2月24日にロシアがウクライナを侵攻して始まった戦争の出口はどこなのか。米国・欧州が連携してロシアに経済制裁を加える中、戦争が長期化し、各国がエネルギー・食料需給に不安を感じている。西側の一部では終戦交渉条件をめぐり異なる声が出ている。戦争当事国のロシアとウクライナは現状況をどう診断し、どんな出口を摸索中なのか、両国の駐韓大使に会った。双方の主張を当事者の肉声を通じてそのまま伝える。
◆ドミトロ・ポノマレンコ駐韓ウクライナ大使のインタビュー
「ウクライナ政府の最優先課題はこの残酷な戦争を終わらせることだが、領土は終戦交渉の対象ではない。ロシアがウクライナに対する爆撃をやめて2月24日侵攻前に彼らがいた場所に戻るまでは最後まで戦う」
駐韓ウクライナ大使のドミトロ・ポノマレンコ氏はロシアがウクライナ侵攻を開始した2月24日、韓国外交部に信任状を提出して任期を開始した。今月26日、ソウル龍山区(ヨンサング)のウクライナ大使館で会った時、ポノマレンコ氏は韓国を含めた国際社会のウクライナ支援に繰り返し謝意を表しながらも「ロシアに対する経済制裁が緩んではいけない」と力を込めて強調した。2015年ドンバス内戦終息のためのミンスク協定の交渉過程にも参加した一員として、この協定よりもはるかに複雑な今回の戦争に分かりやすい出口はないということを直感しているようだった。特にロシアが最近、世界的な食糧危機に乗じて制裁解除を要求してきたことに対しては「(世界に対して)脅迫をしている」と言って強く批判した。
--戦争の終わらせ方を巡り西側の一部からは「領土譲歩」の声も出ている。
「最近、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領がダボス・フォーラムの演説でロシアのウラジーミル・プーチン大統領と終戦に関連して交渉する意向を示した。ただ、我々は領土を巡って取り引きはしない。ロシア軍がウクライナ国土に対する爆撃をやめて今回の侵攻が行われる以前の地域まで撤収することが最小限の条件だ。また、破壊されたウクライナ国土に対する経済的補償は受けなければならない」
--ダビデとゴリアテの戦いだと思っていたが、ウクライナがロシア軍の進撃を阻止している原動力は。
「現在東部ドンバス地域で非常に難しい戦いを強いられているが、ウクライナは初期に勝利を大言壮語したロシアをキーウ(キエフ)・ハルキウ(ハリコフ)などから追い出した。今や彼らは小さな勝利でも宣伝しようと戦いを続けている。我々は正当性もなく戦うロシアとは違い、家族や国を守ろうという明確な目標を持っている。そのうえウクライナ軍は北大西洋条約機構(NATO)の訓練を受け、現代的な戦術で対応している。反面、ロシア軍は第2次世界大戦からこれといって進化したものがない方式を今も使っている。ゼレンスキー大統領のリーダーシップもまた忘れてはいけない。ロシア軍が首都キーウ近郊まで迫った時も留まった勇気に敬意を表する。ゼレンスキー大統領は正確な計画を通じて動いていて、方向に対する確信がある」
--ウクライナの脱ナチス化と迫害を受けているドンバスの解放などをロシアが前面に掲げているが。
「彼らのやっていることこそがむしろナチスと同じではないか。ウクライナにナチス追従勢力はない。また、どの国にでも一定ある少数の過激派の存在が、その国を侵攻して基盤施設を破壊して国民を虐殺する理由にはならない。ドンバス地域はウクライナ独立後20余年間、豊かに暮らしてきた。2014年クリミア半島強制合併以降、ロシアがドンバス反乱軍勢力をあおり、このせいで200万人以上が住み慣れた場所を離れることになった。2015年ミンスク協定にもかかわらず、ロシアは地域内の選挙執行などを妨害し、侵攻に先立ちドネツィク(ドネツク)・ルハンシク(ルガンスク)共和国の独立を承認した。結局すべてのことは数年間にわたり企てられたロシアの領土拡張に対する野心だったと考える」(※ミンスク協定はドンバス内戦終息のために2014年と2015年ベラルーシの首都ミンスクで締結された2件の協定を指す)
<駐韓ウクライナ大使インタビュー>「ロシア、世界4億人の食糧を盾に脅迫…領土譲歩交渉はない」(2)
◆ドミトロ・ポノマレンコ駐韓ウクライナ大使のインタビュー
「ウクライナ政府の最優先課題はこの残酷な戦争を終わらせることだが、領土は終戦交渉の対象ではない。ロシアがウクライナに対する爆撃をやめて2月24日侵攻前に彼らがいた場所に戻るまでは最後まで戦う」
駐韓ウクライナ大使のドミトロ・ポノマレンコ氏はロシアがウクライナ侵攻を開始した2月24日、韓国外交部に信任状を提出して任期を開始した。今月26日、ソウル龍山区(ヨンサング)のウクライナ大使館で会った時、ポノマレンコ氏は韓国を含めた国際社会のウクライナ支援に繰り返し謝意を表しながらも「ロシアに対する経済制裁が緩んではいけない」と力を込めて強調した。2015年ドンバス内戦終息のためのミンスク協定の交渉過程にも参加した一員として、この協定よりもはるかに複雑な今回の戦争に分かりやすい出口はないということを直感しているようだった。特にロシアが最近、世界的な食糧危機に乗じて制裁解除を要求してきたことに対しては「(世界に対して)脅迫をしている」と言って強く批判した。
--戦争の終わらせ方を巡り西側の一部からは「領土譲歩」の声も出ている。
「最近、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領がダボス・フォーラムの演説でロシアのウラジーミル・プーチン大統領と終戦に関連して交渉する意向を示した。ただ、我々は領土を巡って取り引きはしない。ロシア軍がウクライナ国土に対する爆撃をやめて今回の侵攻が行われる以前の地域まで撤収することが最小限の条件だ。また、破壊されたウクライナ国土に対する経済的補償は受けなければならない」
--ダビデとゴリアテの戦いだと思っていたが、ウクライナがロシア軍の進撃を阻止している原動力は。
「現在東部ドンバス地域で非常に難しい戦いを強いられているが、ウクライナは初期に勝利を大言壮語したロシアをキーウ(キエフ)・ハルキウ(ハリコフ)などから追い出した。今や彼らは小さな勝利でも宣伝しようと戦いを続けている。我々は正当性もなく戦うロシアとは違い、家族や国を守ろうという明確な目標を持っている。そのうえウクライナ軍は北大西洋条約機構(NATO)の訓練を受け、現代的な戦術で対応している。反面、ロシア軍は第2次世界大戦からこれといって進化したものがない方式を今も使っている。ゼレンスキー大統領のリーダーシップもまた忘れてはいけない。ロシア軍が首都キーウ近郊まで迫った時も留まった勇気に敬意を表する。ゼレンスキー大統領は正確な計画を通じて動いていて、方向に対する確信がある」
--ウクライナの脱ナチス化と迫害を受けているドンバスの解放などをロシアが前面に掲げているが。
「彼らのやっていることこそがむしろナチスと同じではないか。ウクライナにナチス追従勢力はない。また、どの国にでも一定ある少数の過激派の存在が、その国を侵攻して基盤施設を破壊して国民を虐殺する理由にはならない。ドンバス地域はウクライナ独立後20余年間、豊かに暮らしてきた。2014年クリミア半島強制合併以降、ロシアがドンバス反乱軍勢力をあおり、このせいで200万人以上が住み慣れた場所を離れることになった。2015年ミンスク協定にもかかわらず、ロシアは地域内の選挙執行などを妨害し、侵攻に先立ちドネツィク(ドネツク)・ルハンシク(ルガンスク)共和国の独立を承認した。結局すべてのことは数年間にわたり企てられたロシアの領土拡張に対する野心だったと考える」(※ミンスク協定はドンバス内戦終息のために2014年と2015年ベラルーシの首都ミンスクで締結された2件の協定を指す)
<駐韓ウクライナ大使インタビュー>「ロシア、世界4億人の食糧を盾に脅迫…領土譲歩交渉はない」(2)
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