現代自動車グループが６兆３０００億ウォン（約６３００億円）を投じて米国に電気自動車専用工場とバッテリーセル工場など電気自動車生産拠点を構築する。現代自動車グループが米国に電気自動車専用工場を作るのは今回が初めてだ。バイデン米大統領の訪韓日程に合わせ大々的な現地投資計画を出したのだ。

これに先立ち１８日に韓国国内で２０３０年まで２１兆ウォンを投資して電気自動車生産規模を年産１４４万台規模に拡大し充電インフラを拡充するという計画に続く鄭義宣（チョン・ウィソン）式の「電気自動車への賭け」と解説される。

現代自動車グループは２０日、米ジョージア州の電気自動車工場建設予定地でジョージア州政府と６兆３０００億ウォン規模の「電気自動車専用工場投資協約」を締結したと明らかにした。この日の協約式にはヒョンデ（現代自動車）の張在勲（チャン・ジェフン）社長とグローバル最高運営責任者（ＣＯＯ）を務めるホセ・ムニョス社長、ジョージア州のブライアン・ケンプ知事らが参加した。


現代自動車グループの米国電気自動車生産工場は年間３０万台規模で、ジョージア州ブライアン郡の１１８３万平方メートルの敷地に来年着工する予定だ。２０２５年上半期の稼動開始が目標だ。電気自動車工場の近くにバッテリーセル工場も建設する予定だ。

現代自動車グループは「バッテリーセル工場は合弁形態で設立するだろう。合弁対象は確定しておらず検討中」と説明した。ＳＫオン、ＬＧエネルギーソリューション、サムスンＳＤＩの韓国企業３社のうち１社が有力という。

◇ジョージア州と６兆３０００億ウォンの投資協約

鄭義宣現代自動車グループ会長はビデオメッセージで「米国の顧客に向けた革新的な電気自動車を生産するだろう。製造革新技術導入、再生可能エネルギー活用など米国初のスマート工場として現代自動車グループの未来モビリティビジョン達成に向けた橋頭堡の役割をするだろう」と話した。

ジョージア州政府は現代自動車グループの電気自動車・バッテリーセル工場の設立・運営を支援するために税制優遇などのインセンティブを提供し持続的な支援を約束した。ジョージア州のケンプ知事は「ジョージア州の歴史上最も大きいプロジェクトの成功に向け現代自動車グループとジョージア州がともにするだろう」と話した。

◇年産３０万台規模…来年着工

今回の発表はバイデン米大統領の訪韓期間に合わせて行われた。新電気自動車工場は起亜米国生産法人と約４００キロメートル離れた場所に位置する。バッテリーセル工場も米電気自動車工場近くに設立する計画だ。このため新工場は既存工場に納品した部品メーカーと物流システムを共有し効率的に供給網を管理できる。

現代自動車グループはシンガポールのグローバル革新センター（ＨＭＧＩＣＳ）が実証・開発した製造革新プラットフォームを米国の電気自動車新工場に導入する。このプラットフォームは人工知能（ＡＩ）基盤知能型制御システムと親環境低炭素工法など多様な製造新技術を用いたスマート製造プラットフォームだ。

現代自動車グループは２０３０年までに世界で３２３万台の電気自動車を販売し、約１２％のシェアを確保するのが目標だ。このため２０３０年までに１８モデル以上の電気自動車製品群をそろえ、年間１８３万台の電気自動車を販売し、起亜は２０３０年までに電気自動車１３モデルを発売して１４０万台の電気自動車を販売する計画だ。

このうち米国では２０３０年まで８４万台（２５．７％）の販売が目標だ。このため現代自動車グループは４月にジェネシス「ＧＶ７０」の電気自動車モデルをヒョンデのアラバマ工場で生産する案を発表した。