手数料を得た。クォン代表は問題の後も既存投資家に新なルナを無償支給しながら「テラ2.0」の構築を試みている。修羅場を思わせるほどの欲望の市場だ。
ジレンマは暗号資産投資家をどこまで保護すべきかだ。類似受信禁止対象に暗号資産を含むのか、資本市場法の適用範囲を暗号資産取引所まで拡大するのかのような争点を至急整理しなくてはならない。しかしこうした保護策がややもすると合法的に投機の場を提供する結果になりかねないという点で当局の悩みがある。賭博被害者を保護するために賭博場を合法化することはできないものだ。最小限の保護装置は備えながらも賭博性の高い暗号資産を実体金融と分離して危険性を減らすことが政策の核心だ。
尹錫悦政権の暗号資産政策基本方向は規制よりは振興だ。ICO(暗号資産公開)許容、デジタル資産基本法制定など「デジタル資産インフラと規律体系構築」を110大国政課題に盛り込んだ。しかし今回の問題でこうした方向に根本的な見直しが必要になった。「脱規制」「脱中央化」を魅力として掲げた暗号資産が再び国家権力の力に頼らなくてはならなくなった逆説の瞬間だ。
イ・ヒョンサン/中央日報コラムニスト
【コラム】韓国発暗号資産の暴落に見る危機の暗号資産(1)
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