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【コラム】沿岸国の呪いを解くには…韓国、米露両国と関係増進すべき(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
ロシア・ウクライナ戦争が3カ月以上続いている。世論はウクライナに同情的で、ロシアに批判的だ。おそらくオオカミに追われるシカを見るように韓国人の持って生まれた善良な性格が弱者を応援するということだろう。しかし実際、我々が感じる加害者に対する怒りと被害者に対する憐憫は、過去に韓国が中国と日本に侵略された痛恨の記憶が脳裏に刻まれた結果であることを否めない。

なら、本当の問題は韓半島(朝鮮半島)の平和と繁栄であり、ウクライナ戦争ではない。ウクライナ戦争には韓中、韓日関係以上に両国間で複雑な内部事情があるという。こうした時であるほど、善と悪の対決のような感情よりも、国際情緒を基盤とする冷静な理性で、ウクライナ戦争に対する我々の対処が韓半島の未来にどんな影響を及ぼすかについて熟考してみる必要がある。

◆成功する外交と失敗する外交


フィンランドのヘルシンキにあるシンクタンク「センター・フォー・リサーチ・オン・エナジー・アンド・クリーンエアー(CREA)」によると、2月24日の戦争勃発以降、ロシアが2カ月間に石油・天然ガスなど化石燃料を欧州連合(EU)に輸出して受けた金額だけで440億ユーロ(約60兆ウォン)にのぼる。ウクライナのウステンコ大統領補佐官(マクロ経済政策担当)はニューヨークタイムズ(NYT)への寄稿で「欧州は戦争開始後にも続いたロシア原油輸入で軍の資金を与えた。プーチン大統領にとって戦争は収支が合う商売だった」と批判した。

米国など西側国家のロシア制裁が特別に強いわけではく、石油・天然ガスなどの対ロシア依存度が50%を超えるドイツなどEU国家のロシア制裁とエネルギー導入の中断は長くは続かないとみられる。ビクトリア女王を補佐して大英帝国の基礎を築いたヘンリー・ジョン・テンプル首相は「英国は永遠の友人も持たないし、永遠の敵も持たない。英国が持つのは永遠の国益である」という名言を残した。強大国の先進外交とは、名分に基づく関係でなく、徹底的に実利に基盤にした新しい国際関係の構築であることが分かる。

これと反対の後進外交といえば、親明反清という名分と過去に執着した朝鮮の惨憺たる外交の失敗を挙げることができる。「小さな国が大きな国に逆らうのは正しくない」(以小逆大)という「四不可論」の開始から事大で綴られた朝鮮に外交というものはなく、ただどちら側に立つかというものしかなかった。壬辰倭乱(文禄・慶長の役)の明の参戦も、「唇亡歯寒」というレベルで征明仮道を要求する倭軍との戦場として朝鮮を選択した側面が大きかった。明軍が倭軍の撃滅よりも明の本土を死守するために朝鮮を倭軍と分割する交渉に力を注いだのをみても分かる。感情と名分に執着した朝鮮の外交惨事は、三田渡の屈辱で数十万人の良民拉致と還郷女の涙にいたるまで拭えない恥辱と苦痛ばかりを残した。もちろん朝鮮の明・清に対する事大を実利外交の側面で再解釈してみる余地もある。

◆沿岸国の運命と外交的均衡

なら、ウクライナ戦争は韓半島の地政学とどんな関係があるのだろうか。島国と内陸国の間に位置する沿岸国の運命がまさに「地政学的な呪い」だ。西欧の歴史は英国、フランス、ドイツの戦争史といっても過言でない。英国は百年戦争以降、フランスと戦争史に名が残るほどの大きな戦争だけで16回もした。戦場がほとんどのフランスだったという事実は、英国が侵略者でありフランスが被害者だったことを意味する。

歴史的にフランスは国土が英国の2倍、人口は3倍を超える大国だったが、どうして小国の英国の侵略を受け続けたのか。その理由は島国の英国は海軍が強く、沿岸国のフランスは陸軍が強いため、英国はフランスを侵略できても、フランスはドーバー海峡を渡って英国に攻め込むのは難しかった。

内陸国のドイツも沿岸国のフランスより小さな国だ。しかしドイツはオーストリア・チェコ・ポーランドなど周辺国を合併して規模を拡大した後、第1、2次世界大戦などで沿岸国のフランスを侵略した。フランスは西欧で国土が最も大きい大国だったにもかかわらず、島国の英国と内陸国のドイツからの侵略を避けられなかった。これが沿岸国の運命であり地政学的な呪いだ。ところが北東アジアで朝鮮は自国より大きい島国の日本と数十倍にのぼる内陸国の中国の間に位置した沿岸国だ。したがって朝鮮が日本と中国の侵略に苦しんだのは朝鮮の過ちだけではなく、それほど恥じることでもない。

問題は沿岸国の朝鮮の地政学的な呪いから韓国が果たして抜け出せることができるかだ。今の韓国は外交的な選択によって沿岸国の運命をいくらでも抜け出すことができる。なぜなら朝鮮は地理学的に島国の日本と内陸国の中国の間にある「弱小国」だったが、韓国は地政学的に南方海洋国の米国と北方大陸国のロシアまで4強の間に位置する「強小国」であるからだ。朝鮮に与えられた選択肢は二者択一だったが、韓国に与えられた選択肢は4強とのすべての組み合わせが可能な24通りにのぼる。


【コラム】沿岸国の呪いを解くには…韓国、米露両国と関係増進すべき(2)

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